ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『シャーロットのおくりもの』

2006-12-03 14:31:34 | 新作映画
(原題:Charlotte's Web)

----ねぇ、ねぇ。これ、豚さんのお話でしょ。
豚さんって、少し前に『ベイブ』というのがなかった?
「ありましたねぇ~。
あれは牧羊豚さんのお話。
この『シャーロットの贈りもの』も、
やはり田舎町に住んでいて
他の動物たちもみんなお喋りができる。
ただ、あの『ベイブ』に比べて
こちらの子豚ウィルバーは
生まれた時からかわいそうな運命を背負っている。
彼は生まれてすぐに人間によって殺されそうになるんだ」

----えっ、どうして?
豚さんって、
ぼくらと同じくたくさんの兄妹と一緒に
生まれるんでしょ?
なぜその子だけそんなことになるの?
「ウィルバーのお母さんは11匹もの子豚を産むんだ。
ところがお母さんのお乳は10しかない。
そこでいちばん小さなウィルバーが犠牲にされそうになるんだね。
それを止めたのが牧場の娘ファーン」

----えっ、いまニャんて言ったの?
フォーン?
「いや、残念ながらファーン(笑)。
彼女はウィルバーを殺そうとしていたお父さんに抗議。
自分の手でこの子を育てると誓う。
でも家の中には置いておけずに向かいのザッカーマン農場へ。
そこには馬、ガチョウ、ネズミ、羊、牛など
さまざまな動物が住んでいるんだけど、
なぜかみなウィルバーには冷たい」

----えっ。どうしてなの?。
「彼らは変化のない日常を
淡々と受け入れているだけでなく
知っているんだね。
春に産まれた豚は冬を越すことができないということを。
そう、春産まれの豚は
クリスマスのハムになってしまうんだ」

----ゴクっ……。
あっ、勘違いしないで。
これって息を飲んだだけで、
よだれじゃないよ(汗)。
「大丈夫。分かっているよ(笑)。
映画は彼らの視界に入るスモーク小屋を
それこそナチスのガス室を思わせるような
不気味な存在として描いていく。
そんな中、彼にもある友だちができる」

----ニャるほど。分かった。
それがシャーロットだね。
でもシャーロットってどの動物?
馬さん、牛さん?もしかしてネズミじゃないよね?
「なんと、これがクモなんだね。
『私があなたを守ってあげる』。
かくしてその約束を守るべく、
シャーロットはある<奇跡>を起こすわけだ」

----その<奇跡>は聞かない方がいいみたいだね?
でもクモって気持ち悪くニャい?
「いやあ、どうしてどうして。
これが
日本の平安時代の女性を思わせる顔つき。
正面から見るとかわいくて憎めない。
このシャーロットを演じるのがジュリア・ロバーツ。
出産休養後初の出演だからか、
そのおっとりとした口調は
どことなく母性を感じさせてくれる。
その他のキャスティングも超豪華。
ファーンにはダコタ・ファニング。
動物たちにはロバート・レッドフォード、キャシー・ベイツ、
ジョン・クリ-ス、トーマス・ヘイデン・チャーチ。
ナレーションはサム・シェパード。
でも<声>としていちばん特徴があったのは
食いしん坊で自分勝手なネズミを演じている
スティーブ・ブシェミかな」

----それはスゴい顔ぶれだ。
よく集めたよね。
「やはり原作が大ベストセラーで有名と言うことが大きいかもね。
『スチュアート・リトル』のE・B・ホワイト。
この小説は児童文学の世界に初めて<生と死>を
取り入れたことで知られているらしい。
映画を観たら分かるけど、
無数のクモが産まれ、そして宙に旅立つ
クライマックス・シーンなんて、
もう鳥肌もの。
命をつないでいくことの素晴らしさが繊細な映像で描かれ、
それだけで胸が熱くなる。
脚本が『エリン・ブロコビッチ』『イン・ハー・シューズ』
スザンナ・グラントと
『チキンラン』『森のリトル・ギャング』の
キャリー・カークパトリック」

----つまり、女性映画とアニメが合体してるわけだね?
「おっ。なかなか言うね。
あと、やはり最先端のCGだろうね
今から54年前、
この小説が完全映画化できるなんて、
当時はだれも夢にも思わなかっただろうからね」



                   (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「動物さんいっぱい。ぼくも観たいニャ」ぼくも観たい

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