ISOな日々の合間に

土曜日は環境保護の最新の行政・業界動向、日曜は最新の技術動向を紹介。注目記事にURLを。審査の思い出、雑感なども掲載。

おはなし統計的方法

2006年07月10日 | 審査・コンサル
統計的なデーター処理の方法は標準化と品質管理に欠かせないもので、ISO9001の品質システム審査員にとっては常識中の常識。

環境マネジメントシステム審査員として活動しつつ、昔とった杵柄から品質システム審査員を目指す現在では、基本的教養の見直しも欠かせない。と言うわけで、この図書を購入。これを切欠に統計的方法に関する知識をブラッシュアップするつもり。

ところで、先週の金曜日に「品質システム審査員評価登録センター」の公開講演会に参加しました。
この機関が品質システム審査員を認定しているわけですが、この7月から資格要件が一段と厳しくなります。その大きな背景にはISOの負のスパイラルと言われるものがあります。

2003年 7月に「日本工業標準調査会適合性評価部会管理システム規格適合性
評価専門委員会報告書」に「第三者認証制度にまつわる負のスパイラル」が図
解され、流行語のようになりました。

「負のスパイラル」とは、「認証さえ取れれば良い」、審査登録機関側の「安く簡単に認証すれば儲かる」という双方のニーズを結びつける悪循環が描かれています。その中には審査員の「研修内容の限界」、或いは「審査員評価登録の限界」などもあります。結果として、第三者認証制度の社会的信頼の低下に繋がることが示されています。特にISO9001の品質システムの審査で著しいと指摘されました。

これ以来、審査機関同士が集まって如何に審査の質をあげるかの検討、コンサルタントの質を評価して登録する仕組みの始動、そして、審査員の力量の確保と継続的向上を目指す「審査員の評価登録制度」の見直し行われたと言うわけです。

ISOの認証登録の世界でも「悪貨が良貨を駆逐する」現象は防がなければなりません。その意味では、ISOの世界でも安くて良い指導が出来るコンサルタントが生き残るのでしょうし、安くてよい審査をする審査機関が生き残るのでしょう。

この世界でも、仕事の合理化、効率アップを通じてコストダウンを図りつつ、仕事の質を高められる人や機関が顧客を確実に確保できることになってゆくでしょう。そうです。既に淘汰の時代に入ったのです。

今週は、コンサル2回と環境審査員の研修会だけだが、来週前半に大手製造企業の審査が控えており準備が結構大変です。