ISOな日々の合間に

土曜日は環境保護の最新の行政・業界動向、日曜は最新の技術動向を紹介。注目記事にURLを。審査の思い出、雑感なども掲載。

ケイタイ不携帯

2006年11月10日 | 旅先にて
昨日夜に浜松に入り、9日からの審査に備える。ホテルに入り、夕食を済ませ、翌朝の目覚ましをセットする。通常、方法は三つ。まずはベッドの枕もとの目覚まし時計、次いで室内電話のモーニングコールをセットする。最後にケイタイのウェイクアップ時間をセットする・・・。するはずだったが、その時になってやっと持って来なかったことに気付いた。

出発の数時間前に充電器にセットしたまま忘れてしまったらしい。日常生活でケイタイは不可欠な道具になっている。何しろ浜松での審査は二日間である。無いと、何かと不便である。早速ホテルの室内電話で自宅へ電話を入れ、急ぎ宅急便で送ってくれるよう依頼する。

ところが、既に宅急便の集配期限18時を過ぎているので、ホテルに9日中には届かないという。10日朝にはチェックアウトするので、結局今回の出張中は「ケイタイ不携帯ということになった。

今日9日の審査では、午後は顧客の本社を出発し、車で豊橋事業所、その後名古屋営業所へ移動する。顧客側ガイドが運転する車で豊橋営業所を15:10に出発。名古屋営業所には16:20につく予定であった。ところが、一般道を走ったためか二箇所での工事のため、思いのほか渋滞がひどく、結局名古屋営業所に着いたのは18:15、審査を終わったのは19時近くになってしまった。

別の審査員と浜松で19時に合流し夕食しながら打合せる予定だったが到底無理。何時もならもっと早い時期にケイタイでこちらの状況を知らせられるのだが・・・。

結局、名古屋営業所での審査終了後、お客の協力でインターネットで浜松の宿泊先電話番号を調べてもらい、顧客の電話を借りてホテルに既に着いている別の審査員にやっと連絡することが出来ました。何と何と手間のかかる連絡方法でしょう。

油水分離槽と四万十川の水質

2006年11月08日 | 審査・コンサル
先日、仲間から問合せの電話が会った。内部監査の最中らしく、「油水分離槽の水質検査結果を見ると「BODが5mgとなっており四万十川に匹敵するほど低い値だが、どのように理解すると良いか」との質問だった。

油水分離槽とは、油や汚泥を含む排水を処理する施設であり、比重が軽い油は水の上部に浮き、比重が重く水に溶けない汚泥などはその下部に沈降するので、その中間の水だけを排出できる構造になっている。

監査対象企業が鉄スクラップ業なので、機械油などが混じった汚水が日常的に油水分離槽に集まり、そこで油と汚泥が取り除かれて排水されている状況が想定されたので、綺麗な排水だと驚いた。それと同時に、油水分離槽を設置して油混じりの排水が排出されないように注意すべき立場の企業であることを思うと、別の視点も出てくる。

汚れがすっかり溜まり定期的清掃直前の水質検査結果なのか、油水分離槽の定期清掃が終わり、油水分離槽そのものもすっかり綺麗になり、当然、槽に張られている水もきれいな状態なのか。どのような状況下でサンプル採取されたのか確認する必要が有ると伝えた。内部監査の最中だったらしく、それ以上の会話の時間的余裕がなく、電話が切れた。

審査でもコンサルでも、相手側が、「どのような目的で水質検査を実施しているか」を問うことになるだろう。

審査や行政の立ち入りに合格する目的で、条件を整え、或いは取り繕って測定しているのか。それとも、現状での環境リスクを厳しい目で確認する目的なのか。いわば、現状の管理限界を知り、リスク管理の観点で今の対策が十分か否か知るためなのか?

この場合、油水分離槽の設置場所が屋内か屋外なのか、槽の数は幾つか。排出口は河川につながるのか下水なのか。更には、地方行政の規制の厳しさ等から環境リスクを推し測り、環境リスクが高い場合は厳しく指摘する必要が有りそうです。

参考までに、水質汚濁防止法の排水水質基準とH18年8月における四万十川の測定例を示します。

-----------水濁法排水基準---四万十川(H18.08)
pH--------5.8-8.6----------7.6
BOD--------160--------------0.7
COD--------160------------ -
SS---------200--------------1
大腸菌郡数-3000-------------260

写真は油水分離槽の一例です。

孫娘との二日間:061104

2006年11月06日 | Granddaughter
先日の土曜日から日曜日の夜まで、一泊二日で久し振りに孫娘がやってきました。まもなく2歳のお誕生日を迎えます。玄関前の階段を「ブンデ」と親の手振り払って、膝の高さ程もある階段を一段一段しっかりと登ってやって来ました。

妻は一ヶ月に一度程度出掛けていって会っていますが、当方は仕事の都合で数ヶ月に一度程度しか会うことができません。

それでも、彼女はお爺ちゃんを忘れることはありません。デジカメで彼女を撮った写真やらビデオ映像が多数あり、その中に結構写っているからです。それを自宅のパソコンでしばしば観ているからです。

彼女はデジカメで写真やビデオに撮られるのが大好き。だって、その場ですぐにたった今の映像を見れるからです。そのため、カメラを向けると撮るか撮らないかの間に「ミル、ミル」といって寄って来たりします。

お話もだいぶ上手になってきて、大事な要求はほとんど言えるようです。大人の話もほとんど分かるようです。ある時、妻が私に向かって「お父さん、それを片付けてください。」といったのを聞いて、こちらを見てからかう様に「おとーさん、片付けてね」だって。

