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「マスゴミ崩壊」
【 三橋貴明、扶桑社、p27 】
――フィードバッグを拒否する「業界」
日本のマスメディアは、虚偽報道や捏造報道に対する責任を果たすことを拒絶する。その上、最近では業界内で、互いに庇い合いの姿勢を見せるところまで、劣化してしまった。
そもそも、マスメディアという業界は、ユーザーからのフィードバックを拒否するという、民間企業としては考えられない特殊体質を持っている。
マスメディアを除くすべての民間企業は、ユーザーからのフィードバックを「貴重なダイヤモンド」として重宝する。そもそも、普通の民間企業はユーザーの声を聞く場が限られているので、わざわざ費用をかけ、アンケート調査などを実施し、積極的にフィードバックを得ようとするのだ。
理由はもちろん、ユーザーの声を自社の製品やサービスの開発に活かし、役立てるためだ。ユーザーの声、すなわち市場の声に耳を塞ぐ企業が生き残っていけるほど、ビジネスの世界は甘くない。
そして、ここが最も重要なのだが、民間企業がフィードバックを積極的に受けようとしているのは、何も企業が殊勝で腰が低いからではない。そうしなければ、市場における競合に敗れ、会社が倒産し、従業員が失業することを知っているからなのだ。
ところが、マスメディアは民間企業としては唯一、ユーザーからのフィードバックを拒否し、瑕疵のある製品(捏造報道、虚偽報道、偏向報道など)に対する責任を一切取らない。理由は、単純で、それでも儲かるビジネスモデルに「なっていた」からである。
別に、ユーザーからのフィードバックをゴミ箱に放り込もうが、責任追及の声を無視しようが、会社が倒産するわけでも、記者やテレビマンが失業するわけでも「なかった」のだ。
言うなれば、マスメディア各社は、自分たちの紙面や番組で大いに批判する「寡占構造」や「各種の規制や特権」に守られたビジネスモデルの中で、安穏として成長してきた「最後の護送船団」だったわけである。
さきほどから筆者は「なっていた」と、過去形を使っているが、これにはもちろん理由がある。現実世界で、マスメディア各社を「保護」していたビジネスモデルの構造が、現在は崩壊の過程にあるからである。
本書は、崩壊しつつある。マスメディアのビジネスモデルに関する一冊である。
始めに、大手新聞社やテレビ局が捏造放送や虚偽報道を行っても、報道責任の追及を一切無視し、フィードバックも拒否することを可能たらしめた、ビジネスモデルのポイント、「特典」について列挙しておこう。
Ⅰ 情報ソース(源泉)の独占(記者クラブなど)
Ⅱ 情報の流通チャンネルの独占(専売制、電波利権など)
Ⅲ 参入障壁の構築「専売制、電波利権など」
Ⅳ 情報公開を拒否(新聞社の非上場、広告の費用構造など)
Ⅴ 市場競争の拒否(新聞特殊指定、著作権など)
マスメディアはこの五つの特権を頑なに守り通すことで、高収益な寡占構造を構築してきたのである。一般の民間製造業で言えば次のようになるだろう。
Ⅰ 技術や製造方法の独占
Ⅱ 製品の販売チャンネルの独占
Ⅲ 新規事業者の参入障壁の構築
Ⅳ 製品情報など、ディスクローズの拒否
Ⅴ 市場競争の拒否
断言しておくが、もしも上記のような特権に守られた民間製造業や産業が他に存在したら、マスメディアは仇の首を取るかのごとき勢いで、「甘い汁をすする寡占構造の存続は、『国民』が許さない!」と声高に叫び、猛烈な批判キャンペーンを展開するだろう。結果、その企業なり産業の寡占構造は崩壊し、市場全体が正常化していくことになる。
ところが、自分たちの業界になると、途端にマスメディアは口をつぐむのである。今や、電力会社がガス会社と厳しく競合し、通信事業者同士が激烈な価格競争を演じる時代だ。マスメディアはこれらの公益事業者と比べてさえ、閉鎖的で高コスト構造になっているわけだ。
率直に言って、産業全体の「反市場性」において、マスメディアと張り合えるのは、彼らが日々大々的な批判を展開する、官公庁くらいなものである。いや、日本国民に対する情報チャンネル独占という特権的立場に胡坐をかいていた時点で、マスメディアの「反・市場性」は、官公庁さえ凌駕するほどに悪質と言って構わないだろう。
ところが、まるで城塞のように分厚い障壁に守られていた、マスメディアという強固なビジネスモデルが、現在は唖然とするようなスピードで崩れ落ちている。モデルの崩壊と共に、各社の決算は揃って悪化しまさに総崩れという言葉を思い起こさせるほど、凄まじい勢いで産業全体が急収縮しているのだ。
マスメディアのビジネスモデル崩壊の立役者は、一つ目はもちろんインターネットの出現である。
インターナットの出現が、マスメディアの情報ソースの独占や、情報の流通チャンネル独占などの特権構造を、あっさりと崩し去ったのだ。
