孤帆の遠影碧空に尽き

年に3回ほどアジアの国を中心に旅行、それが時間の流れに刻む印となっています。そんな私の思うこといろいろ。

東南アジア諸国の新型コロナ対策 タイ・マレーシア・シンガポール・フィリピン

2020-03-21 22:25:49 | 東南アジア

(【3月19日 FNN PRIME】 18日夜、バンコク・カオサン通りに警察が指導に入った時の画像ですね。 不鮮明な写真ですが、数日前までこのあたりをウロウロしていましたので、よくわかります。この店は通りから階段上にテーブル等が並んだ、カオサンでもひときわ目立つ店で、主にアルコール類を出していたように思います)

【タイ バンコクの商業施設閉鎖】
18日深夜のフライトでタイから帰国しましたが、タイでは新型コロナウイルスの死者は1名ですが、感染者数は21日には前日比89人増の411人と急増しています。

そんなタイでは、一昨日ブログでも書いたように18日から全国の学校とバンコク首都圏の娯楽施設が14日間閉鎖されることなりました。

その帰国日18日の夜、いつも欧米系旅行者で溢れているカオサンの通りをのぞくと、休業要請がなされているマッサージ店の呼び込みがなくなった以外は、それまでとあまり変わらないようにも見えました。

しかし、その後、警察車両が入ったようです。

****感染拡大のタイ 緊急取材 マッサージ店閉鎖 街から人が...****
2019年は年間160万人もの日本人が訪れた、観光大国・タイ

新型コロナウイルスの感染者は、3月19日までの直近4日間で連続30人以上にのぼっている。
こうした中、タイ政府は日本人観光客にも人気があるマッサージ店の閉鎖に踏み切った。

街中のあちこちにある店舗は閉店していて、ズラリと並んだマッサージチェアには日本人客の姿はない。
そこにいたのは、タイ料理を食べる女性スタッフのみだった。(中略)

タイ政府はマッサージ店のほか、バーやパブなども14日間の閉鎖対象としている。
世界中からバックパッカーが集まる「カオサン通り」には3月18日夜、警察車両が登場した。

警察官「18日から3月31日までサービスの提供を止めてください」
警察の指導を受け、慌てて閉店する店が相次いだ。

そのタイでは、いわゆる“新型コロナ保険”の加入者が急増している。
タイでは、社会保障が日本のように整備されていないことから、医療保険が“転ばぬ先の杖”としての備えとなっている。

現地の「サイアム商業銀行」では、2週間で約10万人が“新型コロナ保険”に加入したという。

その加入者に話を聞くと...。
“新型コロナ保険”に加入した女性「何かあったとき、医療費をまかなうために加入しました」
タイ政府は3月21日から、日本からの渡航者に健康診断所(ウイルス検査陰性証明含む)の提出を義務付けるという。(後略)【3月19日 FNN PRIME】
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旅行中、ガイドの女性に「ショッピングモールや通常のレストランは? 今は大丈夫でもそのうち閉鎖になるよ」と話していたのですが、実際、そのようにも。

****バンコク、4月12日まで商業施設を閉鎖へ…在留邦人5・5万人****
タイの首都バンコクは21日、新型コロナウイルスの感染拡大防止策として、22日から4月12日の間、商業施設を閉鎖すると発表した。食料品店や薬局など生活必需品の購入に必要な店の営業は認める。

バンコクにはアジア最多となる5万5081人(2018年)の在留邦人が暮らしており、生活への影響が懸念される。
 
発表によると、飲食店については、持ち帰りか宅配の営業のみ許可する。違反した場合は1年以上の禁錮刑などが科される。また、民間企業に職員の在宅勤務を認めるよう求めた。

タイの感染者数は21日、前日比89人増の411人と急増した。外出制限を含む非常事態宣言が近く発令されるとの情報もある。【3月21日 読売】
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18日で観光を終了したのは、ギリギリのところだったようです。

【マレーシア イスラム教集会で集団感染拡大 不法移民ロヒンギャの存在も対応を困難にしている要因】
東南アジアではマレーシアが、感染者について3月20日には新たに130人増えて、ついに1000人を突破しました。
マレーシア政府は、住民の外出を原則禁止した「活動制限令」を出して抑え込みに必死ですが、いまのところウイルスの勢いが勝っているようです。

****マレーシア外出禁止令で国軍動員 22日から****
マレーシア政府は20日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、住民の外出を原則禁止した「活動制限令」を徹底させるため、22日から国軍を動員することを決めた。
 
マレーシアでは18日、2週間の活動制限令が施行され、日用品の買い出しなどを除き、外出が禁止された。スーパーや薬局など生活に不可欠な店舗以外は休業。飲食店は食品の持ち帰りに限って営業が認められている。
 
マレーシア警察は一部の道路を封鎖し、住民に自宅にとどまるよう呼び掛けていたが、順守しない人が後を絶たず、政府は態勢の強化が必要と判断した。
 
同国では東南アジアで最多の900人が感染。【3月20日 共同】
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ウイルスの勢いが勝っているというか、要請に従わない住民が多いというのが実態のようにも。
特に問題となっているのは、韓国同様宗教儀式。
マレーシアの場合はイスラムです。

****イスラム教集会で集団感染…マレーシア全感染者の6割超に****
東南アジアのマレーシアで新型コロナウイルス感染者数の急増が止まらない。
3月20日には新たに130人増えて、ついに1000人を突破した。

感染者の半数以上は首都クアラルンプールのモスク(イスラム教礼拝所)で行われたイスラム教のイベントが原因だった。多くの外国人や不法移民が参加していたため、当局による追跡も難航している。

(中略)クアラルンプールにあるスリ・ペタリンモスクで2月27日〜3月1日、イスラム教の団体「ジャマアト・タブリーグ」による集会が開かれた。国内外の1万6000人が参加した大規模イベントだったが、後に集団感染が発覚した。

マレーシア当局が20日までに把握した国内感染者1020人のうち、624人が集会参加者だと判明。6割以上が当該イベント関連で、事態は深刻だ。

なぜこんなに拡大したのか?
イスラム教の集会でなぜ大規模な集団感染が発生したのか。
当時のモスク内の写真からは、数百人のイスラム教徒がひしめき合い、肩を寄せ合いながらお祈りをする様子が見て取れる。

イスラム教徒は集団礼拝の際、悪魔が入り込まないように信者が密着しながら礼拝を行う。また信者たちは4日間にわたり寝食も共にし、食べ物のプレートを複数人で分け合って手づかみで食べていた。

相当数の信者が、密閉された空間内で濃厚接触状態に置かれていたため、新型コロナウイルスは爆発的に感染拡大した。 

東南アジア各国に拡散中
このイベントにはマレーシア以外の東南アジア各国からも信者が集まっていた。参加者は母国に帰国後、相次いで新型コロナウイルスに感染していたことが発覚している。

