団塊的“It's me”

喜寿老(きじゅろう77歳)の道草随筆 月・水・金の週と火・木の週交互に投稿。土日祭日休み

コロナ禍の孤独

2021年01月28日 | Weblog

コロナ禍が続く。そんな中Forbes Japanがコロナ孤独を軽減させる方法を特集して紹介した。項目別に私自身の現状を検証してみた。

  1. 安全な交流:安全な交流の仕方がわからないので、まったく直接会う交流はしていない。妻はいまだに東京の病院への通勤を続けている。これが私の懸念である。だからいかなる交流も避けている。私の子供達家族も電話メール以外の交流が途絶えている。
  2. 自分と他人を比べない:これは難しい。私は卑屈なほど自分と他人を比べてしまう。しかしこれを口や態度に出さぬようにしている。そうしていることが精神衛生上良くないとわかっている。自分が卑屈に落ち込むと、ユーチューブでBritain’s Got Talent(英国のタレント発掘番組)のスーザン・ボイルやポール・ポッツやアリス・フレッドナムの最初の舞台で歌うのを聴いて思い切り泣く。何回観ても泣ける。私の卑屈さが吹っ飛んでしまう。
  3. 散歩に出かける:日課にしている。大阪大学の宮坂昌之教授が推奨する規則正しい生活をして免疫力を高める、を実践している。散歩のお陰で脚の血管の詰まりが改善してきている。雨の日など外に出られない時は、家の中にあるウォーキングマシンで30分歩く。外を散歩するのと違い、面白くない。
  4. 計画を立てる:私の最も苦手なことだ。行き当たりばったり、が私の生き方。それでもコロナ後を見据えて、私は新たな料理に挑戦を始めた。低温調理器を購入して、招く友人家族を想定して、献立を考え、どうびっくりさせ喜んでもらおうかと策を練っている。
  5. 隔離生活で失ったものではなく、生まれた機会について考える:本を書きたい、絵本を書きたい、とずっと考えてきた。絶好の機会なのに、まったく書く気が起こらない。何とか書き始めようとするが、できない。そうこうしてすでに1年が過ぎた。代わりに孫たち、友人のお孫さんたちへ手紙を書いている。一歩前進二歩後退。
     ロナ禍の孤独を多くの人々が感じている。私もその一人。それぞれがきっと孤独から逃れる方法を考え実行しているに違いない。その結果を持ち合って友と家族と再会する日を待ち望む。

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3本脚4本脚

2021年01月26日 | Weblog

  バスの中でおじいさんとおばあさんが話している。「あんたさあ、いつも今日みたいに、杖使わなくちゃダメだよ」「ああ、そうすることにした。家の前の段で転んでえらいことした。死ぬかと思ったさ」 二人の会話が続く。参考になると思い、ずっと耳を傾けていた。

 今年の正月から私は、腰を痛めている。26日になる今日もまだ完治していない。7,8年前に痛風で歩行困難になった。その時杖を買った。今回の腰痛にも、その杖の厄介になっている。

 あの日バスに乗って驚いた。乗客は5,6人だった。そのほとんどが杖を持つ老人だった。もちろん私もその中の一人。腰痛ベルトを妻の出勤前に巻いてもらった。妻は力持ち。ギュッと閉める力の強いこと。ベルトのお陰で歩くことはできる。しかしどうしても動きがぎこちない。そこで杖の出番である。3本目の脚となる。杖があると歩きやすい。特に道路の起伏は、危険個所である。歩道でも決して安全ではない。各家の駐車場などの入り口は、歩道を不規則な凹凸になっている。敷石タイルが同じ色なので、足腰が弱い老人は、段差でこける。杖を持っていると、この咄嗟のよろめきを3本目の脚でガッチリと支えることができる。歩道を歩かずに車道を歩く老人が多い。これは歩道が実はとてもこけやすく造られているからだ。歳をとって初めて見えてくることがある。

 散歩していて気が付いた。3本足4本足(スキーで使う2本組のストックのような登山用の製品)の老人が何とたくさんいることか。腰痛ベルトして杖をつく。私もその一人。バスに乗っていたおばあさんがおじいさんに言っていた。「あたしが転んで入院したら、6人部屋の全員が転んで骨折した人だった。先生が言ってたよ、転ばぬ先の杖ってさ」

 


