ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『チキン・リトル』

2005-11-26 12:49:33 | 新作映画
----このキャラクター、あまり親しめないニャあ?
「うん。ニワトリって食材のイメージ強いし、
今年は鳥インフルエンザもあるからね。
でも観ているうちに、だんだんかわいくなってくる。
ドジと言うわけでもないんだけど、このチキン・リトル、
やることなすこと、すべて裏目に出ちゃうんだ。
チラシの言葉を借りれば
『ディズニー史上最も《ツイてない》キャラクター』」

----予告編では多くのUFOが空を埋め尽くしていたけどどんな映画なの?
「じゃあ、いつものように簡単なストーリーを。
物語は1年前にさかのぼる。
『空のカケラが落っこちてきた!』-----
警報用の鐘を力一杯鳴らして、
町中をパニックに陥れたチキン・リトル。
それ以来、彼は何をやってもヘマの繰り返し。
父親のバック・クラックは彼を心配するあまり
『お前には無理だよ』と言うのが口癖となってしまう。
でもチキン・リトルにとっては
町の人に嘲笑されるよりも父親に認められないことの方が辛い。
しかし彼についに名誉挽回のチャンスがやってくる。
長年のライバルチームを相手にした野球の試合で、
奇跡とも言える彼の活躍で大逆転勝利を収めたわけだ。
町のみんなも、もちろん父バックも大喜び。
その夜、空を見上げて、一日を感謝するチキン・リトル。
だが、そのとき最悪の事態が起こる。
またしても“空のカケラ”が落っこちてきたのだ!」

----ニャるほど。そこからSF的な話になるわけだね。
確か今回はディズニーがピクサーと離れて最初の作品だよね。
どうだったの?
「それ言われて思い出したよ。
冒頭は、映画をどのように始めようかと・・・
制作側がその逡巡の過程をセルフパロディ。
『ライオン・キング』風のオープニングを見せて、
『これじゃモノまねだ』と引っ込めてみせたりね(笑)。
で、本筋に入ると、
小さな町で家の前は芝生。そこを車が行き交う。
これって初の全編CG『トイ・ストーリー』そっくり。
でもそこから映画は自由な飛躍を見せる。
大きな給水タンクが狭い道路を塞ぐように転がり
その前を人々が逃げ惑う。
これってあの映画そっくりと思ったら、
映画館では『レイダース・失われた聖櫃《アーク》』が
実写でかかっているとかね」

----ふうん。映画のパロディが多いんだ。
「パロディと言うよりオマージュと言ってあげたい気がしたな。
特にスピルバーグへのね。
宇宙船が現れるところは『未知との遭遇』そっくり。
これは監督違いだけど、
トウモロコシ畑に身を隠し、
結果ミステリーサークルができるくだりは『サイン』。
チキン・リトルと仲間の設定も楽しく、
潜水ヘルメットをかぶった魚フィッシュや
体は大きいが実は恐がりの豚のラント、
それに決して美人とは言えないアヒルのアビーとかね。
彼ら仲間がカラオケ好きと言うのも楽しい。
スタンダード・ナンバーがいくつもはじけ、
映画をより楽しいものにしている」

----ユーモアもたっぷりのようだね?
「そう、しかもそれがディズニーらしく上品だ。
時間を気にして腕時計を見たらミッキーマウス(笑)。
一方では、ラントが過呼吸で袋いっぱいに息を吐いたり吸ったり、
といった現代的なシーンもある。
内容的には失われた家族の絆とその回復なんだけど、
それよりも、映画全編にあふれる遊び心、
そこに込められた笑いと冒険に時が経つのを忘れてしまう。
これから観る人のために、
その一つ一つを言うのは割愛するけど、
ここ一年のフルCGアニメではベストじゃないかな。
お正月に子供と観るには最高だと思うよ」

                     (byえいwithフォーン)

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