かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

昨日は宴会でブログは一回休んでしまいました。

2010-04-03 23:00:00 | Weblog
 昨日は職場の歓送迎会で、二次会のカラオケまでじっくり堪能していたため、帰宅したのが午前1時。結局ブログ更新できませんでした。途中、携帯で更新しようと入力始めてはいたんですが、それも宴が始まってアルコールが頭を浸す直前まで。その後はもう更新のための時間をとる事も出来ず、また、酔に任せて面倒にもなってしまって、一回抜かしてしまいました。全く、こうなることは十分予想できたのですから、事前に用意しておくべきでしたね。でも、久々のカラオケは楽しかったです。仲間内では毎月一回カラオケに行っているのですが、この3ヶ月ばかり、何かと忙しくてその『定例会』に参加することがかなわず、内心ジリジリしていました。その鬱憤を一時に開放できたので、実に満足です。

 明けて今日は連載小説の更新日、ということで、さっきまでパチパチキーボードを叩いていました。おかげで来週分まで打ち込み、長々と続けていた第2章の最後までたどり着きました。その次は新章でがらっと話が変わりますので、ここで少し時間が取れるのはありがたいです。先日の神奈川出張の折に、大まかなところは考えておいたのですが、文章にまとめるにはもう少し詳細に詰めて置く必要があるのです。
 まあそれにしても、つくづく思いますが、連載小説って綱渡りもいいとこですね。週刊誌で漫画を描いていたり、日刊の新聞で連載小説書いているプロの人達って、もう当たり前ですけどやっぱりとんでもなく凄い能力だな、と改めて思います。

 そう言えば、まだ人物紹介してなかったですね。そろそろキャラも出揃ったことですし、次の更新までに準備することにいたしましょう。

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02.悪夢の後継者 その5

2010-04-03 20:34:52 | 麗夢小説『夢の匣』
「必要ない?」
 どういう事? と麗夢が更に問い詰めようとした時、階段から何人も駆け上がってくる足音が響いたかと思うと、息を切らせながら残る3人の少女達(?)、眞脇紫、纏向琴音、斑鳩星夜が姿を現した。
「あーやっと追いついたよ」
「……皐月早すぎ」
「まったく、我々を置いて暴走するのは悪い癖だな」
「ごめんごめん。つい麗夢ちゃんとの鬼ごっこが面白くってさぁ」
「それで一番面白いところは自分一人で楽しんでしまった、というわけか」
 ニャハハハ、と頭を掻きながら平謝りに苦笑する皐月に、眞脇紫が腕を組んで溜息をつく。
「大丈夫よう。まだちゃんと美味しいところは取ってあるんだから。それより、話を続けましょ? 麗夢ちゃん?」
 3人の少女が、部室の時と同じように皐月の左右に並んだ。麗夢も望むところだと意気込んだが、ふと、視線をずらした斑鳩星夜が、眉をひそめて麗夢に言った。
「その前に、スカートをなんとかした方がよい。コドモにはちと刺激が強すぎると思うぞ」
「あーダメだよ星夜ちゃん、せっかく親衛隊の3人のために黙ってたのに」
 皐月の言葉に、麗夢は初めて自分がトンデモナクはしたない格好で、廊下に座り込んでいたことに気がついた。パチンコ玉で尻餅をついたときに、思い切りスカートがはだけて、普通はけしてあけっぴろげにしないところが、これでもかとばかりにはっきり露出していたのだ。麗夢は見る間に耳まで真っ赤にすると、大慌てで翻ったスカートの裾を抑えつけた。そのまま皐月達を睨みつけると、4人の後ろに屯していた少年たちもまた赤い顔で、ややひ弱そうな両端の二人は、いつの間にか鼻血まで垂らしていた。麗夢は、小学生相手に翻弄されっぱなしの状況に目眩すら覚えたが、今この時をおいて疑問を解決する機会もない。麗夢は、心の中でゆっくり3つ数えてから、右手を口元に当ててこほん、と一つ空咳をすると、裾を払って立ち上がった。お尻がジンジンと痛んだが、そんな痛みにかまってもいられない。
「じゃあ、改めて聞くわ。さっき、原日本人の復讐は必要ない、って言ったわね。あなた達のお姉さんがあれほどやりたがっていたことを、必要ない、って断言する理由は何? それ以外に、その奇妙な箱を使って何をしようとしているの?」
 すると皐月は、右横に立つ斑鳩星夜に振り向いて言った。
「必要ない、っていうのは、意味がない、と言い換えてもいいんだけど、星夜ちゃん、ちょっと説明してくれる?」
「うむ。何、難しいことではない」
 星夜は、特に気負うでも無く、淡々と麗夢に語り出した。
「我ら原日本人は、既にこの国中に満ち満ちている。その数、ざっと1億2千万というところか。即ち、全国民が我らの同胞であるのに、我らは一体誰に復讐する必要があるだろうか」
「はい?」
 麗夢は耳がおかしいのかと疑った。一億二千万人、全国民が、同胞……? それってどういう……、とここまで考えて、はっと麗夢はひとつの可能性に閃いた。まさか! ひょっとして、この学園を改造したみたいに、不思議な力で国全部を変えちゃったの? 自分の想像に戦慄した麗夢を見て、荒神谷皐月はアハハとまた笑い転げた。
「麗夢ちゃん何考えてるか丸わかり! でも、そんな想像していることじゃないよ?」
「あなた、静香さんと同じ……」
「違う違う。でも、超能力なんて無くても、この箱を使って学園を変えたみたいに日本中原日本人だらけにしちゃったかも? って想像したこと位、今の麗夢ちゃん見てたらすぐ分かるよ」
「う……」
 小学生にここまで言われる自分って、と落ち込む麗夢の耳に、星夜の小学生離れした落ち着いた声が響いた。
「皐月の言う通り、別に何もしていない。話はもっと簡単で単純なんだ。もうずっと昔に、我ら原日本人の祖先と今の日本人の祖先達は、混じり合っているんだよ。遺伝的に」
「混血……」
 麗夢が呟くと、そうそれっ! と皐月が手を叩いた。
「文明と文明、人種と人種がぶつかった時に起きるのは、単なる殺し合いだけじゃないってわけ。互いに混じり合い融合して、新しい種になっちゃう事だってあるの。私達やお姉ちゃん達だって純血の原日本人じゃないし、日本中の、いえ、ひょっとしたらもっと世界中にだって原日本人の遺伝子は散らばっているかもね」
「我が国は、何万年も前から、東西南北から海を超え、島を伝って様々な人が渡ってきた。その人達が何世代もかけて混血を繰り返して生まれてきたのが我々日本人だ。そのうちの誰を原日本人とし、誰をそれ以外の征服民族の末裔とするのか、もはや今となっては区別もできない。即ち、意味がないというわけだ」
「……そのことを、弥生さん達は?」
「モチロン、お姉ちゃん達には耳タコで教えてあげたわよ? でも聞く耳持たないんだからしょうがないじゃない」
「我が姉君も物理は大の得意だったんだが生物はカラシキでね。いくら遺伝学を説明しても、理解してくれなかった」
 全くあの物理バカは、と腕を組んで溜息をつく星夜に、麗夢は思い切り頭を殴られた思いで半ば呆然と立ち尽くした。なんてことだろう。彼女たちは、あの4人は、ひょっとしてけして叶えられない幻想に殉じてしまったと言うのだろうか。原日本人、という想像の産物を追って。でも、本当に、本当にそんなに簡単な話でいいんだろうか?
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