----これってスペリング・コンテストをモチーフにした映画なんだって?
ドキュメンタリーで同じようなのがなかったっけ?
「日本でも公開された『「チャレンジ・キッズ 未来に架ける子どもたち」。
あれを観たときに、本人より周囲が必死なのに
少し違和感を持たざるを得なかったけど、
この映画はまさにその部分を突いている」
----スペリング・コンテストに否定的なわけ?
「いや、それ自体を描いたと言うより、
それに出場し勝ち抜いてゆく少女イライザを通して、
その少女の家庭が抱えている問題が明らかになっていくというスタイルなんだ」
----つまり“ファミリー”を描いたドラマと言うわけだね。
「うん。アメリカ映画には『普通の人々』を始め、この手の作品は多い。
しかもそれは、一見まとまっているかに見える<家族>の裏に隠されている
さまざまな秘密が明らかになってくると言う問題提起型が多い。
ここではリチャード・ギア扮する宗教学者の父ソールが、
家のリーダーとしてみんなから崇められている。
大学では教鞭をとる彼は、家では料理までこなし、
一見、否の打ちどころがないように見える。
長男のアーロンはヘブライ語を学び学業優秀で父の期待を集めている。
そんな父を寂しい思いで見つめるイライザ。
ところが彼女がスペリング・コンテストの校内大会で優勝したことにより、
家庭内での関係性が変わっていく。
ソールは、かねてよりユダヤ神秘主義に傾倒していて、
文字が持つパワフルなパワーに注目していた。
そんな彼の学術的興味を、イライザのスペリングの才能が刺激したわけだ」
----それはソウルにとってはオモシロくないよね。
「そう。そんな彼の心に入り込んできたのが
美しいヒンドゥー教徒のチャーリ。
一方、母親ミリアムもあるトラウマに囚われ、
夫のソールが自分の欠けた部分を修復してくれると信じていた。
実は彼女もある<秘密>を隠し持っているんだけど、
さすがにこれは想像がつかなかった」
----なになに?不倫とかじゃないの?……。
「いや、
真夜中に家を出たりしているから、
てっきりそうかと思ったけど…そういうことじゃないんだね。
これはネタバレに繋がるから秘密にするけど…」
----内容は分かったけど、映画としてはオモシロいの?
「ここで描かれるのは<家族の関係のほころび…>。
テーマがテーマだけにオモシロいかどうかと言う言葉は適切ではないね。
映画としては<万華鏡>を小道具に、
この家族の修復を言っているようなんだけど、
それが伝え切れているかというと微妙。
『万華鏡のかけらは決して散らばったりしない、
一つに集まって絆を繋ぎ止めている』------
これを家族に例えているとプレスには書いてあったけど、
それは少し分かりにくかったと思う。
映画としてはソールが傾倒する世界そのままに、
神秘的描写が散りばめられ、
さらにそこにミステリーの要素が加わってゆく」
----神秘的描写って?
「イライザのスペリングの能力はただ記憶力だけではない。
目をつぶると声が聞こえて、その声が変わって別の声に。
そして言葉が見えてくる……と、こういうわけだ。
映画ではその<言葉が見える>さまを
CGお駆使したさまざまな手法の映像で見せてくれる。
クライマックス近くでは
彼女は危険な“カバラの秘儀”を体験するんだけど、
ここなんてオカルティックだったよ」
----なんだかややこしい話になってきたニャあ。
「じゃあ、親しみやすい話をして今日は終わりにしよう。
全米大会のチャンピオンを決める単語は、
なんと日本ゆかりの単語。
しかしこれがアメリカで使われているとは驚きだったな」
----えっ、何だろう?かえって気になっちゃったよ。
(byえいwithフォーン)
※家族の危機度
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※画像はアメリカのオフィシャル・サイトのwallpaperです。
ドキュメンタリーで同じようなのがなかったっけ?
「日本でも公開された『「チャレンジ・キッズ 未来に架ける子どもたち」。
あれを観たときに、本人より周囲が必死なのに
少し違和感を持たざるを得なかったけど、
この映画はまさにその部分を突いている」
----スペリング・コンテストに否定的なわけ?
「いや、それ自体を描いたと言うより、
それに出場し勝ち抜いてゆく少女イライザを通して、
その少女の家庭が抱えている問題が明らかになっていくというスタイルなんだ」
----つまり“ファミリー”を描いたドラマと言うわけだね。
「うん。アメリカ映画には『普通の人々』を始め、この手の作品は多い。
しかもそれは、一見まとまっているかに見える<家族>の裏に隠されている
さまざまな秘密が明らかになってくると言う問題提起型が多い。
ここではリチャード・ギア扮する宗教学者の父ソールが、
家のリーダーとしてみんなから崇められている。
大学では教鞭をとる彼は、家では料理までこなし、
一見、否の打ちどころがないように見える。
長男のアーロンはヘブライ語を学び学業優秀で父の期待を集めている。
そんな父を寂しい思いで見つめるイライザ。
ところが彼女がスペリング・コンテストの校内大会で優勝したことにより、
家庭内での関係性が変わっていく。
ソールは、かねてよりユダヤ神秘主義に傾倒していて、
文字が持つパワフルなパワーに注目していた。
そんな彼の学術的興味を、イライザのスペリングの才能が刺激したわけだ」
----それはソウルにとってはオモシロくないよね。
「そう。そんな彼の心に入り込んできたのが
美しいヒンドゥー教徒のチャーリ。
一方、母親ミリアムもあるトラウマに囚われ、
夫のソールが自分の欠けた部分を修復してくれると信じていた。
実は彼女もある<秘密>を隠し持っているんだけど、
さすがにこれは想像がつかなかった」
----なになに?不倫とかじゃないの?……。
「いや、
真夜中に家を出たりしているから、
てっきりそうかと思ったけど…そういうことじゃないんだね。
これはネタバレに繋がるから秘密にするけど…」
----内容は分かったけど、映画としてはオモシロいの?
「ここで描かれるのは<家族の関係のほころび…>。
テーマがテーマだけにオモシロいかどうかと言う言葉は適切ではないね。
映画としては<万華鏡>を小道具に、
この家族の修復を言っているようなんだけど、
それが伝え切れているかというと微妙。
『万華鏡のかけらは決して散らばったりしない、
一つに集まって絆を繋ぎ止めている』------
これを家族に例えているとプレスには書いてあったけど、
それは少し分かりにくかったと思う。
映画としてはソールが傾倒する世界そのままに、
神秘的描写が散りばめられ、
さらにそこにミステリーの要素が加わってゆく」
----神秘的描写って?
「イライザのスペリングの能力はただ記憶力だけではない。
目をつぶると声が聞こえて、その声が変わって別の声に。
そして言葉が見えてくる……と、こういうわけだ。
映画ではその<言葉が見える>さまを
CGお駆使したさまざまな手法の映像で見せてくれる。
クライマックス近くでは
彼女は危険な“カバラの秘儀”を体験するんだけど、
ここなんてオカルティックだったよ」
----なんだかややこしい話になってきたニャあ。
「じゃあ、親しみやすい話をして今日は終わりにしよう。
全米大会のチャンピオンを決める単語は、
なんと日本ゆかりの単語。
しかしこれがアメリカで使われているとは驚きだったな」
----えっ、何だろう?かえって気になっちゃったよ。
(byえいwithフォーン)
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※画像はアメリカのオフィシャル・サイトのwallpaperです。