下半期の最強ダートホース決定戦・第15回チャンピオンズカップ(GI・ダート1800m 16頭立て)が7日、中京競馬場で行われました。昨年まで開催された「ジャパンカップダート」が改称され、舞台も阪神から中京に変わりました。その初代王者を決めるレースには、今年GⅠ3勝の⑭コパノリッキー、JCD3年連続2着⑪ワンダーアキュート、2年連続3着⑧ホッコータルマエ、完全復活を目指す⑫ローマンレジェンド、2012年の勝ち馬⑩ニホンピロアワーズ、メンバー紅一点⑦サンビスタ、アメリカからの刺客①インペラティヴ、現在3連勝中⑮インカンテーション、他にも③クリソライト、⑥グレープブランデー、⑬カゼノコなどダート界のトップホースが参戦しました。
単勝の上位人気は、1番人気がコパノリッキー(3.0倍)、2番人気ホッコータルマエ(5.9倍)、ローマンレジェンド3番人気(7.1倍)。4番人気のインカンテーション(8.0倍)までが10倍を切り、5番人気以降はワンダーアキュート、クリソライト、⑨クリノスターオー、④ナムラビクター、②ベストウォーリアと続きました。
スタンド前からのスタートで、コパノリッキーが後手を踏んで後方からの競馬。好スタートを切ったグレープブランデーが前に出るが、真ん中からクリノスターオーがかわして先頭に立つ。ホッコータルマエとニホンピロアワーズも好位追走、ローマンレジェンド5番手、コパノリッキーは中団に進み、インカンテーションはやや後ろのポジションでスタンド前を通過した。
1コーナーを過ぎて向正面に出て、クリノスターオーが単独先頭、ホッコータルマエが2番手に上がり、3番手集団はグレープブランデーとニホンピロアワーズ、⑯ダノンカモン・ローマンレジェンド・ナムラビクターがひと塊。8,9番手の位置にベストウォーリアとクリソライトが並走。その後ろの10番手にサンビスタ、コパノリッキーは外の11番手にいる。12番手にインペラティヴ、インカンテーション13番手、ワンダーアキュート14番手追走。後方は⑤ワイドバッハとカゼノコが並んでいる。
3コーナーに差し掛かるところで、先頭争いはクリスタ先頭、2番手のタルマエが接近し、ローマンが3番手に浮上。その後ろにクリソとビクターもいる。リッキーとインカン、アキュートはまだ中団から後方待機。4コーナーから最後の直線に入り、ホッコータルマエとローマンレジェンドの2頭が競り合い、グレブラとナムラビクターが懸命に追い込む。大外のコパノリッキーは万事休すだ。残り200mを切り、タルマエが抜け出し、ビクターが2番手に上がったが、ホッコータルマエがそのまま押し切って先頭ゴールイン!ホッコータルマエ、ついに中央GⅠ初制覇!
チャンピオンズカップ 全着順&払戻金
1着⑧ホッコータルマエ 1分51秒0
2着④ナムラビクター 1/2馬身
3着⑫ローマンレジェンド 3/4馬身
4着⑦サンビスタ 1馬身1/4
5着⑪ワンダーアキュート 3/4馬身
6着⑤ワイドバッハ ハナ
7着⑬カゼノコ 1/2馬身
8着⑨クリノスターオー クビ
9着⑥グレープブランデー ハナ
10着⑮インカンテーション 3/4馬身
11着②ベストウォーリア 1馬身1/2
12着⑭コパノリッキー 1馬身1/4
13着⑩ニホンピロアワーズ 1馬身1/4
14着③クリソライト 1馬身1/2
15着①インペラティヴ 1馬身1/4
16着⑯ダノンカモン 1馬身1/2
単勝 ⑧ 590円
複勝 ⑧ 190円 ④ 440円 ⑫ 270円
枠連 [2]-[4] 1,900円
馬連 ④-⑧ 5,470円
馬単 ⑧-④ 9,020円
ワイド ④-⑧ 1,470円 ④-⑫ 2,400円 ⑥-⑫ 720円
3連複 ④-⑧-⑫ 11,730円
3連単 ⑧-④-⑫ 70,890円
ダートGⅠ馬10頭が参戦したチャンピオンズカップ、その初代王者に輝いたのはホッコータルマエ!道中は2番手で追走し、直線でローマンレジェンドとの競り合いから抜け出し、ナムラビクターの追撃を振り切りました。2着に入ったナムラビクターは、ゲート前で気性が激しかった割には好走しましたね。尻跳ねやゲートの後ろの扉を蹴ったりと暴れっぷりがハンパなかったもん。1番人気だったコパノリッキーは、スタートの出遅れが大きく響いて12着惨敗。インカンテーション、ベストウォーリア、クリソライトの4歳勢も2ケタ着順。上位は5歳と6歳、8歳のアキュートも5着とベテラン勢が独占。ダート界の世代交代はなかなかうまく進みませんね。
勝ったホッコータルマエは、今年1月の川崎記念以来の勝ち星。通算6度目のGⅠ制覇ですが、中央でのGⅠ勝利はこれが初めてです。JCDで2年連続3着、フェブラリーステークスも2着に敗れ、4度目の中央GⅠ挑戦で悲願達成となりました。鞍上の幸英明騎手は、2008年の高松宮記念以来、約6年半ぶりのJRAGⅠ勝利。管理する西浦勝一調教師は、2006年の秋華賞(カワカミプリンセス)以来8年ぶりの中央GⅠ勝ち。
タルマエは昨年、地方の交流GⅠ競走4勝を含む10戦7勝と大活躍。しかし、年明けの川崎記念を勝った後、ドバイ遠征前哨戦のフェブラリーでコパノリッキーの後塵を拝し、ドバイワールドカップでは最下位の16着と大敗、レース後にはストレス性腸炎を患い、半年の休養を余儀なくされました。復帰戦となったJBCクラシックでは休み明けもあって4着。着差以上の完敗を喫し、復活に時間かかるかと思われましたが、叩き2戦目となった今回、前走から一変した走りで優勝。ドバイ惨敗、病気を乗り越えての復活を果たしました。体調が良ければ、年末の東京大賞典(12月29日・大井)に出走予定。コパノリッキーとの頂上対決に勝って、「最優秀ダート馬」を手にできるのか?
来週は阪神競馬場で、2歳女王決定戦・阪神ジュベナイルフィリーズが行われます。デビュー2連勝で小倉2歳ステークスを勝ったオースミアリス、ファンタジーステークスを勝ったクールホタルビ、アルテミスステークスの勝ち馬・ココロノアイといった重賞勝ち馬に加え、レオパルディナ、レッツゴードンキ、コートシャルマン、ダノングラシアス、ロカなどが登録しています。来年の牝馬クラシックに繋がるであろう一戦に勝つのは?
そして、同じ日にはシャティン競馬場で「香港国際競走」があります。日本からは「香港マイル」にフィエロ・グランプリボス・ワールドエース・ハナズゴールの4頭が参戦。「香港カップ」はマイネラクリマとアルキメデスの2頭、「香港スプリント」にはスノードラゴン・ストレイトガール・リトルゲルダの3頭、「香港ヴァーズ」にはカレンミロティックが出走します。香港から朗報が届くことを期待したいですね。