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怒らなくてもいいでしょ

2021年01月22日 | Weblog

 昨日の事だった。買い物に出て、万歩計がすでに4000歩を超えていたので、奮発してバスで帰ることにした。駅のバス停からバスに乗った。運転手が「お客さん、マスクしてください」と言った。私に言ったと思ったが、私はマスクをしていた。私の背後に私と同年代の男性がいた。彼はマスクをしていなかった。「うるせえ」 そう言って平然とバスに乗り込んだ。バス車内がシーンと静まり返った。運転手はそれ以上何も言わずにバスを発車させた。

 バス停でバスを降りた。家に帰る途中にある魚屋に寄った。刺身の盛り合わせを買っていこうと思った。店の前に貼り紙がある。「店内にはおひとり様で。順番にお願いいたします」店の中にすでに客が買い物をしていた。私は道路に貼られた先頭の2足の足型の上に立って待っていた。やはり私と同年配の女性が、私を押しどけるようにして、店に入っていった。イチゴのパックを持ってレジの前に立った。私が「並んで待っています」と店の外から声をかけた。「怒らなくてもいいでしょ」と彼女が言った。「怒ってなんていません。この貼り紙にひとりずつと書いてあるでしょう」「店の人だと思ったんです」 訳の分からない会話になった。その時、気が付いた。この女性私と同じ集合住宅の住む人だと。お互いマスクしている。私はパンパンのリュックを背負って耳当て付の帽子を被っていた。女性は私が同じ集合住宅の住民だとわかっていないようだった。女性は舌打ちして、その場を離れて行った。戻った集合住宅の玄関から、私の先を歩いていた、あの女性が中に入っていった。同じ集合住宅に、こんな女性が住んでいることを悲しく思った。

 バスの男性、魚屋の女性。二人ともいい歳である。コロナも恐いが、このような老人も恐い。こんな時だからこそ、他人に不愉快な思いをさせないように、コキゾウは規則や常識を守って暮らしていたいと学んだ。

 


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お茶がコロナに効く

2021年01月20日 | Weblog

  私には持病がある。40歳で糖尿病と診断された。50歳で糖尿病の合併症である狭心症で心臓バイパス手術を受けている。今回のコロナ禍では、65歳以上で基礎疾患を持つ人には、特別な警戒が呼びかけられている。私は、間違いなくその1人だ。

 毎日多くの薬やサプリメントを服用している。多くの薬は、効いているのかいないのかの自覚がない。3年前に糖尿病の薬を替えた。主治医が「この薬を服用すると、尿の回数が増えます」と言った。私は塾で教えていた頃、トイレを長時間我慢しなければならなかった。そのせいかトイレに行く回数が少なかった。糖尿病の薬を替えた直後から、回数が増えた。久しぶりに薬の効果を実感できた。頭痛を押さえる薬や抗生剤なども私に良く効く薬だ。そういう時は、素直に嬉しくなり、薬に感謝する。

 コロナ禍は益々悪化してきている。ワクチンはいくつか世界各地で接種が始まった。だがコロナに効く薬は、まだ開発されていない。世界中の製薬会社や医学者薬学者が研究実験を日夜重ねていてくれることであろう。良い結果を待つ。

 そんな中、私はあれが効くこれも効果があるのではという研究や噂や民間療法や宗教の動きに関心を向ける。広島の被爆者の治療にあたった医師から直接話を聞いたことがある。広島大学の医学部の研究チームが論文を発表した。効果は認められているという。

  ヨーロッパや北米での感染者数や死者数と比較すると、日本はまだ少ないほうである。医学者や医師が日本人にはXファクターや予防接種の効果があるとか言っている。私は科学的な知識がない。しかし日本人の生活様式が西洋と違うことに着目する。マスク着用が習慣化されている。玄関で靴を脱ぐ。握手、抱擁、接吻などの接触が少ない。日本茶をよく飲む。神経質で完全主義的で潔癖症的傾向がある。国民と違って、日本の政府には、完全主義的でも潔癖症的でもないようだ。

  大阪府知事が以前イソジンの効果を強調した。店からイソジンが消えた。いかに国民が何かコロナに効くモノを探し求めているかということだ。続々とこのような話が続いている。最近、新型コロナウイルス感染に関しても、奈良県立医大の研究チームは、お茶の効用を発表している。またモンゴルではコロナ感染者数が少ないことから、モンゴル人がラクトフェリン(母乳にも含まれている成分で馬、ラクダ、羊、ヤギ、牛の乳にも含まれる。モンゴル人は馬の乳を好み馬の乳には牛乳の100倍のラクトフェリンが含まれているという)を多く摂っているのが原因だと女子栄養大学の研究チームが発表している。

