電脳筆写『 心超臨界 』

偉大さは偉大であろうと試みることにある
それ以外の道はない
( アルベール・カミュー )

EU、ASEAN、日本の選択は……――平田雄介さん

2020-06-30 | 04-歴史・文化・社会
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EU、ASEAN、日本の選択は……――平田雄介
【「日々是(これ)世界 国際情報分析」産経新聞 R02(2020).06.29 】

  《 米国か、中国か 》

11月3日に大統領選を予定する米国で、共産党一党独裁の中国の挑戦を退けるため民主主義国の結束を求める機運が党派を超えて高まっている。米中の覇権争いは、政治体制の違いで敵と味方を峻別(しゅんべつ)し、世界を二分する「新冷戦」へと進むのか。

ポンぺオ米国務長官が19日、「自由か、専制か」と問いながら、欧州諸国に中国経済からの自立を促し、米国に味方するよう求めた外交演説は象徴的だった。「一国二制度」が保証された自由な香港社会の統制強化を進める中国を批判し、その脅威は欧州に広がり、中国がギリシャからスペインまで地中海沿岸の重要港の運営権を握ったと指摘。「中国国営企業の全ての投資に疑いの目を向けるべきだ」「金ぴかの目くらましを切り離さなければ」と訴えた。

演説の主が、第二次大戦で荒廃した欧州の復興援助を訴え、ソ連との冷戦で「民主主義の防波堤」を築いた米国務長官のマーシャル(在任1947~49年)なら、欧州諸国も同調するだろう。しかし、北大西洋条約機構(NATO)を揺さぶり、欧州連合(EU)の輸出車を「安全保障上の脅威」とみなすのが今の米国だ。

3日後、EUのフォンデアライエン欧州委員長は中国との首脳会談で、中国に対し香港への「香港国家安全維持法」導入の再考を促したが、中国市場を重視し、米国と一線を画した。同氏は「中国は最も挑戦的な国の一つであると同時に最も戦略的に重要な国の一つ」と話す。

米国か、中国かを選択させないでほしい―。ポンペオ氏が「欧州にあるのを知っている」と述べたこの不満を、米中の勢力圏が交錯する東南アジアの国々も抱く。

シンガポールのリー・シェンロン首相は昨年5月、アジア安全保障会議(シャングリラ対話)で、経済成長のために地域統合を進めて来た東南アジア諸国連合(ASEAN)を二分する選択に反対し、米国を牽制(けんせい)した。加盟10カ国のエリート層を対象にした昨年11~12月の世論調査では、7カ国で米国より中国を重視する人が多数派となった。ASEANは、今年1~3月期の中国の貿易額ではEU と米国を抜いて1位となり、関係は深まっている。

今、米国を選べるのは、機密情報を共有する英語圏の枠組み「ファイブアイズ」を米国と構成する英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドくらいかもしれない。

トランプ米大統領と「世界の指導者の中で最も個人的な関係を築いている」と評される安倍晋三首相は、5月25日の記者会見で選択を問われ、「米国は価値を共有する唯一の同盟国」「中国は極めて経済的にも重要な国」と述べた。

米外交の「自国第一」は国際政治の常として、トランプ氏の奔放な言動は米国が自ら築いた戦後の世界秩序を支える同盟や自由貿易の枠組みを傷つけ、米国という選択を躊躇(ちゅうちょ)させる。大統領選で対決するトランプ氏(共和党)とバイデン前副大統領(民主党)の双方の陣営に、真摯(しんし)な姿勢で味方を増やす努力を同盟国の日本は促すべきではないか。
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