シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

MUD‐マッド‐

2014-02-28 | シネマ ま行

「未体験ゾーンの映画たち」という面白いのに未公開になりそうな作品を集めた映画館の企画もので見ました。

14歳のエリスタイシェリダンは親友のネックボーンジェイコブロフランドとミシシッピ川に浮かぶ島にある木の上のボートに遊びに行き、そのボートに暮らすマッドマシューマコノヒーと出会う。

マッドは2人にボートをやる代わりに食糧を持ってきてくれないかと持ちかける。マッドはとある女性を待っていると言い、ネックボーンは怪しむがエリスは食料を持っていく。そこからエリス、ネックボーンとマッドの交流が始まる。

マッドはジュニパーリースウィザースプーンという幼馴染の女性のために男を殺し指名手配中だと言う。ジュニパーに乱暴した男を殺したマッドをエリスは純愛を貫いている男として憧れというか尊敬というか、そういうまなざしで見ている。エリスは14歳で17歳の女の子に恋をしていたが失恋してしまう。両親はうまくいっておらず離婚寸前だ。そんなエリスにとって唯一マッドだけが真実の愛を信じられる理由となっていた。

宣伝では「現代版『スタンドバイミー』」とされていて、確かにそんな雰囲気がある。子役の2人がとても可愛いかった。ネックボーンを演じたジェイコブロフランドはうまいとは言えないと思うけど、エリスを演じたタイシェリダンはとても演技が上手だと思った。顔も男前になりそうだし、これからもっとたくさん映画に出演するかもしれませんね。

“現代版”なんて言ってはいるけど、アーカンソーのど田舎が舞台であんまり“現代”って感じはしなかったな。エリスの家はお世辞にも上品ともお金持ちとも言えないけど、南部特有の父親にsir、母親にma'amをつける丁寧な喋り方で両親と接しているところなんかがそう思わせるのかもしれない。ネックボーンは両親がいなくて叔父さんマイケルシャノンと暮らしているというから、何か背景に暗いものを感じはしたものの、この叔父さんもお金はなさそうだけど、基本的には良い人そうだったし、こういう話にありがちな子供を虐待しているとかそういうのも一切なかったのが、ちょっと意外な展開だった。それにしても叔父さんを演じていたのがマイケルシャノンだったから、何かストーリーに絡んでくるのかと思ったら本当に端役でびっくりしたよ。ジェフニコルズ監督の作品には全部出演しているそうなので、お友達なのかな。

マッドが恋する幼馴染のジュニパーっていう女性が、随分と自分勝手な人で、マッドの自分への気持ちを利用して困った時だけマッドに頼っているっていうのがワタクシにはどうにも共感できず、そんな人に恋しているマッドにも感情移入できず、エリスは14歳だからそれを「純愛」と呼んでしまうのも仕方ないとは思うけど、ワタクシはもうすっかり大人であんなものには騙されないぞと思ってしまった。あんな人を想い続けられるなんてある意味マッドの精神年齢も14歳くらいなんじゃないのかなぁ。まじないとかもやたらと信じてて好きな人の元カレを殺しちゃうとか、マッドってもしかしたら実はちょっと足りない人?と思ってしまった。そういう設定ではないのかな。

マシューマコノヒーの最近の活躍はすごいですね。あちらの記事には書くのを忘れたけど「ウルフオブウォールストリート」でも出演時間はめちゃくちゃ短いのに一番強い印象を残しちゃってましたが、本人もTexanでやっぱり南部もののほうがよく似合いますね。

少年2人が良いし、マシューマコノヒーも好きなので良かったですが、ストーリーとしてはもう一歩何かあればっていう気はしたかな。エリスくらいの年ごろの男の子の夏休みを描く~みたいなのってアメリカ映画のいちジャンルと言ってもいいかもしれません。そのジャンルのものしては悪くはなかったと思います。



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