風薫る道

Who never feels lonely at all under this endless sky...?

アラスカ

2013-06-19 23:59:03 | 旅・散歩




いま、ふと、こういう↑景色が見たくなりました。
20代の頃に一人旅をした、アラスカ南東部の景色です。
人間の思惑などいっさい関係なく、大自然の氷河の海で、シャチが悠々と泳いでいました。

小学生の頃、夏休みに家のテレビで家族で観た『南極物語』の映画。
そのなかに、ストーリーとは関係なく、ひどく私が感動した場面がありました。
人間達が去った後、南極大陸に冬が訪れます。
太陽が沈み、残された犬たちの上に、ゆらゆらと揺らめくオーロラの光。
ただそれだけの、場面です。
でも、人間のいない場所で、人間の生活とは無関係に動いている、もうひとつの世界。
私達とはまったく違う、時間の流れ。
そういう世界が地球上にたしかに存在しているという事実。
いま自分の生活している場所だけが世界ではない。
その当り前の事実に、小学生の私がどれほど心動かされたことか。
いつかこんな景色を自分の目で見てみたい、絶対に見に行こうと心の底から思いました。

私が今こうして日本の片隅のマンションの一室でPCの画面を眺めている瞬間にも、アラスカの海ではあのシャチが跳ね、しぶきをあげているかもしれない。
そんな“もうひとつの世界”を知っているということは、意識できるということは、私の日々の生活をどれほど豊かにしてくれていることでしょう。

あのアラスカで見た景色、聴いた音、肌で感じた空気は、私の一生の心の財産です。




↑ラッコちゃんです。
左が頭で、右が足。
何をするでもなく、ただぷかぷかと浮いていました^^









別の日に出会ったラッコちゃん。
こっち見てますね、かわいい。。。笑
このあと、動物たちが一斉に姿を消したと思ったら、やがて天候が荒れ、嵐になりました。
動物の感覚ってすごい。



嵐の前の氷河。
美しいですが、すこし不気味ですね。
辺りは静寂で、耳を澄ますと、氷の落ちる音が聴こえました。
そしてもちろん、空気はとても冷たいです。



映画『南極物語』は、主にアラスカでロケをしたそうです。




デナリ国立公園。
マッキンリー(デナリ)の山頂は雲で隠れてしまっていましたが、美しい秋のデナリの景色です。




まだ若いオオカミ。
写真で見ると犬のようですが、その動きと雰囲気は犬のそれとは全く違ったものでした。




クマの親子。
望遠のないカメラだったので小さいですが、真ん中の白っぽいのが親で、右の黒いのが仔熊です。
紅葉したツンドラのなかを、気持ちよさそうに駈けていました。
野生動物は近くで見るのもいいですが、こういう大自然の風景の中にいる彼らを見ている方が、私は好きです。

デナリ国立公園内の施設は夏の間だけオープンし、それ以外の期間は道路も鉄道駅も閉鎖されます。
私がここを発った日は、ちょうどそのクローズの日でした。ホテルの従業員達(学生のアルバイトの方が多いです)も自分達の荷物をまとめて、どんどん去っていきます。
そして、人間のいない、動物たちだけの、長い長い冬がはじまります。




アラスカ鉄道の車窓より。




フェアバンクスの森のブルーベリーとクランベリー。
自然の色が最も美しいと感じる瞬間です。
味も野生の味がして、とても美味しかったです。

私が訪れた年は世界中の天文ファンがオーロラ観測にアラスカへ訪れるという記念すべき年だったそうで(知らずに行ったのですが)、フェアバンクス郊外に滞在中は、現地に住まれている方もご近所さんを起こしに行っていたほどの素晴らしいオーロラを連日観ることができました。
赤や緑、そして爆発的な動きをするオーロラも素敵でしたが、私が一番印象に残っているのは真っ白なオーロラです。
静かに、まるで亡くなった誰かの魂のように夜空に広がっていくそれは、とても神聖な気持ちにさせられる光景でした。

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