電脳筆写『 心超臨界 』

貧困は人格をつくる教師である
( アンティファネス )

人生を創る言葉 《 手紙を書く代わりに日記帳を――カザルス 》

2024-07-28 | 03-自己・信念・努力
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◆手紙を書く代わりに日記帳を送って知らせているのさ


『人生を創る言葉』
( 渡部昇一、致知出版社 (2005/2/3)、p156 )
第4章 心を練る――深く考え、迷わず動く

[ カザルス ]
世界的チェリスト。スペイン生まれ。近代チェロ奏法を確立した。
指揮者、バッハ研究家としても知られる。(1876~1973)

カザルスは若いころ、いつも日記をつけていた。

「君は日記をつけるのが趣味らしいね。でも、いつまで続くかな」

友達が冷やかし半分にそういうのを聞き流して、カザルスは書き続けた。

彼は、故郷のスペインからパリへ音楽修行に出てきた無名のチェロ弾きであった。交響楽団の一員にはなっているけれど、給料が安いので、ホテルの音楽団を手伝ったり、ときには公園の広場でチェロを弾いてお金を稼ぐこともあった。郷里には自分が立派な音楽家になって帰るのを待っている父と母がいるんだ、といつも思って、自分を励ましながら勉強していた。そして、どんなに疲れていても、彼はその日の日記をつけた。他の連中は、どうしてそんなものをつけるのかと不思議に思っていた。

「君たちにはおかしく思われるかもしれないけれど、僕が日記をつけるのは、一つの必要があるからなんだよ」

あるとき、カザルスは友達に語った。

「実は、日記が10日か15日分まとまると、それを故郷の母のところへ送るんだよ。母は苦労性で僕がパリでどうしているか、いつも心配している。だから僕も手紙を書く代わりに日記帳を送って知らせているのさ」

友達は「そうだったのか」深く感心した――。

私も、上智へ入ったとき、カザルスと同じようなことをした経験がある。毎日三度の食事のおかずを書き出して、家に送っていたのである。また、家族を残してアメリカに1年行っていたときには、簡単な日記を書いて送ったこともある。

なぜそんなことをしたのか、私はよく覚えていないのだが、おそらくはカザルスのこの話を読んで知っていたからではないかと思う。

今は電話があるから、こんな面倒なことをする学生はいないだろう。だが日記を送るようにすれば、あまり無茶な生活を送れないから、結果として自己管理ができるという効能もあるのではないか。つまり、この方法には、自分を励まし、また故郷にいる親を安心させるという二つの効能がある。なかなか効率的なやり方であると思う。試してみる価値はあるのではないか。
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