
「シネマ日記」をこれまで読んでくださっている方はご存知だと思いますが、ワタクシはポッタリアンであります。なのに、これまで「賢者の石」と「秘密の部屋」を取り上げてなかったので、今回取り上げようと思います。
まず、「賢者の石」はみなさんご存知の通り、「ハリーポッター」シリーズの第一弾でありますから、ハリーダニエルラドクリフが自分が魔法使いだということを知り、魔法の世界を初めて知るということがほぼメインであります。つまり、ハリーがする魔法の世界でのさまざまな初めての経験を通してワタクシたちも“これから始まるハリーポッターの世界観とはこういうものですよ”ということを知ることになる。まぁ、取扱説明書のようなもんでもある。
絵や写真が勝手に動いたり、学校の階段が動いたり、フクロウが手紙を運ぶ役だったりというような魔法の世界の紹介とともに、これから先ハリーと一緒に冒険をする仲間たちの紹介編でもある。
一番先にハリーを魔法の世界に紹介するハグリットロビーコルトレーンはダンブルドア校長リチャードハリスに忠実で常にハリーの味方だけど、言ってはいけない秘密をばらしたり、ヴォルデモートのつづりが分からなかったりとお茶目な面が多い。
ホグワーツ魔法学校へ向かう汽車の中で出会うのはハリーの親友になるロンルパートグリントと(われらが←あ、ワタクシだけか)ハーマイオニーエマワトソンである。ここではちょっとドンくさめのロン(でも、最後のチェスシーンはカッコよかった)と優等生で(最初は)イヤなやつなハーマイオニーの性格がよく表れている。ここで、ハーマイオニーはハリーの壊れためがねを魔法で直してあげるのだけど、この先、彼女は何度もハリーのめがねを直してあげることになるのだ。
この他、ロンが魔法界ではよく知られているウィーズリー家(みんな赤毛)の子だということやロンの兄弟やハーマイオニーが死ぬよりも学校を退学になることのほうを恐れていたりというちょっと笑えるエピソードも入れられる。このときのロンの反応が最高だ。
この3人はトロールと一緒に戦い、それをハーマイオニーが全て自分のせいだとハリーとロンをかばったあたりから急速に仲良くなる。ワタクシはこのあたりの流れが自然で結構好きだ。
他にも優しいまなざしで生徒を見守り、百味ビーンズを食べて「耳クソ味じゃ」とか言ってるお茶目なダンブルドア校長や、マクゴナガル先生マギースミス、勇気を持って友達に注意をしてグリフィンドールに10ポイントもたらす普段はトロいネビルロングボトムマシュールイスなど好きなキャラクターを挙げだすとキリがない。
ハリーポッターの世界はダンブルドア先生にしても、マクゴナガル先生にしても、スネイプ先生アランリックマンにしても、えこひいき満載の世界である。ダドリーハリーメリングはひどい目にあうし、ハリーはマクゴナガル先生からニンバス2000をもらえたりするし、授業中もスネイプ先生はグリフィンドールから減点するし。はっきり言ってあまり教育的でないし、それを嫌う人もいるだろう。でも、ワタクシはその教育的でないところが結構好き。それでいて、ハリーのママがハリーに愛を残して死んでいったことや、賢者の石が「それを捜し求めるが使おうとしない者」にだけ与えられるなど、感動するようなエピソードもある。このひねくれた部分とストレートな部分のバランスがこの物語の魅力だと思う。
子供たちの演技がまだかなり未熟なところもあるし、この1作目は少し子供向けな感じもあるけれど、この先のハリーポッターを見ていくには必ず通らないといけない作品なので、入門書のつもりでご覧ください。
登場人物がそれぞれとても個性的だし、確かにえこひいきの嵐だけど、親のいないハリーがいい子に育っていく大事な要素でもあると思います。
「賢者の石」の物語りの中では、ハリーが過去にとらえられてしまった時のダンブルドアの言葉と、その後1人(+1羽)静かに雪の中をたたずむシーンが好き