団塊的“It's me”

喜寿老(きじゅろう77歳)の道草随筆 月・水・金の週と火・木の週交互に投稿。土日祭日休み

セカンドライフ問題 花火

2007年06月23日 | Weblog
 ネパールの首都カトマンズは盆地にある。標高千三百メートル。この標高はちょうどマラリアの媒体である、ハマダラ蚊の繁殖できない位置になる。

 ネパールを旅行していると不思議に思うことがある。なぜ、わざわざこんな不便な山の高いところに、ひとが住んでいるのだろうかと。答えは蚊から逃げるためだと聞いた。

 インドやイギリスが、軍事力でネパールを支配下に置けなかったのは、印ネ国境のタライ平野がマラリアの発症地帯で軍隊の侵入を拒んだからだといわれている。中国がネパールを支配下におけなかったのは、ヒマラヤの山々が要塞になり中国軍の侵入を拒んだという。カトマンズは自然の要塞に守られた首都である。

 飛行機でカトマンズ国際空港に着陸するときは、窓から下を見ないほうが良い。盆地の底に向けて降下する機体は、盆地の外輪の山の頂上スレスレに飛ぶ。この頂を出来るだけ低く越えないと、空港の滑走路の長さをフルに活用できない、着地角度のキツイ着陸となる。いつも晴れていれば事はもっと容易であるが、カトマンズ盆地は雷雨、濃霧、気圧変化、乱気流、風向多変、突風など問題が多いのである。機長の腕の見せ所である。 

 その盆地に三年暮らした。大洪水、停電、断水、赤痢、肝炎、寄生虫問題いろいろ経験をした。人々の生活は、いまだ日本の明治時代並という人もいる。しかし、人間味の実に深い人々が暮らす地である。カースト制度でがんじがらめにされている。下層階級の生活の貧しさは目を覆うばかりである。

 私はカトマンズで気候のいい冬、花火大会をやるのが夢である。カトマンズの真ん中を流れるバグマティ川の中州から、空高く次から次へと花火を打ち上げる。援助にも限度があり、ネパール人全員に行き渡るわけもない。私個人の財力や能力では何もできない。だからせめて一瞬の花火の美しさを提供したい。彼らの瞳の中に、美しい日本の花火を映したい。そして叫びたい。「玉屋!」「鍵屋!」「ネパール万歳!」と。

 以前花火は火薬を使うので、海外に花火を持ち出すのは不可能と思っていたが、最近スーパーで売っている花火がほとんど中国製だと知った。花火がちゃんと輸入されている。これから何とか可能性を探りたい。 (写真:カトマンズ国際空港 JALチャーター便到着)

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