シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

真夜中の銃声

2007-02-19 | シネマ ま行

ワタクシ、ショーンペンのファンなのですが、この作品のことは恥ずかしながら何も知らず、ケーブルテレビのオンエアで知った次第です

これはサマセットモームという人の小説が原作なんだそうだけど、このサマセットモームという小説家のこともワタクシは名前しか知らないので、ちょびっと調べて見ると、なんとこの人あの「007」で有名なイギリスの「MI6」で諜報部員として働いていて、その後スパイ小説なんかを書いていたらしい。本物のスパイが書くスパイ小説って面白そう。でも、この作品はスパイ小説ではありません。一応、クライムサスペンスっていう触れ込みになってるけど、クライムサスペンスっていうよりも、メロドラマに近いような…

第二次世界大戦前の不穏な空気の流れるイタリア、フィレンツェに集まった上流階級の人たち。そこにいるイギリス人未亡人メアリークリスティンスコットトーマスを中心に展開するストーリー。上流階級の未亡人なんてクリスティンスコットトーマスのためにあるような役。(彼女ってどこか石田ゆり子に似てませんか?顔がすごく似ているわけじゃないんですけど、なんか高貴な人なんか貧乏臭いんかよう分からん顔って感じが似てる。ワタクシは二人とも好きなんですけどね)この人がイノセントな顔して、体面気にしまくって、慈悲深いように見せかけて実は悪いことをやってのけちゃうんですよね。まぁ、本当はそんなうまく遊んだりできない人が慣れないことするんじゃないわよってことなのかもしれないけど。

彼女と恋に落ちるアメリカ人男性ローリーを演じるのがショーンペン。彼が上流階級ボンボンの色男なんて、どうなん?と思ったけど、実はこのローリー、結構反抗心のあるリベラルな男なところがショーンペンらしく、ベラベラと女性を口説くところも意外にはまっていた。「ザ・インタープリター」のときもそうだったように、彼のイメージとはかけ離れた役もやっぱりきちんとこなしてしまう。さすが、演技力に定評のある実力派。ワタクシがファンだから贔屓目も大いにあるとは思いますが…ワタクシにはすごくカッコよく見えたし、クリスティンスコットトーマスも好きだから、二人の恋を応援してしまう、、、

が、いくらワタクシがこの二人を応援しちゃうって思ってみてもなぁ…さすがにちょっとヒドいような気がする。そりゃ、例の彼ジェレミーデイビスは自殺だったわけだから、誰にも罪はないと思うよ。でもだからこそ、山ん中に捨てちゃわないでも良かったんじゃないの?さすが、上流階級、自分たちの保身に必死ですな…リベラルなローリーまでその手助けをしちゃうんだから。って見ていない方にはなんのことかさっぱりだと思うんですが。ゴメンナサイ。

この倫理観には問題があるにせよ、映画としてはこの次はどうなるのかとワタクシは結構楽しめましたね。ラストの展開に賛否はあるだろうとは思うんですが、メロドラマとしてはよくできていると思いますし、主役の二人のキャストもいいし、脇を固めるアンバンクロフトもさすがの貫禄で、こういう大ベテランの活躍はとても喜ばしく感じます。