3月20日までに、少なくともブルネイで60人以上、カンボジアで20人以上、インドネシアで13人、タイで8人、シンガポール5人の感染が確認された。各国はイベント参加者を必死で追跡している。

マレーシア当局が抱える難題
マレーシア当局も国内の参加者を追跡中だが、大きな課題が立ちはだかっている。それは参加者のうち約2000人が、国内に滞在する不法移民だったとみられるからだ。

マレーシアには、ミャンマーのラカイン州から逃れてきたイスラム教少数ロヒンギャが10万人以上住んでいるとみられる。そのロヒンギャがイベントには約2000人参加していた。

彼らのほとんどは不法滞在者であるため、たとえ新型コロナウイルスに感染し発症したとしても申告する可能性は低い。なぜなら不法移民として当局に摘発されるリスクがあるためだ。また、正確な住所などを把握するのも難しいため、追跡は難航している。

他の場所でも大規模集会が…
マレーシアで集団感染を引き起こしたイスラム教団体「ジャマアト・タブリーグ」は、集団感染発覚後も、別の国で大規模集会を開こうとしていた。

インドネシア・スラウェシ島には18日、「ジャマアト・タブリーグ」が企画した宗教イベントに参加しようと約9000人もの信者が集結した。スラウェシ島の地元当局はイベント中止の判断を下したものの、現地には既に大勢の信者が集まり、濃厚接触状態となってしまっていたため、判断は遅きに失した。感染者が仮にいた場合は、集団感染に発展するリスクが高い。

韓国では新興宗教団体で集団感染が起き、感染者が急増した。東南アジアでも既に宗教イベントが原因で集団感染が発生しているが、一方で現在も金曜礼拝など人が多く集まる行事を続ける国もあるため、集団感染が再び起きるリスクが存在している・【3月21日 FNN PRIME】
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【シンガポール 個人生活に踏み込んだ強硬・迅速な対応で国内外の高い評価】
マレーシアの隣国シンガポールは、17年前のSARS対策で後手にまわった反省から、今回は素早い初動対応で国内外の高い評価を得ています。
強権的な統治に批判的な国民も少なくありませんが、コロナ対策については政権対応を評価しているようです。

****ウイルス封じ込めの優等生シンガポールに注目集まる-日韓とは対照的****
感染症例96件を報告しているシンガポールだが、死者はいない 
「個人的自由よりコミュニティーと社会のニーズを重視」との分析も 

新型コロナウイルスの感染拡大が欧州や中東、米国で加速しつつある一方で、封じ込めに成功しているように見える国がアジアにある。シンガポールだ。
  
感染症例96件を報告しているシンガポールだが、死者はいない。感染ペースも鈍化しつつあり、世界的に注目されている。
  
一流の医療制度や極めて厳しい追跡・封じ込め措置、人口もそれほど多くなく、国民が政府の包括的な指示をおおむね受け入れるというシンガポールの特性が組み合わさり、ウイルス対策が有効に働いている公算が大きい。
  
(中略)シンガポールでの感染例はまだ徐々に増えてはいるが、もはや感染が始まった中国を除く最悪の国ではなくなった。(中略)
  
スローンケタリング記念がんセンター(ニューヨーク)の感染病管理専門家ケント・セプコウィッツ氏は「個人的な自由よりコミュニティーと社会のニーズを重視する意向が強いようだ。このことが公衆衛生危機で役立っている」と話した。

断固たる対応
中国および韓国の一部に最近渡航したことのある全員の入国を最初に制限し始めた国の一つがシンガポールだ。感染した可能性がある患者を病院と自宅で厳格に隔離するやり方を定めるとともに、そうした人々と接触した可能性のある人も広範に追跡している。
  
シンガポールはまた、渡航履歴を虚偽申告したカップルを摘発、隔離措置に違反した男性の在留資格を剥奪するなどの罰則も科している。
  
シャンムガム法相は声明で、ルール違反者に対し「強い行動を取ることをためらわない」と表明。「今の状況では、意図的なルール破りは即時かつ断固たる対応につながる」と指摘した。
  
シンガポールの一貫した強硬な姿勢は、同じように中国に近い他の国々とは対照的だ。感染例と死者数が増え続けている日本と韓国はいずれも、ウイルス拡散の封じ込め措置が緩く遅いと批判されている。【2月28日 Bloomberg】
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中国・武漢市に比べると、面積は10分の1より小さく、人口はほぼ半分で、封じ込めが容易であるという特性も影響していますが、個人生活に踏み込んだ徹底した追跡調査などが奏功しており、国民もこれを容認しています。

****スマホで接触者探し=政府がコロナ対策アプリ提供―シンガポール****
シンガポール政府は20日、新型コロナウイルス対策の一環で、感染者との濃厚接触者を迅速に探し出せるスマートフォン用アプリの提供を始めた。

アプリを搭載した各スマホに残るデータから、「感染者と最近、2メートル以内で30分以上接近した人」(保健省)を割り出せるという。
 
接触者探しはこれまで、感染者への聞き取り調査が中心。記憶が曖昧だったり、接触相手が不特定多数だったりして、感染経路解明が困難なケースも多かった。
 
新アプリを活用すると、当局者は感染者のスマホのデータから行動経路を調べ、見つけ出した接触者と連絡を取れる。接近距離はブルートゥース(無線通信)で推定する仕組みだ。
 
プライバシー侵害の懸念もあるが、政府は、行動履歴は利用者のスマホ上に保存され、同意がなければ提供されないので、個人情報は保護されると主張した。【3月21日 時事】
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【フィリピン マニラ首都圏の封鎖 外国人の入国拒否】
フィリピンでも、最近感染者数が増加傾向を見せています。

*****新型コロナ感染者230人に、死者は1人増****
フィリピン保健省は20日、国内の新型コロナウイルスの感染者数が同日正午時点で230人に増えたと発表した。前日から13人増え、2桁増が続いている。 新たに65歳のフィリピン人男性が死亡し、死者は計18人に増えた。(後略)【3月20日 NNA ASIA】
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この状況に、ドゥテルテ大統領は厳しい対応をとっています。

****マニラ首都圏で夜間外出禁止令、大統領の首都圏の封鎖の発表を受け、進出日系企業は対応に追われる****
ロドリゴ・ドゥテルテ大統領は3月12日、マニラ首都圏を3月15日~4月14日まで封鎖し、首都圏の内外における陸路、空路、海路での往来禁止を発表した。

その措置の一環として、マニラ首都圏開発局(MMDA)は3月14日、マニラ首都圏における午後8時~午前5時までの外出を3月15日~4月14日の期間、禁止する旨を発表した(3月14日付フィリピン国営通信ほか)。

ただし、医者、医療従事者、食品宅配業者は夜間外出禁止の対象外とし、マニラ首都圏の住民が食料品や医療品を購入するために外出することは許可するとした。

さらにマニラ首都圏の市長で構成されるマニラ首都圏委員会(MMC)は3月14日、首都圏のショッピングモールに対して、3月15日~4月14日まで閉鎖することを求めると発表。ただし、銀行、食料品店、薬局、医療施設、配達サービス付きのレストランは閉鎖の対象外とするとした。

