電脳筆写『 心超臨界 』

何もかもが逆境に思えるとき思い出すがいい
飛行機は順風ではなく逆風に向かって離陸することを
ヘンリー・フォード

小沢は胡錦濤に「政権交代後も解放の戦いは終わっていない」と伝えた――政権百日[中]

2009-12-29 | 04-歴史・文化・社会
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「政権」第5部
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「政権」第5部 百日[中]
【 09.12.23日経新聞(朝刊)】

暴れる小政党――最終決戦 その後は…

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  「わたしは今、国連安保理の(常任)理事国の立場にいる。
   わたしがノーと言ったらおしまい」
  (10月30日、国民新党代表・亀井静香の広島市内での発言)
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「各省政策会議が全く機能していない。議員発言が政策に全く反映されないことへの不満はすごい。政府への不満に変わらないようにしなければ」。17日夜、ホテルニューオータニの日本料理店「岡半」で開かれた民主党国会対策委員会の忘年会で、国体委員長の山岡賢次(66)は委員長代理の三井辨雄(67)と各副委員長にこう呼びかけた。

鳩山政権は9月の発足時、政策決定をすべて政府に一元化する方針を打ち出した。職務権限のない族議員が党の部会を通じて行政に関与する自民党政権時代の政府・与党二元体制を改め、民主党は政策調査会を廃止。官職を持たない同党議員による政策への関与を各省副大臣が主催する政策会議に出席して意見を述べることだけにとどめた。

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しかし、官邸主導は不発のままだ。2010年度予算案の決定を間近に控えた12月半ばですら、国土交通省の政策会議は週1回ペース。民主党幹事長、小沢一郎(67)らが国会内で陳情の仕分け作業を進めた16日も、隣の部屋の財務、総務両省合同政策会議の出席者は10人足らずだった。予算に意見を反映させたい議員でごった返した自民党部会の光景とは様変わりだ。

一方、党首級の基本政策閣僚委員会の下につくった政府・与党の予算の作業部会は活気を帯び、首相官邸で週末返上の作業が続く。政府側は財務副大臣の野田佳彦(52)と内閣府副大臣の古川元久(44)、首相補佐官の小川勝也(46)、与党側は社民党政審会長の阿部知子(61)、国民新党政調会長の下地幹郎(48)の計5人が中心メンバーだ。

09年度第2次補正予算で国民新党が1千億円を上積みできたのは、作業部会で粗ごなしした結果だ。阿部と下地は政府税制調査会を兼ね、税調の運営方針を決める企画委員会などにも参加する。2人の手帳は基本政策委、作業部会、税調の日程でぎっしりだ。

衆院で300議席を超す巨大政党の民主党を、2つ合わせても与党の議席数全体の5%に満たない小政党が振り回す。それができるのも、社国両党の意見を確実に反映する枠組みが用意されているからだ。

政策決定を内閣に一元化して民主党議員の政策参加を制限しながら、連立を組む社民、国民新両党の意見を重視する――。こうしたいびつな政策システムを考案したのは小沢だった。

民主党内に政策会議への不満がくすぶっても、小沢に直接文句を言える議員はいない。社民党党首の福島瑞穂(53)、国民新党代表の亀井静香(73)も政局の節目には首相、鳩山由紀夫(62)だけでなく小沢への働き掛けを欠かさない。

「来年夏に最終決戦がある。兵を募り、鍛え、勝利を目指している。野戦軍の最高総司令官として解放戦が終わるまでそれに徹していきたい」。小沢は10日、北京で会談した中国国家主席、胡錦濤に「政権交代後も解放の戦いは終わっていない」と伝えた。

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小沢にとって政策はいわば選挙本位制。すべての仕掛けは自民党との最終決戦、参院選のためにある。党の政策関与を制限したのは議員を地元に戻して選挙に専念させるため。社民、国民新両党への配慮も民主単独では過半数に届かない参院で法案を確実に処理し、対自民党の選挙協力に万全を期すためだ。

20日、政権交代後初めて地元の岩手県に入った小沢は「政権政党として安定した政権運営をするためには単独の過半数がなければならない。ここ一番というときには衆参両院で過半数を持っていることが政権の最大の強みだ」と述べた。参院選の勝利で強まる政権基盤で小沢は何をしたいのか。そのビジョンさえ誰も聞けない。  (敬称略)

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