電脳筆写『 心超臨界 』

成功はそれを得るために捨てなければならなかったもので評価せよ
( ダライ・ラマ )

用意ができたとき師が現われる 《 人生は、勇気と希望とそしてサム・マネー――サトウサンペイ 》

2024-10-26 | 03-自己・信念・努力
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日本の歴史、伝統、文化を正しく学び次世代へつなぎたいと願っています。
20年間で約9千の記事を収めたブログは私の「人生ノート」になりました。
そのノートから少しずつ反芻学習することを日課にしています。
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◆村上春樹著『騎士団長殺し』の〈南京城内民間人の死者数40万人は間違いで「34人」だった〉
■超拡散『移民受入れを推進した安倍晋三総理の妄言』
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「人生は、どんなに辛いことがあっても、生きるに値する。それには三つのことが必要だ。勇気、希望そしてサム・マネーだ」。チャップリンのセリフを聞いた時、なぜか、サンペイさんの目から涙が流れた。(そうだ、アルバイトの収入は、まだ月給の二倍にはならないけれど、自分にはサム・マネーがある)そう思った時、決心がきまった。


◆人生は、勇気と希望とそしてサム・マネー

『現代ビジネス金言集(1)』
( 扇谷正造、PHP研究所 (1986/1/1)、p52 )

漫画家のサトウサンペイさんは、独立する前は大丸の宣伝部につとめていた。昔から独創的なアイデアマンであった。時代の先端ならいいのだが、四歩あるいは五歩さきを歩いていた。

第一、履歴書から変わっていた。

宣伝課長が大学の先輩だった。教授の紹介で履歴書を持っていくと、「ああ、いいよ」と軽くひきうけポケットに入れた。彼は、そのまま、どうも洋服をクリーニング屋に出したらしい。だからサンペイさんには待てどくらせど採用試験の期日の連絡がない。

おかしいな、と思ってサンペイさんが大丸に出かけた。宣伝課長氏に会うと、顔を見るなり彼は(あッ)という表情をした。とにかくと人事部長のところへ連れて行かれた。追試験はダメだという。そこでサンペイさん怒った。

「私は大丸へ入社できなくってもいい。しかし、会社側の手落ちで、試験もうけさせずに前途ある青年の一人を、失望の奈落の底につきおとすとは何事ですか」

と、まあいった。そこで、「ではとにかく履歴書を」ということになった。サンペイさん、同じ履歴書を二回書く気にはなれない。そこで自分の経歴を漫画で書いた。オギャーと誕生して以来、失恋の話から学徒動員まで書いた。これを見た重役会議では、ふざけているという意見もあったらしいが、面白いじゃないかという意見が大勢を占めて、結局、採用になった。

宣伝部に配属されてから、グッドアイデアを出した。“心斎橋であいましょう”というキャッチフレーズである。だが、部長さんはそれを見て、苦虫をかみつぶしたような顔をして

「君、君、会社へ遊びにきているんじゃないよ」

と叱った。低音歌手のフランク永井によってブームとなった“有楽町であいましょう”(そごう百貨店)が出る一年前だった。

こういう部長さんは宣伝マンとしては大衆の四分の一歩前という位のところである。手がたいが、それでは、時代を先どりすることができない。“心斎橋で”の方は語呂もいいし、現代のペア時代を先どりしたものだった。

そのころから氏は独立ということを真剣に考えはじめた。脱サラである。当時、夕刊大阪日々の小谷正一氏はいち早く、サンペイさんの才能をみとめ、よく原稿をたのんでくれた。車で、大丸へ迎えに来てくれた時は、いささか得意でもあれば、テレくさくもあった。脱サラの決心のメドは、アルバイトの収入が大丸の月給の二倍になった時ときめていた。

ある日、ふらっと街の映画館に入った。チャップリンの『ライム・ライト』をやっていた。クレア・ブルーム扮するところの踊り子が足を痛め、前途をはかなんでガス自殺をはかる。老コメディアンのチャップリンが、それを見つけて救い出し、自分の家にひきとって手厚い看護を加える。そして、彼は、踊り子をはげます。

「人生は、どんなに辛いことがあっても、生きるに値する。それには三つのことが必要だ。勇気、希望そしてサム・マネーだ」

その場面を見た時、なぜか、サンペイさんの目から涙が流れた。(そうだ、アルバイトの収入は、まだ月給の二倍にはならないけれど、自分にはサム・マネーがある)そう思った時、決心がきまった。勇気と希望という心の問題と並べてサム・マネーといってるところにチャップリンの人生哲学がある。チャップリンは幼少時分、貧苦の中に育ったのである。

それからのサンペイさんのことは、ご存じの通り、今やトップの漫画家である。
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