ドゥテルテ大統領によるマニラ首都圏の封鎖の発表を受け、進出日系企業は対応に追われている。(後略)【3月18日 JETRO】
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****フィリピン、外国人の入国拒否へ 例外なし、感染防止に「不可避」****
フィリピンのロクシン外相は19日、新型コロナウイルスの感染拡大防止策として、全ての外国人の入国を拒否する方針を表明した。国内外でビザ発給を一時停止する。同日中にこうした措置を始めるとしている。
 
ロクシン氏はツイッターで「例外なく、全国籍の外国人の入国を全面禁止する。(感染拡大防止の)不可避のステップだ」と強調した。フィリピンから出国する外国人については「出て行くためのあらゆる支援がなされるべきだ」として制限しない考えを示した。
 
フィリピンのニュースサイトによると、少なくとも100の国がフィリピンへの入国に際しビザを免除されている。【3月19日 共同】
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入国規制・移動規制に伴って航空会社フライトも止まりますので、出国したくてこ出国できな状況にもなります。

****新型コロナ感染拡大 セブ島で日本人足止め****
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、多くの日本人留学生が滞在するフィリピン中部セブ島では、国際線の運航が制限され一部の日本人が足止め状態となっている。

セブ島では、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、夜間の外出禁止令が出ているほか、国内線に加えて日本への直行便を含む国際線の多くが欠航している。現地の日系の語学学校によると、日本人留学生の多くが帰国できない状況にあるという。

セブ島で語学学校経営・石原智之さん「フライトが取れない、チケットを持っていてもキャンセルになってしまう。1か月以上寮を開放してそちらに住んでいただく」

1000人以上の日本人が帰国を希望していて、現地の日本人会が地元の航空会社に働きかけ、20日から順次チャーター便で帰国できるよう手続きしているという。【3月20日 日テレNEWS24】
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インドネシアでは・・・、ベトナムでは・・・と話は尽きませんが、長くなるで今日はここまで。

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アメリカ  新型コロナ感染拡大で様変わりのトランプ政権と国民生活

2020-03-20 22:32:12 | アメリカ

(14日、米シカゴの国際空港に到着し、長蛇の列を作る人たち=AP。米国が11日に欧州の大半の国からの入国を制限すると発表したこともあり、この日は旅行者が殺到した。【3月20日 朝日】)

【全土で感染者1万人超え カリフォルニア州では外出禁止令】
新型コロナウイルス感染拡大の主戦場は東アジアから欧州に移っていますが、アメリカの感染拡大も急速に進んでいます。

(なお、公式に感染者数増加が報じられる上記以外地域でも、昨日とりあげた東南アジア・インドのように、検知されないまま感染が広がる「サイレント・エピデミック」(静かな感染拡大)が進行している危険性が強く存在しています)

アメリカは、フランスともに感染者数が1万人を超えています。しかもここ数日の増加は急ピッチです。

****米、新型コロナ感染1万人突破 死者150人に増加****
米疾病対策センター(CDC)は19日、18日夕時点の新型コロナウイルス感染者が1万0491人と、前日から3404人増加したと発表した。死者も53人増え、150人に達した。【3月20日 ロイター】
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特に危機感を強めているのがカリフォルニア州で、全土に外出禁止令が発令されています。

****米カリフォルニア州全土に外出禁止令=4000万人対象―新型コロナ****
米西部カリフォルニア州のニューサム知事は19日、新型コロナウイルスの感染対策として、約4000万人の全住民に対し、食料の買い出しや通院など必要な場合を除き自宅にとどまるよう命じた。

感染が住民の半数以上に広がる恐れがあるとして、医療体制の崩壊を防ぐため、期限を定めずに大規模な外出禁止に踏み切った。
 
サンフランシスコ市と周辺郡が17日から住民の不要不急の外出を制限しているが、これを州全土に拡大した。重要インフラは維持し、食料品店、薬局、銀行などは営業を認められる。

米メディアによると、同州では900人以上の感染が確認されており、ニューヨーク州などに次いで全米で3番目に多い。
 
知事は、今後8週間でカリフォルニア州の人口の56%が感染するという予測を提示。病院の収容能力を2万人近く上回る入院患者が発生すると指摘し、「われわれが行動を変えれば、流行のピークを抑えることができる」と住民に協力を呼び掛けた。
 
また、米海軍の病院船マーシーを9月1日までロサンゼルス港に配備するよう要請する書簡を18日付でトランプ大統領に送ったことも公表した。もう1隻の病院船コンフォートは、多数の感染者が出ているニューヨーク市に派遣される見通し。【3月20日 時事】 
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“今後8週間でカリフォルニア州の人口の56%が感染するという予測”というのは、州内の感染者が現状のペースで増え続けた場合の話で、その予測の現実性はどうでしょうか?おそらく、最悪の仮定の話でしょう。
もし、人口の56%が感染したら感染者数は約2550万人となるとされています。

【「弱者」ホームレスの感染拡大の問題】
56%云々より現実性がありそうなが、州内に多く暮らすホームレスでの感染拡大、それがもたらす医療崩壊の危険です。

****米加州、8週間で6万人超のホームレスが新型コロナ感染の恐れ=知事****
(中略)ニューソム知事はフェイスブックに投稿した演説で、「今後8週間で、州内の路上で生活する10万8000人のホームレスのうち、罹患率が56%程度とすると、6万人超の感染者が出るとの結果となった。これは州民にとって、そして医療システムにとって大きな懸念となる」と述べた。

また、感染者のうち入院する人の割合が20%前後なので、感染者数がモデリング通りに増加すれば病院がパンク状態になると指摘した。【3月19日 ロイター】
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数字はここでも“罹患率が56%”の想定によるものですが、その数字自体はともかく、疫病に対しても貧困者やホームレスのような「弱者」は防災手段が限定されており(ホームレスの方に、頻回の手洗い・消毒をと言っても仕方がないでしょう)、一般の人々より高率の感染が予想されます。

また、ホームレスの感染以前の健康状態・栄養状態を考えると、感染後の重症化のリスクも高いように思われます。
そうした事態になれば、知事の懸念する医療崩壊も現実のものとなってきます。

【一転して矢継ぎ早の対策を急ぐトランプ政権】
急速に拡大する感染を目の当たりにして、これまで楽観論に終始していたトランプ大統領は持ち前の“変わり身の早さ”を見せています。

