ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『クレイジー・ハート』

2010-04-17 21:44:52 | 新作映画
(原題:CRAZY HEART)

----これってジェフ・ブリッジスが、
アカデミー主演男優賞に輝いた作品だよね。
「そう。主題歌賞も受賞、
しかしそれにしても『ラスト・ショー』のあの少年が57歳の男を演じるんだから、
自分も歳をとったというか、
なんとも感慨深いものが…」

----50代の男が主人公か…。
アメリカの観客に希望を与えたと聞くけど、
この映画、いったいどんなお話ニャの?
ミッキー・ローク主演の『レスラー』と、似たような設定。
かつて一世を風靡した伝説のカントリー・シンガー、
バッド・ブレイク(ジェフ・ブリッジス)は、
孤独なドサ回りの歌手にまで落ちぶれていた。
そんなバッドとは対照的に、
彼の弟子でもあったトミー・スウィートは、
今やトップ・シンガーとして人気を博している。
これは、そのバッドの再生の物語」

----あらら。それで終わり?
他にも何かあるでしょ?
第一、そのトミー、
だれがそれを演じているの?
「これが驚き。
アメリカではそれこそサプライズにしたかったようで、
ビリングにも彼の名前は載っていない。
日本ではプレスには、小さく名前は記されているけどビジュアルはなし。
でも、トレーラーを観ると、
それが誰かは分かるんだけどね」

----回りくどいニャあ。
プレスにあるなら、喋ってもOKじゃニャいの。
「はいはい。答はコリン・ファレル
この映画がオモシロいのは、
そのコリン演じるトミーが、
いまなおバッドを尊敬していて、
彼と共演したがっている。
しかも新曲まで彼に頼むんだ。
昔の恩を決して忘れない。
弱肉強食、下剋上が当たり前のようになってしまった昨今の風潮の中、
この関係性がとても心地よかったね」

----でも、それってバッドにとっては複雑。
「そうなんだよね。
共演とは言ってもトミーの前座なわけだから。
それでもマネージャーのジャック(ポール・ハーマン)に説得され、
バッドはしぶしぶ出演に応じる。
さて、そんな彼が新しい恋に出会う。
地方紙の音楽記者ジーン・クラドック(マギー・ギレンホール)。
彼女はシングルマザーで、
この男(バッド)に惹かれてはダメという内心の声と葛藤しながら、
結局は、深い仲に陥ってしまう
一方、バッドは彼女やその息子との出会いの中、
4歳の時から会っていない28歳になる息子のことを思い出し、
彼に電話をする」

----ニャるほど。
バッドは父親らしいことをしてこなかった…。
これは確かに『レスラー』ミュージシャン版だ。
ということは、彼の体もボロボロ?
「そのとおり。
アルコール依存症のため、
このままでは、バッドの命もそう長くない。
さて、物語を語るのはここまでにしておこう。
実はこの映画、
ここまで『レスラー』とそっくりな展開でありながら、
その後の人生の選択が、あの作品とは大きく異なってくる。
どこがどう違うかまで話しちゃうと、
それこそルール違反になるから止めちゃうけど、
この映画は、『レスラー』とはある意味、対極。
男の生き方にもいろいろあることを教えてくれる。
世が世なら、
この2本を名画座なんかで組むとオモシロいんだけどね」

----ニャるほど。
そのほかの見どころは?
『すべての美しい馬』バリー・マコーウィッツが捉えたアメリカの原風景、
主題歌賞受賞の『The Weary Kind』を作った
ライアン・ビンガム、T=ボーン・バーネットの出演シーンなど、
いくつもあるけど、
ぼくは、コリン・ファレルとジェフ・ブリッジスが
一緒に歌うシーンが好きだね」

----そういえば、Mさんからメール来てたでしょ。
「ラストについて話したいことあり…」って。
「そうそう。それを話さなくっちゃ。
実はこの映画のラスト、
ぼくは、ただ『切ないな。でもこれが人生』と思って観ていたんだけど、
彼の解釈によると、これはハッピーエンド。
そのヒントは指輪と、やはりジェフ・ブリッジスが出演している
『恋のゆくえ/ファビュラス・ベイカー・ボーイズ』
でもそれらについては、まだ明かす時期じゃない。
早くだれかにこの映画を観てもらい、そこについて語りあいたい。
いまは、そんな気持ちでいっぱいだよ」



         (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「う~ん。気になるニャ」小首ニャ


※ほんとはすぐにでも話したい度


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