シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

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ハンズオブラヴ~手のひらの勇気

2016-12-06 | シネマ は行

ベテラン刑事のローレルジュリアンムーアは職場ではゲイであることを隠していた。ある日、ステイシーエレンペイジという随分歳の離れた女性と出会い恋に落ちる。2人は年齢も環境も職業も何もかもかけ離れていたいたが、とても惹かれあい愛し合うようになる。

郊外に一軒家を買って住み始める2人。収入はローレルのほうが多く、家の購入費、ローンはローレルが負担し、その代わりステイシーは家のリフォームをがんばった。まだ法律的に「結婚」という形は取れない2人だったが、パートナーシップ制度を利用しパートナーとして郡に登録をした。家を買い犬を飼い幸せな生活が続いていたある日、ローレルが検診にひっかかり、末期のガンであることが判明する。

刑事のローレルには遺族年金というものがある。自分が死んだら年金をステイシーが受け取れるようにしてほしい。ローレルの要望は簡単に郡の委員会に却下された。

隠れゲイだったローレルに初めはショックを受けた様子だった長年の仕事上のパートナー・デーンシェルズ刑事マイケルシャノンはその決定がおかしいとローレルを手伝ってくれることに。初めは反発していた職場の仲間たちも最終的には賛同してくれる人が増えていく。

ローレルの訴えがゲイの人権団体を率いるスティーブンゴールドスタインスティーヴカレルの耳に入り、その団体が援助してくれることになる。しかし、この団体の最終的な目的は法律的に同性婚を認めさせること。ローレルは同性婚を望んでいるわけではなく、ただ単に自分のパートナーに他の夫婦と同じように“平等に”年金を支給してもらうことだけだった。その辺りの違いはありつつも、やはりゴールドスタインの人脈でデモが行われ、世論や郡政委員会が動かされたのも事実だった。

髪が抜け声も満足に出せなくなったローレルが訴える″Equality"(平等)という言葉が胸に突き刺さる。もし男女のカップルであれば、たったいま出会ったばかりでも、長年夫婦というだけでそこに愛なんか全然存在していなくても、どんなに優秀でない刑事であったとしても、結婚さえしていれば何の問題もなく遺族年金が支給される。自分たちが同性同士というだけでどんなに愛し合っていようとも平等には扱われない。自分がどんなにこの地域に貢献した刑事であったかということすら関係ない。どうしてこんな簡単な希望が、当然の権利が否定されなくてはいけないのか。

郡政委員はそんなことを認めてしまったら財政が立ち行かなくなるとかなんとか言っているけれど、刑事の人数と同じだけ遺族年金が支払われる家族がいるとすれば、そんなものはくだらない言い訳でしかない。

ジョッシュチャールズが演じる一番若い郡政委員が、ローレル側に立ちたいけど立場上賛成できず「妻と娘に連続殺人犯を見るような目で見られている」というシーンがなぜか印象に残りました。郡政委員のじじいたちはローレルのことを理解しようとしないけど、世論はそちらに傾いているんだなというのがよく分かるシーンでした。

お金なんかいらないからくだらない運動に時間を費やさず治療に専念してほしいというステイシーの気持ちもとてもよく分かりました。市民運動に利用されている時間など自分たちには1秒たりともない。そんな中最後には2人で過ごしたあの家を自分に遺したいと思ってくれているローレルの気持ちを汲み、苦手な人前に出て話をするステイシー。そんな愛を見つけることができたことは幸運だったけれど、やっぱりもっと長い間一緒にいさせてあげたかったと思います。

ジュリアンムーアはいつものように素晴らしく、周りを固めるキャストもみな素晴らしかったと思います。なぜかあまり取り上げられていない作品ですが、オススメです。


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