風薫る道

Who never feels lonely at all under this endless sky...?

歌舞伎ストラップ

2013-08-18 14:43:38 | 歌舞伎

歌舞伎座1階の売店に行かれたことのある方なら皆さんご存じ、羽紋屋さんの歌舞伎ストラップ
和紙の風合いがそれはそれは美しく、杮落しの全演目揃えたい!と心底思うわけですが、なにせ1200円とストラップとは思えぬお値段。。。
そこで数ある中からたった一つを選び、私の携帯にぶら下がっているのがコチラ↓



『廓文章 吉田屋』の伊左衛門さんのお着物の柄です
和紙という材質も、まさにピッタリですね。
携帯を見る度に「ごきげんさ~ん♪」なニザさまを思い出し、いつでもどこでもニヤニヤしております。

そして昨日。
私は再び一直線に人でごった返している売店へと向かいました。
目的はただひとつ。
コチラでございます↓



そう、『東海道四谷怪談』の伊右衛門さんのお着物の柄です
黒白格子の着流しに、黒無地の紋付。
写真では少々わかりにくいので、羽紋屋さんのサイトからイラストを拝借しました。
こんな感じです↓



実物は、単一でない和紙の質感が四谷怪談のあの禍々しい雰囲気をよく表していて、実に素敵ですよ。

これで、いつでもどこでもあの伊左衛門とあの伊右衛門と一緒です(名前が紛らわしいったら・・・)
『四谷怪談』が杮落しの演目で本当によかった!
もっとも私の伊右衛門は、歌舞伎座の伊右衛門ではなく、文楽劇場の伊右衛門ですが、笑。
台紙もシックで素敵なので、本の栞に使えますよ。

この歌舞伎ストラップは羽紋屋さんのオンラインショップでも購入できますので、遠方の方もぜひ
(四谷怪談はオンラインショップにはまだ出ていないようです)

『寿曽我対面』もカッコいいなぁ・・・・・・

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歌舞伎座新開場こけら落 八月納涼歌舞伎 第三部(8月17日)

2013-08-18 01:13:01 | 歌舞伎




先日の竹三郎さんの会の感動が大きすぎてしばらく他の舞台を観る気になれなかった私でございましたが、既にチケットを取ってしまっておりましたため、夏の夜の納涼もよかろうと、夕方からお出かけしてまいりました


【江戸みやげ 狐狸狐狸ばなし(こりこりばなし)】

えどみやげ こりこりばなし。
なんて可愛らしい演目名。
内容はめっさアダルトだけれども(そこがいい)

扇雀さんの伊之助が素晴らしかったです。
これ、ものすごくニンなお役なんじゃないでしょうかね。
元上方の歌舞伎の女形という役がそれはお似合い。
ねっとり粘着質で、だけど下品じゃない色気。
とくに目の表情にとても色気があるので、オペラグラスをなかなか下ろせませんでした。
はんなりした声での柔らかな演技と低い声での凄みのある演技の緩急のつけ方も、ほんとに上手。
幽霊(正確には違うけど)のふわ~~~~っていう歩き方も上手かったなぁ。
屋台でお蕎麦を入れてる場面のとぼけた空気、最高です。何度でも見たい。一緒に食べてるし、笑。
物干し竿横の小さな三角巾をつけたお地蔵さんも可愛かった そして洗濯物をぱんぱんって叩いているだけなのにこの可笑しみ!
最後の花道で紫色の羽織を着て傘をさして歩いていく姿は、惚れ惚れいたしました。
扇雀さんってこんなに個性的な華やかさを作れる役者さんだったんですねぇ。

七之助のおきわも、とても良かったです。
“あの”玉さまの跡を継いでくれそうな人がこんなところに!と思いました。あのカッコおもろい系の玉さまですよ。
綺麗の系統も、細っこいところも、よく似てる。
一番最後、三味線を掻き鳴らして(ほぼ地声で)歌うところ、「ふるあめりか~」の玉さまを思い出しました。
ここの場面、綺麗だったなぁ。春爛漫の庭先に、空から桃色の花びらが降ってきて、緋毛氈の上に花びらと赤い花札が散らばっていて、なによりも七がそれは美しくて。。。
前半の雪からの繋がりも素敵で、うっとりといたしました。
「坊主」の花札を食べちゃうところ、面白かった、笑。

橋之助さんの重善。
これがまた、とても良かった。
悪役のくされ坊主というと先月の『杜若~』の願哲と重なるけれど、女好きでぬけてるところがある今回の役の方が、どこか人の好さそうな雰囲気のある橋之助さんに合っていました。

勘九郎の又市。
前半の阿呆は彼の得意とするところなので上手は上手なのですが(客席大爆笑でしたし)、どうもワンパターンに見えてしまうのが残念なところ。。
後半のハキハキ演技はとても良かったと思います。
あと、意外な気がしますが、扇雀さんと相性いいですね~。二人の掛け合い、すごく面白かった。「江戸ことばには、ほとほと疲れましたわ~」「いや、あんさん江戸ことば上手いで~

亀蔵さんのおそめ。
亀蔵さんがお得意とするはっちゃけた役ですが、ニューハーフにしか見えな・・・(あ、言っちゃった)。
もうすこし女形っぽく演じてもよかったのではないだろうか。
しかし“牛娘”って・・・笑

巳之助の福蔵。
意外なほどしっかりした演技で、驚きました。とても良かった。

以上、狐と狸の化かし合い。
こればかりは内容を予習しないで行って、本当によかったです。
初めてご覧になる方は、絶対にストーリーを予習せずに行かれることをオススメします。
まんまと騙されたラストに、大満足♪


【棒しばり】

棒に両手を固定されたまま踊るのがどれくらい難しいのか、舞踊に心得のない私にはまったく想像がつきませんが、後半、まるで棒がないかのように自在に踊られている三津五郎さんの踊りには、目が釘付けになりました。
しかし、結構観ていて手に汗握る舞踊ですね、これ。
棒に縛られたまま扇子をくるっと持ち代えるところ、思わず「おお~」と声を上げてしまったわ。

勘九郎は、狐狸狐狸に続いてまたも阿呆面なお役。上に小うるさいことを書いてしまいましたが、やっぱりうまいですね、こういう役。ほろ酔いな雰囲気がよく出ていました。
定評のある彼の踊りの技術は、踊りに詳しくないのでこの演目だけではよくわかりませんでしたが(鏡獅子も観るべきだったか)、三津五郎さんと二人で踊っているところを観て、勘九、(勘三郎さんの親友だった)三津五郎さんと一緒にこの踊りを踊ることができてよかったね、と感じました。観客の勝手な自己満足かもしれませんが、なんだか二人の踊っている姿を観て、そんな風に感じたのです。
きっと勘三郎さんも天国から楽しんで観ているのではないかな。
(いや、ハラハラしているかも、笑)

『狐狸狐狸』も『棒しばり』も何度でも観たくなる演目で、東京の夏もそう悪くないな♪と思えました
楽しかったぁ^^


《インタビュー》
中村扇雀 『狐狸狐狸ばなし』

←前掛けのピンクの紐がキュート

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