かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

個人なら「勝手にしろ!」と簡単に言えるのに、国は言えないのはなんだか歯がゆいです。

2015-02-06 22:44:24 | Weblog
 昨夜の雷雨が明けて今朝、遠望する葛城山は山体の中程から上が真っ白になっていました。恐れていた地上は白いところはひとつもなく、濡れている道路も霜や凍結している様子はなく、朝の日差しに温まってきた空気もあって、なんの問題もなく通行が可能でした。昨年、一昨年と強烈な雪に見舞われ車での移動が妨げられましたが、今年は年始に実家へ行くのを自重したくらいで、すっかりアスファルトが白く埋まるような雪は見ずに済んでいます。まあまだ本格的な春までは1ヶ月以上ありますから安心もなりませんが、ここまで特段危うさもなく過ごせただけでも僥倖かもしれません。

 さて、外務省は、「イスラム国」が活動しているシリアやイラク西部に対し、最も危険であるとして「退避勧告」を出して、目的を問わず渡航を延期するよう呼びかけているとのことです。そんなまどろっこしいことしないで渡航禁止、とかにすれば良いのに、と簡単に思っていたのですが、我が国の憲法22条にはその条文に「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する」と記載されているとのことで、この中に人身の自由、つまり旅行なども含めて移動する自由が認められているため、ネットニュースで見かけた今月下旬にもイスラム国行きを目指す大学生などに関しても、渡航禁止とはいかないのだそうです。
 しかしながら、条文にも「公共の福祉に反しない限り」と書いてあるのですから、その解釈次第ではもう少し強制力のある渡航制限措置が取れそうにも思えます。「公共の福祉」とは、法曹の世界では「一元的内在制約説」とやらで定義するらしいのですが、その説明を読んでみても正直言って私には理解しがたい言葉遊びにしか見えそうにないので、大雑把にイメージしたのは、互いに権利を少しずつ我慢し譲り合ってうまくやっていこう、というような感じでしょうか。ならば、この大学生の場合、その行動が我々日本人にとって看過しがたい不利益をもたらす事が予想されるなら、その事をもって「公共の福祉に反している」と言えるのではなかろうか、とも思えます。実際に湯川・後藤両氏の自由な行動によって、我々日本人はイスラム国から宣戦布告されるという多大な不利益を被ったわけで、更にこれでまたのこのこ出かけて行ってのっぴきならない事になれば、ますます日本人は危険と隣り合わせにさせられることになりかねないわけです。もっとも、行動の自由はいわば民主主義の根幹をなすものの一つでもありますから、そう簡単に制限できるものではないですし、イスラム国から脅迫を受けているとはいえ、今のところ特段の実害は生じておりません。実害が本当に生じてからでは遅いとも思いますが、その可能性を示唆するだけで大学生を禁足するのはさすがに根拠薄弱という風にも感じます。個人なら、「好きにしろ、後は知らん」と突き放せば済む話なのですが、いっそ国民投票でもして、特例的にイスラム国に関してだけは政府にも「勝手にしろ。その代わり、どうなっても知らないよ」と言う権利を認めてあげるような措置が取れないだろうか、とか夢想してしまいます。

コメント
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