ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『イントゥ・ザ・サン』

2005-11-07 23:09:38 | 新作映画
----大沢たかお、寺尾聰、伊武雅刀、豊原功輔、栗山千明。
まるで日本映画みたいだ。でもこれってれっきとしたアメリカ映画だよね?
「そう、主演はスティーブン・セガールね。
彼がここで扮しているのはCIAエージェント、トラビス・ハンター。
ある都知事候補がふたり組に射殺された事件の裏に、
テロの可能性を追求するFBIがCIAに協力を要請したことから、
東京の下町で育ち、ヤクザ事情にも精通するトラビスに白羽の矢が立つ……
というお話だ」

----ありゃりゃ、それでおしまい?
「まあ、この事件の裏には、
不法入国の外国人の一掃を掲げたこの都知事候補を煙たがる
勢力がいたと言うわけなんだけどね。
と言うのも、黒田(大沢たかお)をボスとする新興暴力団は、
蛇頭と結託し、ヘロインの密輸で勢力拡大を図っていた!」

----ニャるほど分かりやすいお話だね。
日本のロケが多いようだけど、見どころはやはりそこニャの?
「うん。映画の設定では、築地の魚市場に黒田が事務所を構えている。
他にも池袋、新宿、目白、浜離宮、芝、
横浜中華街などが次々と出てきて目を楽しませてくれる。
もっとも東京ロケは難しく、
建物とかの内部はタイにセットを作ったらしいけどね」

----ハリウッドが日本を舞台にすると、
間違った日本イメージで“おかしなニッポン”になること多いよね。
この映画はどうだったの?
「お約束の芸者や僧侶は出てくるけど、
もっとも<変>だったのは言葉だね。
スティーブン・セガールが操る日本語は
大阪弁と標準語がチャンポンになっていて爆笑もの」

----あちゃあ~っ、そんなこと言っちゃっていいの?
「プレスにもそれが強調してあるからいいんだと思うよ。
『人を斬りまっせ、ワシは、今夜』…って。
かと思うと
『ばっきゃろー!』
いやあ、楽しませてもらった。
この映画にハードなイメージを期待して裏切られるより、
へんてこりん映画を楽しむつもりで観に行くと
『あ~、カルトな時間を過ごした』になると思うよ。
そうそうセガールの日本人女性へのプロポーズ・シーンもある。
そのヒロインも死ぬ寸前、
日本語でなく英語で『トラビス、アイ・ラブ・ユー』(笑)。
そこにトラビスはいないし、ここは日本語だろうに……」

----そのヒロインが栗山千明なの?
「いや、彼女は知事候補の娘役。
セリフがないばかりか、ものの10秒も出てるかどうか。
監督がタランティーノ主宰のバンド・アパートに所属するミンク。
『キル・ビル』を観たことが彼女の出演のきっかけのようだ。
印象に残ったのは、健さんと池部良のような感じで、
セガールにお供して敵地に乗り込んでいく豊原功輔かな。
ただ、彼は刺青師に扮しているんだけど、
セガールが訪ねて来たら途中で仕事を止めてその相手をしてしまう。
放っておかれた人はたまらないだろうに…
なあんて、ツッコミ始めたらきりがないけどね。
警視庁の現場検証の中にFBIが踏み込んでいくし、
これじゃ日本はアメリカの属国だ(笑)。
最近のセガール映画は東欧とかアジアを舞台にしたものが多いけど、
もしかしたら、それらも現地の人が観たら、
けっこう、とんちんかんなものなのかも」

----あ、そう言えばお楽しみがあるんだって。
「そう。セガールの父娘共演」
----えっ?藤谷文子はクレジットされていないよ。
「うん。実はヤクザが部屋で観ている映画が…」
----あ~、ニャるほど。あれね。亀が大きくなって暴れるヤツ。
「そうそう。しかもアップで2回は写ったかな。鉄人も娘には弱い(笑)。
いや、そう言っちゃ失礼かな。
これはスタッフの粋な計らいなんだろうね。」

        (byえいwithフォーン)

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