****トランプ氏が主張一転「ずっと前からパンデミックと…」****
トランプ米大統領は17日の会見で、新型コロナウイルスの感染拡大について「パンデミックと呼ばれるずっと前から、私はこれがパンデミックであると感じていた」と述べた。

これまでは「米国は制御できている」などと楽観的な発言が目立っていたが、米国内の状況が深刻化するなか、「脅威を過小評価してきた」との批判をかわす狙いがあるとみられる。
 こ
れまでトランプ氏は「うつりやすいウイルスだが、我々は素晴らしく制御できている」(15日の会見)などと自信を見せていただけでなく、コロナ対応を巡る政権批判は民主党の「新たなでっち上げだ」(2月28日の集会)などと語っていた。

ところが、3月16日の会見で一転して「世界のどこでもコントロールできていない」と、米国でも拡大を抑え込めていないことを認めた。
 
17日の会見では、感染拡大の脅威を認めるようになったのは、「米国内の死者が最悪の場合は100万人規模になる恐れがある」との予測が影響したのか、と質問が出た。トランプ氏は「(自分の姿勢は)変わっていない。真のパンデミックであることはずっとわかっていた」と否定した。
 
世界保健機関(WHO)は今月11日、コロナウイルスの感染拡大を世界的な流行を意味する「パンデミック」の状態と認定した。【3月18日 朝日】
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「やれやれ・・・・」といった感もありますが、最近トランプ大統領がしきりに中国の初期対応における透明性の欠如を批判したり、「中国ウイルス」といった言葉を使ったりしているのは、責任を中国に押し付けようとの姿勢でしょう。(中国の初期における隠蔽の問題は、それはそれとして重大ですが)

結果、国民批判の矛先が中国・アジアに向く危険性が増します。
NYで「コロナヘイト」続発…マスクないアジア人に罵声、暴行も”【3月19日 読売】

トランプ大統領の話はともかく、アメリカもようやく新型コロナ対策を本格稼働させています。

****トランプ氏、国防生産法を発動へ 民間企業に人工呼吸器など生産指示可能に****
トランプ米大統領は18日、ホワイトハウスで記者会見し、新型コロナウイルスへの対応で必要な人工呼吸器やマスクなどの確保のため、民間企業に増産を求める「国防生産法」を発動する考えを示した。

また、米海軍が管理する「病院船」2隻を、ウイルス対策に追われる病院の補完のために活用する方針も発表した。
 
国防生産法は朝鮮戦争で必要な物資を確保するため1950年に制定された法律で、民間企業に特定物資の生産を指示する権限を大統領に付与する。戦争だけではなく、大規模災害などでも適用が可能と解釈されてきた。

トランプ氏は「人工呼吸器は大量にあるが、いまだかつてないほどの数が必要になっている」などと語り、必要があれば増産を求めると強調した。(後略)【3月19日 毎日】
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国境管理も規制を強化しています。

****アメリカ・カナダ国境一時閉鎖 トランプ大統領「ウイルスとの戦争状態」****
アメリカのトランプ大統領は、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、カナダとの国境を貿易などを除き、一時的に閉鎖すると発表した。

トランプ大統領は18日、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、カナダとの国境を30日間閉鎖すると発表した。

不要不急の人の往来が対象で、貿易など物流は続けるとしているが、経済面の影響は避けられない状況となっている。【3月19日 FNN PRIME】
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カナダとは合意の上での決定で、カナダのトルドー首相はオタワで記者団に、娯楽や観光目的で米国との国境を越えることはもうできないと述べたうえで「2国間のサプライチェーンを維持することが極めて重要だと、両国政府は認識している。食料、燃料、命を救うための医薬品がどちらの国の人々にも確実に行きわたるようにする」と語っています。【3月19日 ロイターより】

メキシコとの国境については閉鎖しませんが、違法入国者をメキシコに即時送還させるための法令を施行する方針を示しています。【3月19日 ロイターより】

また、日本を含むほとんどの国で、ビザの発給業務を一時的に停止すると発表。

****アメリカがビザ発給一時停止 日本含む約100カ国で****
(中略)アメリカ国務省は18日、各国のアメリカ大使館などで行うビザの発給業務を、ほとんどの国で一時的に停止すると発表した。

ビザ発給業務再開については、「できるだけ早く再開するが、現時点で具体的な見通しは立っていない」と説明していて、各国大使館のウェブサイトをチェックするよう呼びかけている。

東京にあるアメリカ大使館によると、面接が必要なビザの発給は、19日から停止されるが、観光など短期滞在のビザ免除制度は対象外で、影響は受けないという。【3月19日 FNN PRIME】
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更に自国民の海外渡航も中止を勧告。

****米国務省、国民に海外渡航中止を勧告 帰国も促す****
米国務省は19日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、世界全域を対象に、4段階の警戒の最高レベルの「レベル4」(渡航中止)を発令した。

これに伴い、全ての海外渡航を中止するよう米国民に勧告し、海外に滞在する米国人も原則として、直ちに帰国の準備をするよう求めた。
 
レベル4の警戒は通常、戦争が続いていたり、米国と国交がなかったりする国が対象。強制力はないが、国務省として渡航中止を強く求める内容となる。新型コロナウイルスの感染をめぐって国務省はこれまで、中国やイタリア北部など一部地域をレベル4とし、世界全域は「渡航の再検討」を求めるレベル3の警戒を出していた。
 
国務省は19日の発表で、期間を定めずに海外に滞在する用意がある米国民を除き、帰国するよう求めた。また、多くの国が渡航制限や隔離などの措置を取り、国境閉鎖も相次いでいることを踏まえ、「海外に渡航すれば、当面は米国に戻れない可能性がある」と指摘した。【3月20日 朝日】
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また、経済対策として「現金給付」の提案も。
17日、ムニューシン米財務長官は共和党上院議員らに対し、新型コロナウイルス対策で行動しなければ、米失業率は20%に達し、経済が長期的な打撃を受ける可能性あると警告していましたが、そうした事態に備えての対応です。

****トランプ政権、総額54兆円の現金給付提案 新型コロナによる失業など経済打撃緩和へ****
トランプ米政権が、新型コロナウイルス感染拡大を受けた経済対策として、総額5000億ドル(約54兆円)の個人への現金給付を検討していることが18日、米財務省が議会に提示した文書で判明した。

トランプ政権が検討中の総額1兆ドル(約107兆円)規模の経済対策第3弾の一環で、店舗閉鎖や失業などの経済的ショックを緩和する狙いがある。(中略)
 
このほか、渡航制限で打撃を受ける航空業界への緊急融資に500億ドル▽観光、レジャー産業などの業界支援に1500億ドル▽中小企業の資金繰り支援に3000億ドル――などが盛り込まれた。(後略)【3月19日 毎日】
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ニューヨーク州では、在宅勤務が義務付けられることになっていますが、いずれ、全国に波及すると思われます。

****米・NY州 企業や店舗に在宅勤務義務づけ****
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、アメリカのニューヨーク州では、州内のすべての企業や店舗に対し、在宅勤務の導入が義務づけられた。