【 これらの記事を発想の起点にしてメルマガを発行しています 】
「マスゴミ崩壊」
【 三橋貴明、扶桑社、p27 】
――フィードバッグを拒否する「業界」
日本のマスメディアは、虚偽報道や捏造報道に対する責任を果たすことを拒絶する。その上、最近では業界内で、互いに庇い合いの姿勢を見せるところまで、劣化してしまった。
そもそも、マスメディアという業界は、ユーザーからのフィードバックを拒否するという、民間企業としては考えられない特殊体質を持っている。
マスメディアを除くすべての民間企業は、ユーザーからのフィードバックを「貴重なダイヤモンド」として重宝する。そもそも、普通の民間企業はユーザーの声を聞く場が限られているので、わざわざ費用をかけ、アンケート調査などを実施し、積極的にフィードバックを得ようとするのだ。
理由はもちろん、ユーザーの声を自社の製品やサービスの開発に活かし、役立てるためだ。ユーザーの声、すなわち市場の声に耳を塞ぐ企業が生き残っていけるほど、ビジネスの世界は甘くない。
そして、ここが最も重要なのだが、民間企業がフィードバックを積極的に受けようとしているのは、何も企業が殊勝で腰が低いからではない。そうしなければ、市場における競合に敗れ、会社が倒産し、従業員が失業することを知っているからなのだ。
ところが、マスメディアは民間企業としては唯一、ユーザーからのフィードバックを拒否し、瑕疵のある製品(捏造報道、虚偽報道、偏向報道など)に対する責任を一切取らない。理由は、単純で、それでも儲かるビジネスモデルに「なっていた」からである。
別に、ユーザーからのフィードバックをゴミ箱に放り込もうが、責任追及の声を無視しようが、会社が倒産するわけでも、記者やテレビマンが失業するわけでも「なかった」のだ。
言うなれば、マスメディア各社は、自分たちの紙面や番組で大いに批判する「寡占構造」や「各種の規制や特権」に守られたビジネスモデルの中で、安穏として成長してきた「最後の護送船団」だったわけである。
さきほどから筆者は「なっていた」と、過去形を使っているが、これにはもちろん理由がある。現実世界で、マスメディア各社を「保護」していたビジネスモデルの構造が、現在は崩壊の過程にあるからである。
本書は、崩壊しつつある。マスメディアのビジネスモデルに関する一冊である。
始めに、大手新聞社やテレビ局が捏造放送や虚偽報道を行っても、報道責任の追及を一切無視し、フィードバックも拒否することを可能たらしめた、ビジネスモデルのポイント、「特典」について列挙しておこう。
Ⅰ 情報ソース(源泉)の独占(記者クラブなど)
Ⅱ 情報の流通チャンネルの独占(専売制、電波利権など)
Ⅲ 参入障壁の構築「専売制、電波利権など」
Ⅳ 情報公開を拒否(新聞社の非上場、広告の費用構造など)
Ⅴ 市場競争の拒否(新聞特殊指定、著作権など)
マスメディアはこの五つの特権を頑なに守り通すことで、高収益な寡占構造を構築してきたのである。一般の民間製造業で言えば次のようになるだろう。
Ⅰ 技術や製造方法の独占
Ⅱ 製品の販売チャンネルの独占
Ⅲ 新規事業者の参入障壁の構築
Ⅳ 製品情報など、ディスクローズの拒否
Ⅴ 市場競争の拒否
断言しておくが、もしも上記のような特権に守られた民間製造業や産業が他に存在したら、マスメディアは仇の首を取るかのごとき勢いで、「甘い汁をすする寡占構造の存続は、『国民』が許さない!」と声高に叫び、猛烈な批判キャンペーンを展開するだろう。結果、その企業なり産業の寡占構造は崩壊し、市場全体が正常化していくことになる。
ところが、自分たちの業界になると、途端にマスメディアは口をつぐむのである。今や、電力会社がガス会社と厳しく競合し、通信事業者同士が激烈な価格競争を演じる時代だ。マスメディアはこれらの公益事業者と比べてさえ、閉鎖的で高コスト構造になっているわけだ。
率直に言って、産業全体の「反市場性」において、マスメディアと張り合えるのは、彼らが日々大々的な批判を展開する、官公庁くらいなものである。いや、日本国民に対する情報チャンネル独占という特権的立場に胡坐をかいていた時点で、マスメディアの「反・市場性」は、官公庁さえ凌駕するほどに悪質と言って構わないだろう。
ところが、まるで城塞のように分厚い障壁に守られていた、マスメディアという強固なビジネスモデルが、現在は唖然とするようなスピードで崩れ落ちている。モデルの崩壊と共に、各社の決算は揃って悪化しまさに総崩れという言葉を思い起こさせるほど、凄まじい勢いで産業全体が急収縮しているのだ。
マスメディアのビジネスモデル崩壊の立役者は、一つ目はもちろんインターネットの出現である。
インターナットの出現が、マスメディアの情報ソースの独占や、情報の流通チャンネル独占などの特権構造を、あっさりと崩し去ったのだ。
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