シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

ザ・タウン

2011-02-14 | シネマ さ行
貧しい街、ギャングから抜け出したい男、かたぎの女、腐れ縁の女、ギャングの仲間、FBI。
昔、昔から何度も何度も題材にされてきた物語。
特に目新しいことは何もない。

なんだけど、銀行を襲う場面もスリリングだし、そこからギャングから抜け出したい男ダグベンアフレックが人質に取ったかたぎの女クレアレベッカホールと恋に落ちる場面への発展もスムーズだし、FBIとの駆け引きやギャング内での力関係、過去などすべてがスムーズに観客に入り込むようになっていて、ありきたりな話ながら飽きることなく見ることはできた。

狭いボストンの路地を駆け回るカーチェイスや、あのメジャーリーグの名門球場フェンウェイパークをアクションの舞台に持ってくるところなんかはベンアフレックの地元愛を感じます。

まーね。結局お前だけ生き残ってうまいこと抜け出すんかよっていう気持ちはぬぐえないよね。頭のてっぺんまでどっぷりとこの世界に浸っていて、ダグが仲間から抜けることを許さなかったジェムジェレミーレナーは都合よく死んじゃってくれたしね。

ダグはお酒もドラッグも卒業したって言ってて、確かに良い奴だとは思うけど、クレアにちょっかいをかけた奴をボコボコにしに行くとこなんかは、これが彼の本性じゃないの?って思っちゃう。結局、自分だけはこの腐った町のギャングとは違うなんて思っていても、同じ穴のムジナじゃないのかと。

それでもねベンアフレックが、結構渋くていいんですよ。彼ってマットデイモンと共同で「グッドウィルハンティング」の脚本を書いて脚光を浴びましたね。あのときどうもマットデイモンがハーバード大ってことで、ベンのほうは頭の良くないほうなんていうイメージで見ちゃったんですけど、彼だってハーバードではないですが、なかなかスマートな人なんですよね。最近では彼のほうが先に監督デビューしちゃってこれが2作目だし。ジェイローとつきあったりアル中になったりとちょっと迷走していた感がありましたが、奥様ジェニファーガーナーのおかげかどうか、いまではすっかりクリーンになってこれからも監督でも演技でも活躍してもらいたいです。

クレアを演じたレベッカホールは、「それでも恋するバルセロナ」に続いてまたなんか優等生な雰囲気の役でした。特に美人というわけでもなく、まぁそれくらいのほうが説得力があるのかなぁと。クレアの「晴れた日」のエピソードはこの物語の中での大切なキーワード。

ギャング内の腐れ縁の女クリスタを演じたブレイクライヴリーは、「50歳の恋愛白書」のときでも書いたかもしれないですが、若手の中でもかなり演技ができる子だなぁという印象です。美人だし、こういう悪女っぽいのも清楚な少女もこなしてしまう。いま最も注目している若手女優の一人です。

ボストンというと、ニューイングランド地方の煉瓦作りの建物や、ハーバード大をはじめとするアカデミックなイメージからボストンでギャングの話?と意外に思う日本人も多いかもしれませんが、一歩中心を離れるとこの作品に描かれるような界隈が広がっているようです。

オマケギャングの親玉で出演していたピートポスルスウェイト。今年の最初に亡くなられたのですね。名わき役として数々の役柄をこなした役者さんでした。残念です。



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