シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

ペーパーボーイ~真夏の引力

2013-07-31 | シネマ は行

あらすじを見るとサスペンスっぽかったし、キャスティングも魅力的だと感じたので見てきました。

嫌いなんだよなー。アメリカ南部のswampっていうの、あの沼。暑くてじめじめしてて虫がいっぱいで。1969年のお話だから余計にもう暑苦しいったらありゃしない。みんなの汗の臭いまで伝わって来そうな雰囲気。

その上登場人物が輪をかけて暑苦しい。
大学を退学になって仕方なく父親の新聞社の新聞配達を手伝っているペーパーボーイ・ジャックザックエフロン。ジャックの兄で都会の新聞社で記者をしているウォードマシューマコノヒーが地元で起こった事件を調査しにヤードリーデヴィッドオィエロォという黒人の相棒を連れて帰って来た。警官殺しで死刑判決を受けているヒラリージョンキューザックと手紙のやりとりをして婚約したシャーロットニコールキッドマンという女がヒラリーの無実を主張してきたのだ。

死刑囚と手紙のやりとりだけで婚約してしまう40がらみのシャーロットがいかにもって感じの厚化粧とヒョウ柄ワンピースなんだけど、純情童貞ボーイのジャックはそんな彼女に惚れてしまう。母に捨てられた経験があるから、なんて説明があったけど、いくら年上だからってあんな女に母を感じるか?ただヤリたいだけじゃないの?それにヤらしてくれそうだし。って思ったんだけど違うのか?

ジャック、ウォード、ヤードリー、シャーロットの4人はヒラリーの無実を証明するために行動を起こし始めるのだけど、なんかその辺のアリバイがどーのこーのとかはかなり二の次な感じで、ヒラリーに面会に行ったとき触れ合えないヒラリーとシャーロットの1メートル離れた強烈なファックを見せられたり、海でクラゲに刺されたジャックの上にシャーロットが放尿するシーンを見せられたり、わりと硬派に見えたお兄ちゃんウォードが実は黒人好きのゲイでしかもドMでド変態プレイが大好きと分かっちゃたりと、もうこれは一体何の話?そしてフロリダの湿地帯に生息する完全に住む世界が違う人々の空気感とかもうたまんない。暑苦しいというか、分厚いの、空気が。ジャックのひと夏の成長物語にしては濃すぎるんだよ!

それで結局一体何の話だったんだろう…あ、そうかジャックのひと夏の成長物語か。っていうのを見終わったあと何度か堂々巡りしてしまいました。

なんとなくうまく言えないけど、アメリカ映画にはなんかこういうジャンルがあるなぁ。どんなジャンル?他にはどんな映画が?って言われるとすぐには出て来なくて困っちゃうんだけど、なんか確実にある気がするんだよねー。ひと夏の経験ジャンルではなくて、南部の怪しげな人たちジャンルで。と非常に無責任な発言をしておりますが。。。

ニコールってもうあれぐらいの演技やっても驚かないなぁ。ま、あれだけやって驚かないなんて、それだけで彼女がいかにすごい女優かってことを証明しているとは思うんですけどね。それよりワタクシ的にはマコノヒーのあの状態のほうがキョーレツだった。。。8月には「マジックマイク」を見に行こうと思っているのに、あの姿が目に浮かんじゃいそうでイヤだよう。

あとはジョンキューザックのあのイカレっぷりが新鮮だったなぁ。彼ってちょっととっちゃん坊や風のイメージがあって善人っぽいから。でもすごくうまくてビックリしました。とても優秀なイカレっぷりでした。ザックエフロンはタイトルロールなのにみんなに喰われまくりでちょっと可哀想かな。あのブリーフ姿も周りのド変態度がアップするのも彼のキュートさあってこそなんですが、キュートな彼だけを求めてこの作品を見ちゃった人は、もうお口あんぐりってとこかもしれません。

語り部であるアニータを演じてたのってメイシーグレイだったんだー。キャスティング見るまで分からなかった。確かに、声が!完全にメイシーグレイだったわ。

このクソ暑い真夏にクソ暑い映画を見たい人はぜひどうぞ。