シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

グッドウィルハンティング

2005-08-03 | シネマ か行
マットデイモンベンアフレックが共同で脚本を書き、主演もしてアカデミー脚本賞も取ったという超有名なお話。

二人の故郷であるボストンの下町を舞台に一人の天才とその周囲の人々を描きます。ボストンというのはアメリカ、ニューイングランド地方。アメリカの中でもヨーロッパ的な雰囲気を持ち、ハーバード大学があることからお金持ちのイメージがある方もいると思いますが、実は結構下町のほうに行くとあまり裕福でない白人たちがたくさん住んでいたりします。ま、アメリカの都市部なんてみな似たりよったりですが。

この主人公たちは、そこの出身。一生冴えない暮らしをすることを若い時から覚悟している子達の中、このウィルハンティングは数学の天才ということが掃除のバイトをしていたハーバード大学で知られます。ハーバードの学生が解けなかった数学の問題を解いちゃったんですよね。

物語の軸はその彼が心に傷があることに気付いた数学の教授ステランスカルスゲールドが紹介する精神分析医ロビンウィリアムスと彼との交流に置かれています。

幼い頃父親に虐待された心の傷をどのように癒すか。医者にハグされて"It's not your fault. It's not your fault."と何度も何度も繰り返され、彼は初めて自分の心を解き放ちます。この設定が甘すぎるのではないかと言った人もいましたが、ワタクシは彼の心を解き放つきっかけとしてはすごく良かったんじゃないかと思います。虐待された子はたとえどんなにロクでもない親でも自分が悪い子だからだと思い込んでしまう傾向にあるし、誰も改めて君が悪いんじゃないよなんて言ってくれる人がいないわけですから。

確かにちょびっと甘いなぁと思わせるところはあるものの、「完璧な人なんていない。問題は君にとって完璧かどうかだよ」とそっと恋のアドバイスをするロビンウィリアムス演じる医者や、親友たちがくれるぼろっちぃ車。「いつものようにお前を誘いに行っていくらベルを鳴らしてもお前は旅立ってしまった後。そういう日を俺は夢見ている」と親友の才能が埋もれないようそっと背中を押すベンアフレックなんかがとても素敵な作品でした。