かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

どうして一部のヒトは、真偽不明の体験談しかなくて根拠も示されないものを信じられるんでしょうね?

2017-02-07 21:31:12 | Weblog
 今朝の最低気温は0.1℃、最高気温は7℃でした。一日、ぼちぼち日差しがあったのですが、冷たい季節風が思いの外強く吹き、体感温度はさっぱり上がらず寒い一日になりました。明日は今日と似たような天気になって、少しだけ温かみを増すようですが、明後日は雨もしくは雪が予報されていて、旅立ちにはあまり良ろしからずの空模様になるようです。朝のうちだけでも天気がもてばいいのですが。

 さて、今、塩水洗浄ダイエットなる珍妙な手法がブームになっているのだそうな。ダイエットと言うと百花繚乱玉石混交、というか石しか無いトンデモ話が次々沸き起こっては廃れていく恐ろしい戦場ですが、この塩水ダイエットは人体への悪影響が半端ない困った手法として、これまでのダイエット手法の中でも中々の最右翼に位置するもののようです。
 基本手法は、空腹時に生理食塩水1Lを一気飲みする、というもの。すると、お腹を壊し下痢を起こして、体内毒素の75%を占める腸内を洗い流してしまうことができるという摩訶不思議な手法です。その際利用する塩は、食塩(食卓塩)よりも天然塩の方が効果が高いのだそうです。また、血液に近い濃度の食塩水なので、腎臓により水が吸収されず、塩も吸収されないのだそうです。

 ・・・うーん、どこから突っ込めばよいのか迷うほどなトンデモ理論ですが、これを信じてダイエットに取り組むヒトがある程度居るという事もまた、信じがたい話ではあります。せめてこの手法のエビデンスを明らかにしてもらわないと、と思うのですが、例えば体内の毒素の75%が腸に存在する、と断定する根拠(それ以前に、何をもって「毒素」と読んでいるのかも気になりますが)や、血液に近い濃度の塩水が吸収されないという話も、どこにそんな根拠があるのかと不思議でなりません。食塩よりも天然塩の方が良い、というのも意味不明ですが、これは天然塩の方がナトリウム以外のミネラルも含むので体に良い、とでも言いたいのでしょうか? ならば必要とされるナトリウム以外のミネラルを幾つかピックアップしてくれてもよいのですが、そういうのもないようです。
 既に元記事の内容は削除されているとのことですが、その内容があちこちに飛び火して独り歩きしているそうで、私も試しにググってみましたら「体験談」だの「失敗しない方法」など色々と怪しげな話が散らばっていました。もっとも幸いなことにというか、その危険性を強調するサイトも幾つか出て、盲目的な追従は無くなっているようでした。

 それにしても、そもそも下痢を起こしたいなら下剤で十分ですし、塩水である必然性はあまり無いでしょう。大体1L飲むこと自体既に言われているように危険行為ですが、その危険を犯しても別段ホースの口を細くして勢い良く水を噴出させているかのように塩水が体内を駆け抜けていくわけではありませんし、その程度の量がゆっくり体の中を通り抜けたからと言って、そう簡単に体内が「洗える」とも思えません。洗えると主張するのなら、せめて動物実験くらいはして「毒素」とは何を指すのか、そして食塩水でどれくらい腸内が「きれい」になったのか、そのデータを示した上で紹介するべきでしょう。
 訳の分からない謎理論が一杯のダイエット業界ですが、せめて利用したいと思う消費者の側も、根拠となるエビデンスを求める位の慎重さは培って欲しいものです。

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