司法書士のオシゴト

会社にかかわる登記を中心に素朴なギモンにお答えします♪ 

印鑑カードの引継

2010年05月10日 | 商業登記

またまた印鑑カードのことです。

会社の印鑑登録をしようとする場合、印鑑届書なる紙を提出しますよね。
これにはチェックするところがいくつかございまして。。。。
一つは、「印鑑カードの引継ぎ」をするかどうかって項目です。

印鑑カードは引継ぎが出来る場合と出来ない場合がありまして、さらに引き継ぎするかどうかを選べる場合と選べない場合があります。

代表取締役Aが代表取締役Bに交代するようなケースでは、Aの印鑑カードをBが引き継ぐこともできますし、Aのカードを失効させて、新しいBのカードを発行してもらうこともできます。
。。。というのが、引継ぎができ、かつ、引き継ぐかどうかを選択できるケースです。

商号変更に伴って、新しい印鑑を登録するような場合(=改印)は、登録している印影は変わりますが、カードは引き続き使用することになってマス。 新しいカードに切り替えることはできません。
基本的に、印鑑カードは一人につき1枚ですから、登録する印影が変更されたとしてもカードが交付済みなら新しいカードは発行されないと考えるようです。

ただし、解散のケースはちょっと変わっています。例えば解散前の代表取締役と代表清算人が同一人物だった場合、原則的には 印鑑カードは当然に引き継がれ、新しいカードの交付請求は出来ないと考えられますが、このケースでは引継ぎするかどうかを選ぶことができます(新しいカードを発行してもらうことも出来マス)。

代表取締役と代表清算人は法律上の肩書きが異なるため、同一人物であっても別人と考えるようです。簡単にいうと、代表清算人は従前の代表取締役の場合もあるし、別人の場合もありますよね。同一人物の場合は引継ぎできなくて、別人の場合は引継ぎできる。。。なんてことにすると、かえって面倒だから一律に処理しているのだろう。。。と思います。

そして、強制的にカードが切り替わるケースもありますね。
代表的なのは、管轄登記所の異なる本店移転です。 旧本店で使用していたカードは自動的に失効して、新本店管轄の法務局で新たにカードの交付を請求しなければなりません。
それから、特例有限会社が株式会社に商号変更する場合や、持分会社⇔株式会社 の組織変更もカードは強制的に切り替わってしまい、元のカードを引き続き使用することはできなくなります。

管轄の法務局が変わる場合は、会社等法人番号が変わりますし、組織変更(有限会社の商号変更も)の場合は会社の種類が変わります。カード情報は12ケタの会社等法人番号で管理されていますが、モトモトの番号も閉鎖された登記記録として残っていますから、カードそのものを切り替えないと紛らわしいからなんでしょうね~。

。。。で、新しいカードを発行してもらう場合は、古いカードを登記所に返納しなければならない、というのが法律上の規定ですが、何故か、「返しなさいっ!!」とは言われないんです。
もちろん、古いカードを持っていけば受け取ってくれますケド、こちらもできればカードはお預かりしたくないので、基本的には会社の方で廃棄していただいています。

そして、カードを引き継ぐ場合、印鑑届書にはカード番号を記載する欄がありますが、ここは分からなければ必死に調べる必要はありません。 「印鑑カードを引き継ぐ」欄にチェックしていただきまして(これは必須)、従前の印鑑届出者のお名前を書いておけばOKです。

カードのことって、何となく分かりにくいですよね~。
個人的には、印鑑届出が単純になった分、カードの手間が増えたかな? なんて思ってマス。

コメント (8)
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