ニューヨークのクオモ州知事は18日、州内のすべての企業や店舗に対し、在宅勤務の導入を義務づけると発表した。出勤する従業員の割合は50%未満にするよう指示している。スーパーや薬局など日常生活に不可欠な業種は除外するという。(後略)【3月19日 日テレNEWS24】
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なんだか、「あれもこれも」といった対応の慌ただしさですが、それだけ“尻に火が付いた”状況でもあるのでしょう。

【クオモNY州知事「今は共和党だの民主党だの言っている場合ではない。我々はひとつだ!助け合わなければ解決できない!」】
この困難に対し、これまでの「分断」を解消して、国民の一致団結した対応を求める動きも。

なお、下記記事の「自己効力感」という言葉は、私はあまり馴染みがありませんでしたが、「自分がある状況において必要な行動をうまく遂行できると、自分の可能性を認知していること」といった意味合いのようです。

****自己効力感の国アメリカが震えた日 “分断の国”はコロナでひとつになった****
自己効力感の国アメリカが震えた日
アメリカ人は「大丈夫、きっとできる」という自己効力感が非常に高い国です。一体どこにそんな根拠があるのかと思うような時でも、心配より自信が先に来ます。

私が移住して以来そんな国が震えるのを見たのは9.11以来今回のコロナで2度目です。「なんとかなる」の明るさが国民性のアメリカ人が、外出にはゴム手袋をし、社会的距離を置き、見えない敵に震えています。

(中略)でも今のワシントンDCはまるでゴーストタウン。3月13日に非常事態宣言が出て以来全ての文化的イベントはキャンセルとなり、3月16日以降は10人以上の集まりは禁止、レストランやカフェはテイクアウェイのみ。

映画館・ジム・劇場は閉まり、スーパーや薬局以外のお店はほとんど閉まっています。町の中心部にある3つの大学は休講で学生はすでに寮を出ていて閑散としています。2週間前とは大違いです。

天と地の差の2週間
それまでは死者が出たとはいえコロナはまだ「アジアの問題」という感がありました。手洗いやマスクをするよういち早く周知を徹底した日本とは違い、全くのんびりしていたのです。(中略)

ですがアメリカで最初のクラスターとなったワシントン州以外でも感染が確認されるに従い、コロナは徐々にアメリカでも人の話題に上るようになっていきます。

そして最初にCDC(アメリカ疾病予防管理センター)が作ったコロナ検査薬が機能せず 検査して欲しくても検査薬がないという状態に陥り人々が慌て始めたのです。

CDCのサイトには「症状があったらかかりつけの病院に電話して」とありますが、たったそれだけです。そこに追い打ちをかけるように感染が爆発的に拡大し非常事態宣言に至ります。

のんびりした日常からたった2週間の出来事でした。2月末のスーパーではアルコール消毒剤がBuy one get one freeでひとつ買ったらもうひとつおまけについてくる、というくらい危機感がなかったのに。

愛する人を守るために
1日で1200人以上の感染者が出るアメリカで、人々はパニックに陥ってこの国は機能しなくなってしまうのではないか?多くのアメリカ人がそんな不安を抱えていることと思います。ですがそんな時、「そうそう!これがアメリカよ」という声を聞くことができました。

アメリカでも最も感染が拡大している州の一つニューヨークのアンドリュー・クオモ知事(民主党)の言葉は3月17日に中継されて以来繰り返し放送されています。

「今は共和党だの民主党だの言っている場合ではない。我々はひとつだ!助け合わなければ解決できない!」は感動的でした。最初のイージーな対応を批判されているトランプ大統領だけど、今は真剣に取り組んでいるからその下に集結しよう。メッセージはとてもクリアで人々の心に刺さったと思います。

トランプ政権以来分断の国となったアメリカで、久しぶりに国がひとつになった感があります。(中略)

今はブルブル震えているアメリカだけど、強いリーダーシップと一人一人の愛する気持ちが一緒になって、きっとコロナに打ち勝つ!そう思わせる何かがこの国にはあるのです。やっぱり自己効力感の国だからかな。(後略)【3月19日 ボーク重子氏 FNN PRIME】
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東南アジア・インド 「サイレント・エピデミック」(静かな感染拡大)の懸念

2020-03-19 23:34:49 | 疾病・保健衛生

(バンコク中心部にある観光名所のエラワン廟(びょう)。新型コロナウイルスの感染が広がる前は、観光客でごった返していた=2020年1月1日

新型コロナウイルスの感染が広がった後、参拝者が激減した=2020年3月18日【3月19日 朝日】)

【タイ 軍を投入して消毒作業】
12日からのタイ観光を終えて、18日深夜のノックスクートで19日に関空に帰ってきました。
フライトが中止されることもなく帰国できて一安心。

タイでは、18日から全国の学校とバンコク首都圏の娯楽施設が14日間閉鎖されることになったこと、観光客が集まる寺院もクローズして消毒作業を行っていることは昨日ブログでも取り上げたところです。

18日の夜、外国人(ほとんどが欧米系)で賑わうカオサンに出かけてみましたが、マッサージの呼び込みがなくなったこと以外は、前日とあまり変わらないようにも。(あまり人ごみのなかに入りたくなくて、入口付近しか観ていないので、奥の方はわかりません)

テレビ撮影のクルーもやってきていました。

寺院の消毒は、17日の1日で終わったところも多いようで、18日に訪れた2カ所は平常通りの観光ができました。

ただ、対政府は軍も動員して街全体の消毒作業に乗り出したようです。
(プラユット首相のもとで、政府と軍は一体ですから、こういうとき軍を動員するのは容易でしょう)

****タイ首都 軍を投入し大規模消毒 コロナ****
タイの首都バンコクで、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、軍を投入しての大規模な消毒作業が行われた。

19日未明、首都バンコクでは、防護服を着てタンクを背負ったタイ陸軍の化学部隊の隊員ら約1000人が出動し、消毒作業にあたった。人が大勢集まる商業施設や駅、教育機関などの周辺道路を中心に消毒していく。交通渋滞を引き起こさないよう、未明から早朝にかけての作業となったが、今月末まで毎日行うという。

消毒作業責任者「この地区の住民や旅行者のためウイルスを消滅させる努力をする」

市民「何もしないでいるより、はるかに良いと思う」

タイではこれまでに212人の感染が確認され、1人が死亡している。【3月19日 日テレNEWS24】
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やはり、外国人入国規制も強化されています。

****21日以降、タイ渡航時に非コロナ感染証明・10万ドル以上の保険付保が必須に****
タイ運輸省傘下のタイ民間航空公社は3月18日、新型コロナウイルスの脅威が拡大しているとし、従来の感染危険国(中国、香港、マカオ、韓国、イタリア、イラン)に加え、日本の特定都市を含む感染拡大国に指定した11カ国(注)についても新たに入国時のガイドラインを発出した。

