またしても副題が妙に説明的ですが、「ジャッキー」というのはジャクリーンケネディのことです。
夫であり米国大統領であったジョンF.ケネディが暗殺されてから葬儀に至るまでをジャッキーナタリーポートマンが雑誌の記者ビリークラダップに語る様子を映画化したもの。
ナタリーポートマンがこれでもかというほど特徴のある喋り方をしていたので、あぁご本人はこういう喋り方をしていたんだなぁと思いました。本人がどんな喋り方をしていたのか知らないので似ているのかどうかは分かりませんが、おそらくあんなふうに喋る人だったんでしょう。
ファーストレディとしてものすごく気丈に振る舞う部分と、夫を目の前で射殺された妻としての脆さを見せる部分が非常にうまく描かれていると感じました。ケネディ家のお母さんとか義弟のロバートケネディピーターサースガードとどのような会話がなされたのかをもっと見たかった気もしますが、これはもう誰も知るところではないのかもしれませんね。この“ボビー”を演じたピーターサースガードが致命的に似ていなくて、苦しかったです。ナタリーもジャッキーに似てはいないんだけど、ボビーのほうがなんか見ていてつらかった。ピーターサースガードがうまい人なだけに残念でした。
気丈なジャッキーを象徴するシーンとして、記者が「と、彼女はたばこを吸いながら言った」とメモを取ったところで「私はたばこは吸いません」とまさにたばこを吸いながら言い放つシーンが印象的でした。パブリックフィギュアとしての自分と本当の自分とを切り離して、パブリックフィギュアのほうを完全にセルフプロデュースしていた彼女の姿が映し出されていました。
必ずしも夫婦仲がうまくはいっていなかったケネディ夫妻の夫婦としての再出発的な意味もあったテキサス遊説でまさかの事態が起こった。夫婦として再出発は叶わず、夫はいなくなり、“ファーストレディ”ではなくなり、小さな子供2人を抱えてホワイトハウスから追い出される。極限の精神状態の中で夫を米国大統領として伝説にすべく葬儀の方法を考えたジャッキーはまさしくファーストレディにふさわしい人だったのかもしれません。
映画としては、ナタリーの熱演とはうらはらに演出が単調で眠くなってしまう人もいるんじゃないかなぁ。不協和音のような不気味な音楽が時折流れますが、それすらももしかしたら子守唄になってしまっていたかも?
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