たった今「moon」をクリアしました人形使いです。
……久々にキたので、語るぜ。
異色RPGである。
戦闘がない、主人公が勇者じゃない、などなど、既存のRPGとは一線を画す内容。
しかしほのぼのしたBGM、柔らかなグラフィック、クレイアニメを思わせるへんてこなキャラで構成されているのでとっつきにくさはない。
むしろ昨今の流血描写バリバリのゲームを必死こいて否定してるお母様方でも安心してお子さんにプレイさせられる種類のゲームだ……外見は。
だからこそその裏に隠された毒気を目の当たりにした時に怖さを感じるのだわ。
ラスト、奇盤の山に据えられた女王とドラゴンの対になった頭という姿、そして自身の分身である勇者に切り伏せられる主人公と、剣を鞘に収めた途端にガラガラと鎧だけになって崩れ落ちる勇者の姿には、そういうグラフィックだからこそ少なからず怖さを感じた。
そして各所を物議をかもしたであろうあの選択肢。
ゲーム中にも選択肢はいくつか出てくるが、この選択肢だけは異質だ。
ゲームを止めることでのみ完結するゲーム。
月の扉はこっちからではなくそっちから開けるものだった。
劇中で3度(厳密には4度)繰り返される、「ゲームなんて止めてなさい」というメッセージ。
既存の王道的RPG批判に見えるがその実ゲーム(にのめり込むこと)を批判していたという訳だ。
EDの最後では、「moon」の発売中止を知らせるポップすら映し出されている。
そしてさっさと終わらせてしまえとばかりに早送りになるBGM。
だが、決してゲームを否定しているのではない。
ゲームを否定したいのならば、まずその手段としてゲームを使うはずはない。
EDでの、ゲーム中のキャラが実写の世界に溶け込んだ映像には、ゲームを否定した断絶はない。むしろゲームと現実との共存という選択肢の提示を感じた。
EDにて「Thanks for Playing」の文字が表示されたまましばらく待つと表示されるメッセージ。
最後の最後まで「ゲームなんてやめて電源を切りなさい」と語りかけてくるけれどしかし、その前には「いつかまたどこかで……」と、再会をほのめかしてもいる。
そういえばフローレンスも言っていた。「道ばたで会うこともあるだろう」と。
道ばたで、というのがポイントだな。
世界はモニターの中だけではなく、その外にもあるから、そこでも会えるよ、と言うことなんだろう。
とまあまとまりなく語ってみました。
要するにメタフィクションなわけだな。
他にゲーム中のメタフィクション的なシーンというと、「パンツァードラグーンRPG-AZEL」のアレを思い出すが、あれはあくまでギミックの一つとしてのみ使われていたので、印象としては「moon」の方が強烈だった。
作品としてのとっつきにくさはそんなにないと思うけど、EDが半ば丸投げって感じなのでそこに違和感を感じる人は多いと思う。というか僕がいいなあと思うゲームはそんなんばっかりだな。素直に人に薦めにくいというか。
それでもこのゲーム、興味を持ったらプレイしてみて欲しい。
きらびやかでメルヘンチックな月の裏側には、皮肉たっぷりの毒の花が咲いている。
……久々にキたので、語るぜ。
異色RPGである。
戦闘がない、主人公が勇者じゃない、などなど、既存のRPGとは一線を画す内容。
しかしほのぼのしたBGM、柔らかなグラフィック、クレイアニメを思わせるへんてこなキャラで構成されているのでとっつきにくさはない。
むしろ昨今の流血描写バリバリのゲームを必死こいて否定してるお母様方でも安心してお子さんにプレイさせられる種類のゲームだ……外見は。
だからこそその裏に隠された毒気を目の当たりにした時に怖さを感じるのだわ。
ラスト、奇盤の山に据えられた女王とドラゴンの対になった頭という姿、そして自身の分身である勇者に切り伏せられる主人公と、剣を鞘に収めた途端にガラガラと鎧だけになって崩れ落ちる勇者の姿には、そういうグラフィックだからこそ少なからず怖さを感じた。
そして各所を物議をかもしたであろうあの選択肢。
ゲーム中にも選択肢はいくつか出てくるが、この選択肢だけは異質だ。
ゲームを止めることでのみ完結するゲーム。
月の扉はこっちからではなくそっちから開けるものだった。
劇中で3度(厳密には4度)繰り返される、「ゲームなんて止めてなさい」というメッセージ。
既存の王道的RPG批判に見えるがその実ゲーム(にのめり込むこと)を批判していたという訳だ。
EDの最後では、「moon」の発売中止を知らせるポップすら映し出されている。
そしてさっさと終わらせてしまえとばかりに早送りになるBGM。
だが、決してゲームを否定しているのではない。
ゲームを否定したいのならば、まずその手段としてゲームを使うはずはない。
EDでの、ゲーム中のキャラが実写の世界に溶け込んだ映像には、ゲームを否定した断絶はない。むしろゲームと現実との共存という選択肢の提示を感じた。
EDにて「Thanks for Playing」の文字が表示されたまましばらく待つと表示されるメッセージ。
最後の最後まで「ゲームなんてやめて電源を切りなさい」と語りかけてくるけれどしかし、その前には「いつかまたどこかで……」と、再会をほのめかしてもいる。
そういえばフローレンスも言っていた。「道ばたで会うこともあるだろう」と。
道ばたで、というのがポイントだな。
世界はモニターの中だけではなく、その外にもあるから、そこでも会えるよ、と言うことなんだろう。
とまあまとまりなく語ってみました。
要するにメタフィクションなわけだな。
他にゲーム中のメタフィクション的なシーンというと、「パンツァードラグーンRPG-AZEL」のアレを思い出すが、あれはあくまでギミックの一つとしてのみ使われていたので、印象としては「moon」の方が強烈だった。
作品としてのとっつきにくさはそんなにないと思うけど、EDが半ば丸投げって感じなのでそこに違和感を感じる人は多いと思う。というか僕がいいなあと思うゲームはそんなんばっかりだな。素直に人に薦めにくいというか。
それでもこのゲーム、興味を持ったらプレイしてみて欲しい。
きらびやかでメルヘンチックな月の裏側には、皮肉たっぷりの毒の花が咲いている。