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天心

2013年10月19日 | Movie
10月19日、シネプレックス水戸での先行上映:映画『天心』をレイトショーで鑑賞。
今年、茨城で最も注目を集める映画のひとつが、北茨城にて晩年を過ごした岡倉天心をモデルにした映画『天心』。2013年は、岡倉天心生誕150周年(没後100年)を迎えるのを記念し、天心の生涯を追った映画です。
日本近代美術の父とも言うべき岡倉天心。1863年に横浜で生まれ、27歳で東京美術学校の校長に。そこでは、天心と共に新しい日本画の確立に奮闘する横山大観らも学んでいました。その後、岡倉天心は1898年35歳で東京美術学校を退き日本美術院を創立。しかし、西洋絵画の技術を日本画に取り入れようとする新しい試みは、世間から批判を受け、うまくいきませんでした。次いで1905年、天心は北茨木市:五浦(いづら)の別荘を改築し六角堂を建設。日本美術院の再起を賭け、横山大観・下村観山・菱田春草・木村武山ら4人の画家たちを呼び寄せました。当時は「美術院の都落ち」と揶揄されることもありましたが、4人の画家たちは岡倉天心の指導の下、優れた作品を残し、日本美術史に大きな足跡を残します。
本作品では、岡倉天心の鬼才ぶりと、岡倉天心に師事し、五浦で七転八豆葛藤の日々を送る菱田春草ら弟子達の姿を描いています。100年前、「クールジャパン」を創った男たちの魂の物語。岡倉天心を演じるは鋳?シ人(若き日の天心:大和田健介)。物語は、中村獅童:横山大観の回想という設定で、神息と言われた下村観山に木下ほうか、弟子物語で夫婦愛美しい菱田春草に平山浩之行、木村武山には橋本一朗、そのほか脇を固めるのは温水洋一、渡辺裕之、本田博太郎らとキャスティングも渋いのです。
エンターテイメントとして愉快痛快な映画ではありませんが、北茨城の地で日本の美術の源流が脈々と流れ出る史実と、その中心にいた日本近代美術の父:岡倉天心(1863~1913)を知るには秀逸。
茨城県では地元をあげて岡倉天心が盛り上がっているよう。にわかながらマイブームです。