  コロナに対して宗教がどういう動きをしているかを、創価学会と幸福の科学を取り上げて比較している記事にも興味を持った。世界でもユダヤ教の原理主義者やイスラム教徒の行動言動に関心を持つ。キリスト教では多くの教会で、この世の終わりが来て、キリストの再臨が近いと信者に訴えているという。

  毎朝出勤する前に妻は、私のためにお茶を用意して行ってくれる。コロナに効くということではない。妻はサプリメントや民間療法に懐疑的である。妻の留守の間、私は妻が淹れてくれた冷めたお茶を飲む。私は猫舌なのだ。ほぼ全部飲み切ると、そろそろ妻の帰宅時間になる。コロナ前からの変わらぬ私の一日である。


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恥を知れ Shame on you.

2021年01月18日 | Weblog

  日本人は“恥の文化”を持つと言われている。十代後半から異文化圏であるカナダの学校で学べた。日本との違いを多くの事から、実際に経験した。英語で「恥を知れ」を「Shame on you.」と言う。そう滅多に聞ける言葉ではなかった。

 学校が休みで知人の家に滞在していた。その家族の子供の一人が、他の子の物だか金を盗ったことが父親に知れた。父親は別室でその子を問い詰めた。白状した。すると大声で「Shame on you.」と言って“spank”(お仕置きの1種で尻を出させて、鞭やベルトで叩く)した。その滞在は、重苦しいものになった。あの時の“shame on you”の大声とベルトで叩く音と子の叫びが忘れられない。

 1月6日アメリカの首都ワシントンの連邦議会議事堂をトランプ大統領の支持者たちが暴徒化して一時占拠した。5人の死者が出た。真相は明らかにされていない。しかしトランプ大統領のリーダーシップには問題があったのは事実である。スパンクされたあのカナダの子供の顏とトランプ大統領の顏が重なる。

 


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妻のとった最大のリスク

2021年01月14日 | Weblog

 コロナ禍で妻の給料が2度にわたって減額された。妻はコロナを心配しているが、収入の激減にも不安を感じている。

 私は、そんな妻に提案した。遠距離通勤も大変なので、開業するか、近所の病院への転職を考えてみたらと。ところが思わぬ返事が返ってきた。「私はリスクをおかしたくない。」

 妻は月給取りの娘。私は職人の自営業の息子。共に貧しい家庭だったことに於いては共通している。妻の母親の口癖は「お金がない」だったそうだ。妻はそれを聞くのが嫌だった。私の親も金には困窮していた。定収入がなく、それこそ日銭稼ぎの毎日だった。妻の家庭では定収入の範囲内での慎ましい生活。私の家庭では、行き当たりばったりの不安定な生活だった。よく親が子に影響を与えることができるのは、宗教と政治ぐらいだと言われる。私はそこに、家計も加えて欲しい。妻は何事にも慎重のリスク回避派。一方私は当たって砕けろの、自らリスクを招く炎上派。

 妻は言った。「私がとった人生の最大のリスクは貴方との結婚だった」 私は返す言葉がない。バツイチで二人の子持ち。リスクと呼ばず、何と呼ぶ。そんな二人も結婚して30年を迎えようとしている。

 


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豪雪と寒さ

2021年01月12日 | Weblog

 一昨日から日本側が豪雪と強風に襲われている。最初の頃、高速道路に除雪車がでて、2台並んで作業をする光景が、テレビのニュースに映っていた。「あれ、どこかで見たな」 そういえば、去年の2月、まだコロナの感染が拡がる前、北陸へのパックツアーに参加した。上越新幹線で越後湯沢まで行き、そこからバスで北陸3県を巡った。湯沢から雪が降り出し、北陸高速道路では、除雪作業車の後をゆっくりバスが進んだ。(2020年2月バスツアー北陸高速道路)あの光景と今回の豪雪が重なった。

 私が留学したカナダの学校は、極寒地にあった。雪は9月の新学期が始まるのを、待っていたかのように降り出した。6月の卒業式も雪が降った。気温はマイナス47度を経験した。普段マイナス20~30度が平均気温だった。朝マイナス30度で日中マイナス10度になると温かく感じた。今住む町で今朝2度だった。寒くてふるえた。あのカナダのマイナス40度とかは何だったのだろう。若かっただけかも。

 カナダの学校近辺の雪は、粉雪で気温が低いせいか、砂のようだった。風が強いので吹き溜まりはできるが、あたり一面に雪が積もることはなかった。雪合戦はできなかった。固めようとしてもボールにならなかった。日本の雪は、水分が多く気温もせいぜいマイナス10度くらいなので積もりやすい。この大雪で新潟県上越市では2メートル以上の積雪を記録した。

 先日、東北で高速道路に多くの車両が閉じ込められた。そして今度の北陸での閉じ込め。雪の質のこともあるが、民営化されたとはいえ、旧日本道路公団の組織による問題も見え隠れする。天下り人事では、日本のリスク管理は無理。今回の閉じ込めは、天災でもあり、人災でもある。いでよ、雪ニモ負ケナイ、コロナニモ負ケナイ、できる有能なリーダー!

