----青山真治監督の新作だね。だいぶためらっていたようだけど?
「うん。ここでスルーする作品にはいくつかの理由があるけど、
これはその一つ。
自分の手に負えないタイプの作品だわ。
青山監督は最近ゴダールの新作『アワーミュージック』について
さまざまな場所で対談、鼎談をしていることからも、
<音>を重要なファクターと見ていることの予測はついていたけど、
まさかここまでとは。
ゴダールの映画がそうであるように、
この映画も従来の映画の語り口の中で収まりきれない」
----ふうん。よく分からないニャあ?どういうジャンルの作品なの?
「一応はSFの設定を取っている。
西暦2015年。世界中に正体不明の致死ウィルスが蔓延。
それは<レミング病>と呼ばれ、
そのウィルスに冒されて発病した人々は自殺をしてしまう。
ところがあるミュージシャンの創りだす“音”が
レミング病の進行を抑えることが分かり、
その噂を耳にした老富豪(筒井康隆)が
ウィルスに冒された孫娘ハナ(宮崎あおい)の死を止めるために、
彼らの演奏を請う……というものだ」
----オモシロそうじゃない?
「ところがね。これってシナリオでわずか50ページほど。
短編で終わってもおかしくはないこの脚本を
青山監督はなんと2時間弱の映画に仕上げている。
セリフも極端に少なく、
そのほとんどのシーンが、パイプを回したりだとか、
トマトや貝殻などををつぶしたり叩いたりして得られた
さまざまな音を拾い集める<画>に費やされていく。
しかもそうやって出来上がった音楽は凄まじい轟音。
5.1チャンネルの音響システムで再現される」
----ニャるほど。でもそれってノイズって感じ。
「そう。
このノイズが創りだす空間に身を浸すことができるか否か…。
映画の中で語られるセリフには、
興味深いモノがないわけでもないんだけど、
ぼくとしては、まずはそこでつまづいてしまう」
----たとえば?
「“病気の自殺と、本当の自殺の違い”とか、
“音楽が病気を治すのではなく、
ウィルスが音を食って満腹になって眠る”とか、
テーマとしてもユニーク。
あと、とぎれとぎれの不協和音の使い方も、
60年代のゴダール映画を思わせる。
でも、やはりぼくにはお手上げ。
映画は、ミズイ(浅野忠信)とアスハラ(中原昌也)ふたりが
音を集めているところから始まり、
しばらくしてようやく
この世界にレミング病が蔓延し、
それを押さえるカギが
実はふたりにあるということが分かってくるという構成。
でも、宣材はあらかじめそれを明らかにしている。
そこで最初は『こんな種明かししていいの?』
みたいな話をしようと思ったんだけど、
どうやらこの映画はそんな宣伝云々を超越したところに
屹立しているみたいだ。
まあ、こういうのも一つの映画のあり方なんだろうけどね」
----ところでタイトルの意味って?
「『神よ、何ゆえに我を見捨てたもうや。』
主イエスが十字架に張り付けられながら唱えた最期の言葉なんだって」
------mmmmmmm
(byえいwithフォーン)
※こりゃあまいった度
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「うん。ここでスルーする作品にはいくつかの理由があるけど、
これはその一つ。
自分の手に負えないタイプの作品だわ。
青山監督は最近ゴダールの新作『アワーミュージック』について
さまざまな場所で対談、鼎談をしていることからも、
<音>を重要なファクターと見ていることの予測はついていたけど、
まさかここまでとは。
ゴダールの映画がそうであるように、
この映画も従来の映画の語り口の中で収まりきれない」
----ふうん。よく分からないニャあ?どういうジャンルの作品なの?
「一応はSFの設定を取っている。
西暦2015年。世界中に正体不明の致死ウィルスが蔓延。
それは<レミング病>と呼ばれ、
そのウィルスに冒されて発病した人々は自殺をしてしまう。
ところがあるミュージシャンの創りだす“音”が
レミング病の進行を抑えることが分かり、
その噂を耳にした老富豪(筒井康隆)が
ウィルスに冒された孫娘ハナ(宮崎あおい)の死を止めるために、
彼らの演奏を請う……というものだ」
----オモシロそうじゃない?
「ところがね。これってシナリオでわずか50ページほど。
短編で終わってもおかしくはないこの脚本を
青山監督はなんと2時間弱の映画に仕上げている。
セリフも極端に少なく、
そのほとんどのシーンが、パイプを回したりだとか、
トマトや貝殻などををつぶしたり叩いたりして得られた
さまざまな音を拾い集める<画>に費やされていく。
しかもそうやって出来上がった音楽は凄まじい轟音。
5.1チャンネルの音響システムで再現される」
----ニャるほど。でもそれってノイズって感じ。
「そう。
このノイズが創りだす空間に身を浸すことができるか否か…。
映画の中で語られるセリフには、
興味深いモノがないわけでもないんだけど、
ぼくとしては、まずはそこでつまづいてしまう」
----たとえば?
「“病気の自殺と、本当の自殺の違い”とか、
“音楽が病気を治すのではなく、
ウィルスが音を食って満腹になって眠る”とか、
テーマとしてもユニーク。
あと、とぎれとぎれの不協和音の使い方も、
60年代のゴダール映画を思わせる。
でも、やはりぼくにはお手上げ。
映画は、ミズイ(浅野忠信)とアスハラ(中原昌也)ふたりが
音を集めているところから始まり、
しばらくしてようやく
この世界にレミング病が蔓延し、
それを押さえるカギが
実はふたりにあるということが分かってくるという構成。
でも、宣材はあらかじめそれを明らかにしている。
そこで最初は『こんな種明かししていいの?』
みたいな話をしようと思ったんだけど、
どうやらこの映画はそんな宣伝云々を超越したところに
屹立しているみたいだ。
まあ、こういうのも一つの映画のあり方なんだろうけどね」
----ところでタイトルの意味って?
「『神よ、何ゆえに我を見捨てたもうや。』
主イエスが十字架に張り付けられながら唱えた最期の言葉なんだって」
------mmmmmmm
(byえいwithフォーン)
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