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滝平二郎の世界展

2017年04月25日 | Museum
4月25日、『色あせない風景 滝平二郎の世界展』を三鷹市美術ギャラリーにて鑑賞。
幼き頃、読んだ絵本“八郎”は、大きな絵本だったこと、今でこそ版画であったと理解できますが、当時は迫力ある八郎の絵のタッチがたいへん印象強く、実は物語自体は秋田の話だったかな位のうろ覚えながら、何度も読んでいたのを思い出します。その“八郎”の作者が滝平二郎氏。“もちもちの木”も読んだ記憶が蘇ります。本展は、滝平二郎氏の初期のスケッチから木版画、切り絵の作品をあますことなく鑑賞できる展覧会。ほのぼのとした作風に、日本の風土、日本の原風景たる農村に力強く生きる大人たち、生活感ある子どもたちに、温かみと懐かしさを感じます。また、色彩の美しさ、淡色の使い方、螺鈿的輝き、すべては和を感じるもの。しばし見入ってしまう心に染み入る作品に感動。
 ~以下、オフィシャルより~
滝平二郎(たきだいら じろう)は、1921(大正10)年茨城県新治郡玉川村(現・小美玉市)の農家の次男として生まれました。子どもの頃から絵本や講談本に親しみ、高校時代は漫画サークルに加入し風刺漫画の制作に傾唐オます。卒業後は独学で木版画を習得し、身近な農村の日常を題材にした作品を制作し展覧会へ出品するなど画家を志します。徴兵により一時中断を余儀なくされますが、終戦の後に自然とともに生きる人々の姿や自身の戦争体験を題材とした作品を発表し、木版画家としての地位を確立します。それらの版画作品と並行して、1950年代後半から本の装幀や挿絵の仕事を手がけます。特に児童文学作家・斎藤隆介(1917?985)との出会いによって、絵本『八郎』(1967)を皮切りに『花さき山』(1969)、『モチモチの木』(1971)など数々の名作を生み出しました。当初は手書きであった挿絵ですが、木版を経て60年代後半から〈きりえ〉へと移行し、1969年から朝日新聞紙上でもきりえの掲載を開始します。高度経済成長の日本において急速に失われつつあった昔懐かしい農村の風景や遊びなどを温かな色彩で描き出したこの連載は、大きな反響と人気を呼び、その後10年間にわたって継続しました。本展では、2009(平成21)年に亡くなった滝平二郎の画業を振り返り、知られざる初期の木版画からきりえへと移行した中期の絵本原画、人気を博した新聞連載の原画まで、その詩情あふれる作品群を紹介します。