21日のタイ時間午前0時(日本時間午前2時)から有効となる。ガイドラインのポイントは以下の通り。

チェックイン時の必要書類
新型コロナウイルスの感染リスクがないことを証明する健康証明書。
当該健康証明書は、渡航日の72時間以内に作成される必要がある。

旅行保険:新型コロナウイルスを含む疾病治療費の付保が10万ドル以上でなければならない。

かかる2種類の書類が空港チェックイン時に提示できなかった場合は、航空会社は航空券を発券してはならず、また搭乗を許可してはならない。(中略)
発券後の手続き

(注)日本(北海道、東京、神奈川、千葉、大阪、愛知、京都、和歌山、沖縄)、フランス、スペイン、米国、スイス、ノルウェー、デンマーク、オランダ、スウェーデン、英国、ドイツ【3月19日 JETRO】
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【基幹産業の観光業打撃で市民生活に困難も】
観光が基幹産業でもタイですので、タイ政府は「タイは旅行の禁止、タイ国内の特定の都市および国自体の閉鎖は行わない。」とはしていますが、感染リスクがないことを証明する健康証明書云々ということになれば、すでに半減している外国人入国者は更に大きく減少するでしょう。

経済的には市民生活を直撃することにも。
そうした感染拡大、入国規制等の対応策、観光業への打撃は、タイに限らず、東南アジアに共通しています。

****「収入ゼロ…」強まる懸念 コロナ、東南アジアで急拡大****
新型コロナウイルスの感染が、東南アジアや南アジアで急拡大している。中国や韓国、欧州での大流行が波及する恐れが強まっており、アジア各国は外国との往来を厳しく制限し始めた。多くの日本企業が進出する地域で、経済への影響が特に懸念されている。
 
「事態は急速に動いている」。世界保健機関(WHO)東南アジア地域事務所は17日の声明で、東南アジアやインドで緊急の感染防止策が必要だと警告。複数の国で、イタリアなどのような大規模感染が起きる兆候があると指摘した。
 
同地域での感染者数は、中国で急増した1月から2月にかけては諸外国と比べて目立っていなかった。だが3月に急増。

WHOによると、東南アジア諸国連合(ASEAN)とインドの計11カ国で、17日時点で1574人。14日から17日の3日間で倍増したこともあり、各国は厳しい入国制限を取り始めた。
 
感染急増の背景には、当初は検査態勢が整っていなかったことや、感染者が少なかったことで当局が強い対策を取ることにつながらなかったことなどがあると指摘されている。
 
15日から16日にかけて感染者が倍増して553人になったマレーシアは、16日に政府が18~31日の間の外国人入国禁止を発表。それまでは中国からの渡航者を受け入れていた。18日時点での感染者数は790人に達した。
 
インドネシアも、16日から17日にかけて感染者が約1・5倍の172人に増えた結果、政府が17日、日本人などに認めてきたビザ免除や空港での到着ビザ発給を20日から1カ月間やめると発表。

ただし、事前にビザを申請して取得すれば入国できる。感染者が19人だった10日の時点で、WHOから「国家非常事態宣言も視野に準備を」とせかされ、国内には対応の甘さを批判する声もある。

旅行会社「収入、ゼロに近い」
新型コロナウイルスの感染拡大は、東南アジアの主力産業の一つである観光にも打撃を与えている。
 
観光業が国内総生産(GDP)の約2割を占めるタイでは、2月の外国人訪問者数が242万人と前年より約4割減った。中国人でにぎわうはずだった春節(旧正月)が空振りに終わり、欧米人にも人気の4月のソンクラーン(タイ正月)の連休は延期された。バンコクの旅行業者は「日本からのツアー申し込みも例年の半分程度しかない」と嘆く。
 
インドネシアで人気の観光地バリ島では、観光客が例年より2割ほど減っている。「感染者ゼロ」だった1月まではむしろ増えていたが、中国便の停止で暗転。3月初めに国内初の感染が判明すると、さらに客足が遠のいた。バリ州の観光局長によれば2月は前年比で5万人減り、3月も10万人は減るとみる。地元報道によると、中国人客で成り立っていた飲食店などでは、従業員の雇い止めが起きている。
 
11年の民政移管の後、観光業のGDP比が2・6%(11年)から6・8%(18年)にまで上昇したミャンマー。国内の感染者はまだ確認されていないが、ホテル観光省によると、今年の観光客は前年比の半分ほどに落ち込むとみられているという。観光客の4分の1を占める中国人観光客が50~80%減るとみられるのが大きい。
 
ヤンゴンで旅行会社を営むティントゥンさん(30)は「今月に入って収入は去年の1割程度に減った。中国を中心に4月の予約はキャンセルが相次ぎ、収入はゼロに近くなってしまうのではないか」と力ない声で話した。

世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)によると東南アジア地域では2018年、観光業がGDPの12・6%を占め、世界平均の10・4%を上回る。影響は計り知れない。

操業停止に追い込まれる例も
在留邦人や日系企業への影響も大きい。約9千人の在留邦人がいるインドでは政府の厳しい入国制限が始まり、出張などで出国すると再入国できなくなる恐れがある。日系企業は不急の出張や帰国を控えるよう社員に指示している。
 
約1900社の日系企業が進出するインドネシア。空港での到着ビザで日本から出張者が来る企業が多いが、20日から到着ビザが停止に。機械メーカーの担当者は「プロジェクトが遅れる」と懸念する。(後略)

〈おもなアジア諸国の外国人に対する入国制限〉
●インド 4月15日まで入国ビザを無効化(就労ビザなどを除く)
●インドネシア 20日から1カ月間、ビザ免除措置と空港での到着ビザ発給を停止
●シンガポール 中国やイタリアなど感染の特に多い7カ国からは入国禁止。その他日本などからの渡航者は入国後2週間の外出禁止
●タイ 中国やイタリアなど感染が広がった国・地域からの渡航をビザ発給停止などによって制限。
●ベトナム 18日から30日間、ビザ発給を停止
●マレーシア 18日から31日まで、入国禁止。国民の出国も禁止 【3月19日 朝日】
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【「サイレント・エピデミック」の懸念】
感染が拡大し、対応を強化しているのは東南アジアだけでなく、欧州、アメリカ、中東、アフリカ・・・どこでも同じです。

*****新型コロナ、東南アジアで相次ぐ規制強化 1週間で感染者3倍以上、高まる危機感****
東南アジアで新型コロナウイルスの感染者数が急上昇する兆しが見えはじめ、各国が相次ぎ厳しい措置に動き出した。

これまで感染者数が比較的少なかったのは検査能力不足のためで、水面下で感染が広がっている可能性は指摘されていた。これを裏付けるような状況に危機感が高まっている。
 
「状況は急速に変化している。積極的な行動が必要だ」。世界保健機関(WHO)の東南アジア地域担当者は17日の声明で域内の現状を懸念し、大規模感染を防ぐ対策の必要性を強調した。
 
東南アジアでは1月中旬から感染者が確認された。増加ペースは比較的緩やかだったが、検知されないまま感染が広がる「サイレント・エピデミック」(静かな感染拡大)も懸念され、米ハーバード大研究チームは論文で一部の国を名指しし、検査体制の強化の必要性も指摘していた。
 
