予告編を見て面白そうだったので行きました。
ソフィーマルソーと言えば、ワタクシが映画好きになったころにはすでにトップアイドルからちょっと下降気味で過去の人って感じだったんだけど、その後歳を重ねて素敵な大人になった女優さん。45歳になる彼女だけど、あいかわらず可愛らしく歳相応に美しく目じりの鳥の足じわがとっても素敵だった。
物語はバリバリのキャリアウーマン、マーガレットの40歳の誕生日に7歳の自分ジュリエットシャペイからの手紙を携えて公証人ミシェルデュショーソワがやって来る。7歳のときの自分が40歳の自分に向けて手紙を書いたことなどすっかり忘れていたマーガレット。最初は放っておこうと思うがやはり気になって開けてしまう。
最初の手紙から次々とマーガレットに手紙が届き、少しずつマーガレットの過去、そしてなぜ彼女が現在こういう人間になったのかが明かされていき、手紙に影響されて少しずつマーガレットは変わっていく。
ヤンサミュエル監督がアートグラフィックがお得意ということで、映像はとってもポップでマーガレットが子供時代を過ごした70年代の色彩が可愛らしい。マーガレットの子供時代は貧乏で悲惨なものではあったけれども、母親デボラマリクは愛情溢れる人だったし、弟マチュージャロッドルグランと幼馴染のフィリベールロメオルボーと子供ならではの想像力を生かして楽しく遊んでいた。
それでもやはりお金がないということは幼いマーガレットにとっても非常に苦しいことであり、彼女は冷徹にお金を稼ぐということを決意した。それが原因でマーガレットはキャリアウーマンになったのだった。
マーガレットが少しずつ手紙に影響を受けていく過程が楽しい映画なんだけど、ちょっとその過程がまどろっこしいのはフランス映画っぽいところと言えばそうなのか。最初の戸惑いから吹っ切れたあとは一気に影響されて変わっていくのかと思えば、進んだり戻ったりでなんかちょっと面倒くさいところもあったな。マーガレットの夫マルコムマートンソーカスがワタクシには魅力的に見えなかったのもちょっとイヤなところだったかも。
マーガレットの子供時代にもうちょっと強烈な何かがあったのかなーと思ったけど、それはそうでもなかったですね。本当の自分にフタをして生きていたマーガレットが自分自身に戻るお話で、ストレスフルな社会に生きている大人への応援歌的な物語でした。
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