シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

ソロモンの偽証~前篇・事件

2016-02-25 | シネマ さ行

ケーブルテレビで見ました。公開時に面白そうだなと思っていたので楽しみにしていました。

クリスマスの朝うさぎの世話のために中学校に行った2年の藤野涼子藤野涼子と野田健一前田航基は屋上から飛び降りたクラスメイトの柏木卓也望月歩を発見してしまう。

状況から警察は自殺と断定するが、学校と藤野涼子の元に柏木君が大出俊次清水尋也たち不良グループに屋上から落とされたのを見たという告発状が届く。

校長小日向文世は警察と相談して生徒たちのカウンセリングと称して、誰が告発状を書いたのか探ろうとする。担当刑事の佐々木田畑智子は三宅樹里石井杏奈と浅井松子富田望生が怪しいとふんでいた。

そのクラスの担任だった森内恵美子黒木華のところにも告発状が届いていたのに、彼女がそれを破り捨てたという手紙がテレビ局に着いたことから、告発状の存在が世間にも生徒たちにもバレてしまい、学校は何もしていなかったのかと追及される。

しかし、目撃者はそんな真夜中にどうして普段鍵が閉まっている学校の屋上にいたのか?そして、そんな事件を目撃したのになぜすぐに通報しなかったのか?という単純な疑問を佐々木刑事はPTAに説明をし、PTAの怒りは収まった。

告発状が相手にされなかったことで、告発状を書いた三宅樹里のことを心配した浅井松子は樹里の家を向かい、事故に遭って死んでしまう。

柏木に続き、松子まで死んでしまったことで、これらの事件の真相を暴こうと藤野涼子は野田健一、そして柏木君の小学校の時の親友でいまは私立中学に通う神原和彦板垣瑞生とともに学校内裁判を行おうと考える。

最初は刑事である父親佐々木蔵之介や母親夏川結衣に反対されるが、涼子は自分の意志を曲げず、唯一最初から味方になってくれた北尾先生松重豊の協力を得てなんとか学校内裁判を行う許可を取る。

簡単にあらすじを紹介してもこれだけかかる。この中にもっと細かいエピソードが挿入されていて時系列もいじってあったりして、最初少し戸惑ったのだけどうまい作りになっています。

成島出監督他製作陣がかなり真剣にオーディションで選んだことが分かる中学生たちの人選。みんな演技がうまいし、一所懸命やっているのが伝わって来て魅入ってしまいました。特に主人公の藤野涼子の目力がすごくて泣くシーンも本当に涙腺の奥から涙がつーっと流れるのが分かって、泣こうとしていないのに泣いてしまう、泣きたくないのに涙が溢れてしまうという心情がすごく伝わってきました。

神原君を演じる板垣瑞生という子は初めて見たのですが、あまりの男前っぷりにびっくりしてしまいました。男前というか可愛らしいというかとにかく顔が整い過ぎ。この子は世間にきゃあきゃあ言われてるんやろうなーと思って、彼が映るたびにどうしても顔をじーっと見てしまいました。

樹里役の子も松子役の子もすごくリアルですし、樹里と言えば樹里の母親を演じる永作博美が妙に不気味で、やっぱりこの人うまいのよねぇと思いました。

あと大阪人としては小さい頃から見ているまえだまえだのお兄ちゃんが出ていてびっくりして、そして、やたらと標準語がうまいことにもびっくりしました。彼は大阪弁を話しているイメージしかなかったので。

役者のことばかり書いてしまいました。前篇なので、評価を下すのは難しいですが、柏木君の死をきっかけに1つの中学校が生徒、教師、PTA合わせて揺れ動く姿が綿密に描かれていて、この後の裁判に大きな期待を寄せるに十分な前篇の出来だと思いました。上映時間2時間1分なんだけど、良い意味で長く感じました。長くというと退屈なように聞こえると思いますが、密度の濃い2時間1分という感じでした。



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