そうは言っても、疲れたり、眠かったりでグズツクと、結局は「お母さんダッコ」に落ち着くところは赤きゃんぽさが出てきます。

この二日間の孫娘との楽しい時間のため、ブログどころではなく、下手をすると仕事ですら上の空になりそうでした。(*^_^*)

写真は今日の宿泊先である郡山駅前でのショット。ちょっとピンボケかな。

週間環境ニュース:061029---061106

2006年11月05日 | 週間ニュース:ピックアップ
◎(環1025バイオマス14)モスフードは6店舗でバイオマスプラスチックの
回収実験を実施,顧客の行動も検証,回収容器は状態に応じて再生利用や焼
却,コンポスト化など

●(経1104夕刊1)自民党は長持ち住宅の建設促進のための優遇税制や建築費
補助制度の創設などの検討へ,来年5月目処に200年住宅ビジョン提言を
まとめる,中古住宅市場の整備も

●(環1025土壌環境14)土壌環境センターは土壌汚染調査対策調査を実施し
た結果,自主活動が7割で,理由はISO(環境マネジメント)と資産評価
が最多

●(環1101環境経営2)環境管理規格国内委員会はISO14001の200
4年版の企画解釈に関する質疑応答をまとめた,ISOは各国の解釈の結果
を報告することを求めており,次回改定作業に反映と

○(経1101金融7)オリックスと北國銀行など地域金融機関8行は環境配慮型
融資を環境配慮企業に開始,ISO14001認証取得企業に金利優遇,保証金利や
貸し出し金利<ISOでは形式倒れも>

●(経1031国際9)英政府はこのままだと2035年にも温暖化ガス排出量が
2倍に膨らみ,世界全体で国内総生産の2割相当が失われるとの報告書,消
費も5-20%失われ昭和の大恐慌並にと

◎(経1030夕刊3)JR貨物は名古屋南駅でトヨタ自動車向け専用列車の運転開
始出発式を挙行,名古屋青森間,11月15日から運行開始,3年間掛けて
物流効率化と環境対策

◎(環1025特集(二部)1628)環境新聞社はアスベスト対策展06を特集,
東京ビッグサイトで10月下旬開催<終了後に配信,代替技術の紹介なし,
計測や対策ばかり>

○(刊1030環境12)サントリーは来春にも重油を使わない生産体制を整える
,ボイラーの燃料を都市ガスや排水処理工程からのバイオマスガスに切り替
えて二酸化炭素排出を削減

新潟中越地震の新幹線脱線事故は幸運それとも努力の勝利

2006年11月02日 | 雑感
失敗学実践講座の著者である畑村洋太郎氏は、JR福知山線脱線事故でのJR西日本の安全への姿勢に関連して次のように言っている。

2004年10月22日の新潟中越地震の際にJR東日本の新幹線が脱線事故を起こしました。上越新幹線の「とき325号」が、浦佐-長岡間を走行中に地震によって脱線したという事故ですが、このときは猛スピードで走行していたにもかかわらず幸い一人のケガ人も出さずに済みました。その大きな理由のひとつが、JR東日本が安全に向けての努力を怠らなかった結果だったと著者は見ています。

東北新幹線と上越新幹線には、合わせて8万2000本程度の高架橋の橋脚があります。脱線事故の前年の03年7月末の宮城地震の際には、このうち東北新幹線の橋脚が30本程度損傷しました。これを機に高架橋の安全基準を見直し、8万2000本の約5分の1に当たる1万5000本あまりの橋脚に対し、鉄板を巻いてその内側にコンクリートを注入して強化するという補強工事を急ピッチで進めたのです。そして上越新幹線の脱線はまさにこの補強工事を行った橋脚の上で起こったのです。

なので、上越新幹線のケースはまさしく、過去の失敗に学んですぐに基準を見直して補強工事を行ったJR東日本の「愚直な努力の勝利」なのだそうです。

一方で別の視点もある。
新幹線の車体に詳しい知人の話では、あの事故は幾つもの幸運が重なった不幸中の幸いであり、今の新幹線車体ではあのような幸運は起きそうも無いという。

一つには、中越地震が発生したとき、上越新幹線の「とき325号」はトンネルを出て間もない時であり、最高速度よりも幾分か遅い速度で走っていた。
二つ目は、上越新幹線では冬場の融雪のための散水機能を有し、その排水のために側溝が設けてあり、地震で脱輪はしたものの側溝にとどまり、車両が高架橋壁を越えることがなかった。
三つ目には、「とき325号」の車体は200系であり、各車両の重量は約60トン程度あり、充分な重量のために車両が大きく浮き上がることが無かったからだという。

最近のJR各社のスピード競争を反映して、車両は徹底的な軽量化が図られている。このため一両の車重は40トンまで下がっている(ちなみに価格は3億円程度だという)。客室も壁構造を採用したため耐久性がかなり落ちているという。このような最新の軽量車両がかつての中越地震に遭遇すると、車両が地震で浮き上がり大惨事になる可能性が高いという。

なお、JR東日本は事故発生後3年にあたる10月20日に「新幹線脱線対策の進捗状況について」この点を含む対策の現状をWEB上で公開している。興味が有れば参照ください。
http://www.jreast.co.jp/press/2006_2/20061009.pdf
これによれば、地震到達前にいち早く列車を減速させる警報システム、線路を路盤に強固に固定する改良、脱輪防止するL型車両ガイドの車両への取り付けが検討されている。

写真は11月1日の仙台での審査のため、前日の夕方に大宮駅にて新幹線「こまち」を撮ったもの。