こうした中、3月中旬以降、感染者数が急増し、3月18日時点で東南アジア諸国連合(ASEAN)10加盟国の感染者数は1494人。1週間で3倍以上になった。マレーシアでは2月27日〜3月1日に約1万6千人が参加して行われたイスラム教の集会での感染が発覚。18日までに600人以上の感染が確認された。
 
感染者急増を受け、動きが鈍かった国々も対策を本格化させた。ASEAN内で最多の感染者を抱えるマレーシアは18日未明から31日まで、自国民の海外渡航と外国人の入国を禁止。事実上の国境封鎖で政府は延長の可能性も示唆する。

宗教行事を含む集会も禁じられた。ムヒディン首相は「さらに状況が悪化するまで待てない」と厳しい措置に理解を求めた。
 
フィリピンは首都マニラを抱えるルソン島の全住民に外出制限を実施。シンガポールは20日から全入国者に入国後14日間の外出制限を設ける。
 
ただ、対策にはASEAN内でも濃淡がある。インドネシアは経済面の影響を考慮し、ビザ発給に制限はかけつつも、厳格な出入国制限には踏み込んでいない。

ラオスとミャンマーでは感染者が確認されておらず、感染阻止対策への称賛より、検査体制の充実を求める声が上がる。
 
各国の結びつきが強いASEANでは、一国の措置の余波を他国が受けることもある。シンガポールでは隣国マレーシアの国境封鎖で、同国から国境を越えて日々働きにくる約30万人の労働者に支障が出る。

このためシンガポール政府はマレーシア人労働者を国内にとどめ置くため、雇用主の企業・団体にホテルなど滞在先の確保を要求。ASEANは内政不干渉が原則だが、感染防止対策で緊密な連携が求められる局面を迎えている。【3月19日 産経】
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検知されないまま感染が広がる「サイレント・エピデミック」(静かな感染拡大)・・・・検査が積極的に行われなければ感染者数は増えませんが、感染自体は拡大し続けます。

中国との関係も深いミャンマーやラオスで感染者ゼロというのは、信じがたいことです。

****コロナ、ミャンマーとラオス0? 感染者、公式発表に疑念****
世界の感染者が20万人を超えた新型コロナウイルスだが、中国と接するミャンマーとラオスでは、公式発表によると感染者は出ていない。

国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)は17日の声明で、ミャンマーの人数に疑念を示し、政府を批判。英紙テレグラフは「東南アジアで静かに感染がまん延している懸念がある」と伝えた。
 
HRWのアジア局長代理、フィル・ロバートソン氏は声明で、ミャンマーは中国と2千キロ以上国境を接し、労働者が行き来しているが「感染者がいないと主張している」と指摘した。【3月19日 共同】
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インドからはとんでもない話も。

****新型コロナ対策パーティーで「牛の尿飲み」強要、与党党員を逮捕 インド****
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)を受けて民間療法への関心が高まるインドで、警察は17日、新型ウイルス対策として牛の尿を飲むパーティーを主催し、参加者に飲尿を強要したとして、与党インド人民党の党員を逮捕した。(中略)
 
同州フーグリー県の警察も同日、「新型コロナウイルスよけ」とうたい、牛の尿とふんを販売したとして、牛乳販売店を営むシェイク・マスド容疑者を逮捕した。同警察のフマヤン・カビル氏がAFPに明らかにした。
 
マスド容疑者は、牛の尿を1リットル当たり500ルピー(約720円)、牛のふんを1キロ当たり400ルピー(約580円)で販売していた。首都ニューデリーで牛の尿を飲むパーティーが開催されたと聞いて、牛の尿とふんを売ることを思い付いたという。

マスド容疑者の店には、「牛の尿を飲んでコロナウイルス撃退」と書かれたポスターが張られていたという。
 
13億人の人口を抱え、ヒンズー教徒が大多数を占めるインドでは、牛は聖なる動物で、その尿は関節炎からぜんそく、がん、糖尿病に至るまで万病に効く特効薬とみなされている。一方、牛の尿が万能薬であるという主張はいんちきだと否定する声もある。 【3月19日 AFP】
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このような状況ではインドの感染拡大も時間の問題のようにも思えます。

 

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タイ  「ぶっとうがしめる」 新型コロナで規制強化相次ぐ 私の帰国フライトは大丈夫か?

2020-03-18 19:23:05 | 疾病・保健衛生

(昨日17日 バンコク市内の有名寺院ワットパクナムの入り口に貼られたメッセージ 「ぶっとうがしめる」・・・何のことかと考えてしまいましたが、消毒作業のため寺院を閉鎖するという案内のようです。)

【バンコク首都圏の映画館やパブ、マッサージ店に休業要請 有名寺院も消毒のためクローズ】
12日から、タイ・バンコクを旅行中で、今日18日深夜のフライトで帰国予定です。

昨日ブログで触れた、17日の夕食どきにTVで流れていたプラユット首相の演説は、日常生活に必要な物資が不足することなないので国民は落ち着いて行動するように、旧正月「ソンクラーン」の祝日は延期する・・・・といった内容のものだったようです。

物資については、マスクは店先で売られていますが、非常に高値に吊り上がっているようにも。
外国人旅行者が多く宿泊するエリアの私の泊まっているホテルでも1階の店で売ってはいますが、500円ほど(1枚でしょうか?何枚入りかはわかりませんが、入っていても2~3数枚でしょう)というとんでもない値段です。
日本の価格感覚に置きなおすと、1000円を超える価格です。

国内で不足しているのに、輸出しようとしていた業者が摘発されて国民の怒りを買ったという事件もあったとか。

昨日17日も、次々に新しい施策が発表されていました。

****タイ、学校やバンコク首都圏の娯楽施設を14日間閉鎖 新型コロナ封じ込めで ****
タイ政府は17日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、全国の学校とバンコク首都圏の娯楽施設を14日間閉鎖すると決めた。18日から実施する。地元メディアからは事実上の封鎖措置と報じられている。

小中学校や高校、大学などすべての教育機関を14日間の休校とする。民間の学習塾にも同様の措置を求める。バンコク首都圏の映画館やパブ、マッサージ店にも閉鎖を求める。

競馬場やスポーツ施設など感染リスクが高いとみられる場所については「状況が改善するまで一時的に閉鎖する」(プラユット首相)として、具体的な再開時期のメドを示さなかった。

コンサートや展示会、宗教集会といった大型イベントについても自粛を要請した。開催には行政当局からの承認が必要としている。

4月13~15日に予定されていたタイの旧正月「ソンクラーン」の祝日を延期することも正式に閣議決定した。代わりとなる祝日の時期は未定。帰省によって感染が拡大するのを食い止める狙いだ。【3月17日 日経】
*******************

