シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

愛について、ある土曜日の面会室

2013-01-17 | シネマ あ行

予告編を見て良さそうと思い見に行きました。

サッカー少女のロールポーリンエチエンヌはある日バスの中でアレクサンドルヴァンサンロティエと名乗る少年と出会い恋に落ちる。彼はチンピラ風の少年で警官を殴り逮捕されてしまう。ロールは刑務所に面会に行くが未成年なので成人の付き添いが必要と言われ、偶然知り合った医者アントワンジュリアンルーカスに付き添ってもらって面会に出かける。

30歳を過ぎても母親にお金を借りないと生活できないステファンレダカテブは暴漢に襲われた恋人エルザディナーラドルカーロワを助けてくれたマフィア風の男ピエールマルクバルベと知り合う。ピエールは刑務所にいる親友とステファンが瓜二つだと言い、報酬を弾むから1年間その親友と入れ替わって刑務所に入ってくれと依頼をする。

アルジェリアに住むゾラファリダラウアジのもとにフランスに住む息子が殺されたという知らせが入る。犯人は息子の同性愛の恋人だという。事件の真相を知るため犯人の姉セリーヌデルフィーヌショイヨーと素性を隠して知り合いになり親しくなったゾラはセリーヌの弟(犯人)の面会を申し出る。

この3つの物語が同時に進行し、最後にこの3人が同じ土曜日の面会室に集う。この設定だけを聞いて結構良さそうやん、と思って見に行ったんですがねぇ…

なんとも進行がノロい。フランス映画っぽいと言えばそうなのかもしれませんが。

最初に書いた話の幼い恋人たちも、アレクサンドルがチンピラ風なので、いまいち共感できず。ロールに付き添って面会に行く医者のアントワンも一回だけなら分かるけど、そんなに毎週土曜日何回も行ってあげるっちゅーのがよう分からん。そんなにいい人にも思えなかったし。ロールは普通の子っぽかったのに、こんなチンピラ風の奴の子どもまで妊娠しちゃってどうするんだろ???なんか、これがもっと純愛風に描かれていれば印象違ったと思うんですが。

2番目に書いた話も、ステファンはなんかだらしない男って感じで、人は悪くなさそうなんだけど、なんかぼけーっとしてる感じ。そして彼の恋人エルザが全然可愛くない上に性格も最悪で、どうしてこんな女のためにステファンは刑務所に入ろうとしたのか、そこんとこに共感できないし、1年間の刑務所暮らしの報酬も提示されていないからステファンがどれくらいの金額のために犠牲を払おうとしたのか分からない。1年後に弁護士が出してやるなんてピエールは言ってたけど、そんなにうまくいく?それともただステファンを騙してるだけか。それならそれでいいんだけど、そこんとこもうちょっと話の中で暗示するなりしてほしかった。

3番目の話はね、まぁこの中では一番良いですね。息子を殺した犯人に会うためにその姉に近づくゾラの様子とか、弟が罪を犯してしまってそれに苦しんでる姉の姿とか、この物語だけに集中して映画を作っても良かったんじゃないかと思えるくらいの素材でした。それだけに最後の面会室のシーンではもっと尺を長く取って深く描いてくれたら良かったのになと思います。

上にも書きかましたが、フランス映画っぽい映画です。ワタクシはちょっと苦手だった。
あの刑務所の前で「夫がこの書類と引き換えに連れて行かれた」って泣いていた女の人の存在もよく分からんかったし。

いつも外国の刑務所を見て思うんですが、面会室とかめっちゃ甘いですね。お互いに触れ合ったりできるし、あれなら確かにステファンのように入れ替わることも不可能ではなさそう。ステファンが入れ替わった男なんて25年くらってるくらいの罪なのにあんな面会室で大丈夫なんかな~とか思いながら見ていました。



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