かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

運動が三日坊主になるのは心の弱さではなく身体の作用なのだとか。

2017-03-04 21:27:49 | Weblog
 今朝の最低気温は−0.6℃、最高気温は15.8℃でした。昨夜の気温の下がり方からして、今朝はもう少しきつい冷え込みになるかとお思っていましたが、案外そこそこの冷えで収まったようです。その分、というわけでもないはずですが、薄曇りながらもしっかりした日差しが一日中降り注いで昼間の気温はぐんぐん上がり、まさに春爛漫を意識させられる陽気となりました。さすがに3月という気がしますが、まだ陽気は続かず、来週はまだまだ冷ややかな日が続くようです。週明けにはまた出張で出かけねばならないのですが、とにかく服装で冬装備が無いと困るのか、それとも単なる荷物になるのか、見極めが難しい季節です。

 さて、メタボとか2型糖尿病とかでは、適切な食事に加えて運動する習慣をつけるのが大事なわけですが、特に運動は長続きせず、決心して始めては挫折するもので、よほど克己心が強く粘り強い性格でないと運動療法など成立しないだろうと思っていました。それが、実は肝臓から分泌されるホルモンの作用によって左右される事が判明した、というニュースがありました。
 金沢大、同志社大、筑波大などの合同研究チームが解明したもので、金沢大の研究者が2010年に発見した「セレノプロテインP」というホルモンがその元凶です。このホルモンは、高齢者や2型糖尿病、脂肪肝などを患っているヒトの血中濃度が高い傾向があり、血糖値を上げる働きがあります。
 マウスの実験によると、このホルモンを作れないように遺伝子操作したマウスは、通常のマウスに比べ約2倍長く走ることができ、インスリンの血糖低下作用も大きく、健康な女性が運動した場合でも、セレノプロテインPの血中濃度が高いと最大酸素摂取量が低くて運動の効果が上がらなかったとのことです。つまり、このホルモンに邪魔されなければ、運動が長続きして糖代謝が活発に動くということで、まさに運動療法の効果を体現する形になっています。
 
 この成果を元にすれば、患者のセレノプロテインPの血中濃度を調べて、運動療法が効くヒトかどうかを判別する事もできるかもしれませんし、遺伝子組み換えマウスのように、肝臓での生成を抑制したり、筋肉への取り込みを防いだりできれば、運動が3日坊主で終わらずに済むような体になるかも知れません。流石にまだヒトの遺伝子をコーディネートできる時代ではありませんが、このホルモンを作ったり作用したりするのを阻害する薬ができれば、使い物になるかもしれません。

 それにしても、このホルモンだって必要があるからこそ生物の進化の過程で生まれ、今まで維持されてきたのでしょうに、ヒトの都合で邪魔者扱いされるというのは少々複雑な思いも無きにしもあらずですね。

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