 


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自分の言葉

2021年01月08日 | Weblog

  1月7日夕方、菅首相によって1都3県に再び緊急事態宣言が出された。菅首相の事務的な、まるで記者会見の時と変わらぬ話し方に、この先への希望を感じることはできなかった。日本の政治屋さんも官僚も、記者会見の時、投げかけられた質問に、まっすぐな答えを返さない。はぐらかし戦術。一方「キッチリ」「シッカリ」「絶対に」が多用される。結果が出れば、知らん顔。責任という言葉は存在さえしない。特に菅首相は、首相就任前、長い官房長官時代に、今の答弁の仕方が身についてしまった。加藤現官房長官しかり。日本には、オオカミ少年のような政治屋さんがまかり通る。

 菅首相の宣言を聴いていて思った。こんな緊急事態、もし田中角栄元首相だったら、小泉純一郎元首相なら、どう国民に語りかけただろう。たらねばを言っても始まらない。現政治屋を選んだのは、国民の私たちである。政治家とは、言葉を愛と科学で包んで発し、国民を納得させられる指導者であるべきだ。

 作家の村上春樹が、このところの菅首相の話し方について書いている。「自分の言葉で語ることができなかった。政治家自身のメッセージを発することができなかった。それが最悪だと思います」

 


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杖と腰痛ベルト

2021年01月06日 | Weblog

  なんと元日から腰痛に見舞われた。立ったり座ったりが痛くて声を出すほど。朝の着替えは、ひと仕事になった。靴下などは、どうやってもはけない。妻は、介護してくれる。腰を曲げ、頭を下げて、靴下をさっとはかせてくれる。ありがたい気持ちもあるが、妻の動作が羨ましくなる。情けないが、コロナ禍で外出もままならないので、家でおとなしく治るのを待っている。

 すでに5日たったが、いっこうに改善しない。まるでおとぎ話に出て来る国の王様のように妻に介護してもらっている。3日までは妻の年末年始休暇だったので、一日中あれこれ手伝ってもらったが、4日からは日中、私一人になった。朝妻の助けで腰痛ベルトを巻いてもらう。相撲取りがマワシを巻くようだ。息を吸って、腹を引っ込める。妻は力一杯ベルトを伸ばしてマジックテープを止める。激痛が走る。しかしベルトを巻くと、痛みが激減する。杖を使えば、歩くのも楽になる。

 当たり前の事がコロナで当たり前でなくなった。ベルトをきつく巻いているせいか、お通じが元日から途絶えた。体に問題が発生すると、日課が乱れる。政府行政に問題があると、国民の生活が荒れる。国民には、私の腰痛時の杖と腰痛ベルトのような効果がある政策が必要である。

 


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ここはどこ?まさかアフリカ!

2021年01月04日 | Weblog

  1月1日元旦に第65回全日本実業団駅伝のテレビ中継を観ていた。第2区は8.3㎞。3区への中継所に入ってくる選手が映った。あらっ!目を疑った。ここは私が2年半暮らしたアフリカのセネガルなの、と。なぜならば映っていた選手が皆アフリカ出身のように見えた。

 アフリカのセネガルは、妻の2か国目の赴任地だった。海岸の一部が野外ジムのようになっていて、毎朝大勢のセネガル人が体力づくりを熱心に行っていた。日本のジムのような設備は、なかった。道具や器具はほとんど使っていなかった。砂浜を走る人もいた。

  日本大使館主催で駅伝大会が開かれた。セネガルチームが圧勝した。アフリカ人の運動神経と身体能力を見せつけられた。

  アフリカには今、中国が深く進出していて、経済援助など活発に行っている。日本も地道だが、アフリカに貢献している。駅伝やマラソンを通して、多くの留学生や社会人が日本に滞在している。この事は、いつか中国とは違った形で、実を結ぶと、私は信じている。


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