おてんきぷらぷら

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アガサ・クリスティー展

2010年04月17日 | Museum
『アガサ・クリスティー展』“ミステリーの女王 その軌跡”(東京国際フォーラム 相田みつを美術館)
アガサ・クリスティー生誕120周年記念の展覧会。灰色の脳細胞を持つ「エルキュール・ャAロ」に、上品な老婦人「ミス・マープル」ものは中学生時代読み尽くした感があります。あらためて映画で観た「オリエント急行の殺人」「ナイルに死す」「そして誰もいなくなった」や、HNKのTVシリーズ(お正月放映が多かったように)も忘れられません。
本展では、彼女の私生活を覗き見ることができ、手書のノート・タイプライター・ディクタフォンや、数点の初版本、写真や衣装などの身の回りの品や多くのプライベート写真が展示されています。ビデオでは彼女の肉声も聞け、海水浴など貴重な映像も惜しげもなく見れます。まあ、水着姿を見たからどうという感想もないのですが。
 実はミステリー好きになる自分の原点は彼女の作品「アクロイド殺し」。たぶん中学1年ではないかと思うのですが、コナンドイルの「シャーロックホームズ」シリーズを読みあさった後に読んだ「アクロイド殺し」のどんでん返しの犯人に、“それをやったらおしまいよ”と寅さん風に驚いた経験は今も記憶に新しく残っています。ネタバレになりますが、事件の語り手(探偵の助手)が新犯人という手法は、1926年作品発表当時もその賛否が論議になったとこと。今ではこの手の手法は応用され新たなジャンルになっていますが、歌野晶午の「葉桜の季節に君を想うということ」などもこのジャンルだと思います。展示品を見ていても実際は初めて見るものばかりで懐かしさを感じるものではありませんが、彼女の作品を読んでいた自分、映画・TVシリーズを見ていた自分を思い出し感慨深く心地よい展覧会でした。
また、時間ができたら読まねばならない本が増えました。長生きしようっと。



 アガサ・クリスティー AGATHA CHRISTIE
 1890年9月15日~1976年1月12日