パブ、マッサージ店にも閉鎖を求めるとなると、外国人観光客向けのその類の店が集中するホテル界隈は、様変わりとなる可能性も。

今日も旅行最終日で、時間があったので「マッサージでも・・・」と思って探したのですが、ほとんどの店が閉まっています。通りに寝椅子みたいなものを並べて営業しているマッサージ屋さんもやっていません。

日中という時間帯のせいだったのか、自粛要請によるものなのかは判然としませんが。

昨日観光しようと訪れた有名な寺院も、消毒のためクローズ。
ガイドブックに掲載されているようなバンコクを代表する有名どころ寺院も同様のようです。

上記の他、タイに入国する外国人は病院の診断書を必要とするといった情報(併せて2週間の隔離も)とか、バンコクと他地域の移動を制限するといった情報も、昨日、タイ国内で流れていたそうですが、そうなると事実上観光目的の入国は困難になります。

ただ、このあたりは大手メディアでは報じられていませんので、真偽のほどはわかりませんが、遅かれ早かれ、そういった規制がかかってくると思われます。

その意味では、タイ観光を今日で終了するというのは、ちょうどよかったタイミングだったかも。

ただし、それは今日帰国できれば・・・という話ですが。

【今夜の帰国便は本当に飛ぶのか?】
実は、昨日朝、数日前に案内してもらったガイドさんから、私が帰国に使用する格安航空ノックスクートの17日のフライトがキャンセルされている・・・との情報が。

17日フライトキャンセルなら、私が使う今日18日もキャンセルの危険性が高まります。

ノックスクートのコールセンターは電話が集中しているのかつながりません。
そこで、空港にあるノックスクートのオフィスに出向いて確認することに。(時間も、タクシー代もかかりますが、今は確かな情報を得ることが一番重要です)

こういうとき、全くの一人旅だと情報も入ってきませんし、対応もできませんが、今回は現地の日本語ガイドを頼んでいますので、その点では「困ったね・・・」と言いつつも、余裕もまだあります。

フライトの方は、結局、17日の欠航は以前から予定してもので、18日については予定どおり飛ぶとのことで一安心。(ただし、空港でチェックインするまでは本当の安心はできませんが。)

【帰国難民】
すでに、エアアジアやライオンエアはフライトを中止していますので、ノックスクートやタイ航空が止まるのは時間の問題でしょう。

航空会社の採算性の問題だけでなく、国境封鎖的な検疫態勢強化の問題もあります。

そうなると、帰国難民という問題が現実のものとなります。

「危険地域」の韓国などは、すでに多くの国でフライトが止まっています。

****国境封鎖で韓国人足止め相次ぐ ペルー・比・伊などで帰国希望****
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受け、各国が国境を封鎖し、海外で韓国人が足止めされるケースが続出している。

韓国外交部によると、ペルー政府が17日(現地時間)に国境を閉鎖し、韓国人観光客約150人が足止めされた。同部高官は記者団に対し、「約140人が早期の帰国を望んでいる」として、「状況を見極めながら、臨時の航空便の派遣などを検討する」との方針を示した。

フィリピンも17日から5万〜6万人の韓国人が滞在している北部のルソン島を封鎖し、混乱が広がっている。約1200人が帰国を希望しているという。同高官は「既存の航空便を大型機に変更するか増便するなどして、(国民を)帰国させる方法を講じている」と述べた。

新型コロナウイルスの感染者が急増しているイタリアでは現地の韓国人社会が直接、航空便を用意する計画だ。ミラノの韓国総領事館の管轄地域だけでも約350人が帰国を希望しているという。

同高官は「多くの国が出入国を統制する中、在外国民が思わぬ苦境に陥る可能性が高い」として、最終手段として臨時航空便の派遣も検討する考えを示した。【3月18日 聯合ニュース】
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他人事とは思えない記事です。
今夜のフライト・チェックインをクリアできれば「他人事」にもなるのでしょうが。

 

 

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新型コロナ(タイ・バンコク)  情報弱者の戸惑い 帰国難民になることは?

2020-03-17 01:40:03 | 疾病・保健衛生

(3月16日 タイ・アユタヤ いつもは大勢の観光客であふれる観光スポットも、この日は人影もまばら)

【プラユット首相の演説は何だったのか?】
12日からタイ・バンコクを観光中です。

先ほど(現地時間で午後7時)街で夕食を食べているときのこと。
テレビは音量を下げて、画像だけ流していたのですが、タイ人男性がひとり入ってきて、音量を上げるように要求。

画面ではプラユット首相が何やら演説していました。
そうこうするうちに、近くで客引きをしていた男性などもテレビの前に集まって、総勢6人ほどが熱心に首相の演説を聴いていました。

仕事や談笑を中断して観にくるほどですから、何やら重大な発表をしているのかも・・・

非常事態宣言とか、外出禁止とか、市民生活に(ということは、観光にも)直結するようなことでしょうか?

18日の帰国フライトが予定どおり飛ぶのか心配な私としては非常に気になるのですが、いかんせん言葉がわかりません。

首相は演説の最後にガッツポーズみたいな仕草を。「国民のみなさん、この難局を力をあわせて乗り越えましょう!」なんて言っているのでしょうか?

情報弱者というのはこういうものか・・・と感じた次第です。

首相の演説が何だったのかはいまだにわkりません。
ネットで検索しても、それらしきものは何も出てこないので、私の想像したようなものではなかったのでしょうか?

【「旧正月」も延期】
タイ関連のここ24時間のニュースとしては、以下のようなものが。

****タイ「旧正月」の祝日延期 新型コロナ*****
タイ政府は16日、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、来月予定されていた旧正月「ソンクラーン」の祝日を延期すると発表した。

タイでは4月の13日から15日まで、旧正月「ソンクラーン」の祝日が設定されていたが、タイ政府は16日、延期すると発表した。再設定の時期については未定だという。

例年、旧正月の祝日は、前後に休みをつけて旅行に出る人が多く、政府は移動による感染拡大を防ぐための措置だとしている。

また、ソンクラーンに合わせてタイ各地で行われる恒例行事の「水かけ祭り」も、今年は中止されるという。

タイでは16日までに新型コロナウイルスの感染が147人確認されている。【日テレNEWS24】
*****************

【“国内にいる観光客の予定は守る”とは?】
****新型コロナウイルスなどの影響で直近入国者数は7割減に*****
タイ観光局(TAT)が発表する空港別の入国者数が3月に入り一段と減少した。

タイ最大の空港であるスワンナプーム国際空港の2月の入国者数は前年同月比44%減の97万8,600人、2位であるドンムアン国際空港は53%減の24万6,300人だったが、3月1~10日の期間は、スワンナプーム国際空港、ドンムアン国際空港でそれぞれ22万300人(前年同期比62%減)、5万3,800人(69%減)と下げ幅が拡大した。

3月8日にはタイ民間航空公社が新型コロナウイルス感染危険国に指定された国・地域からの渡航者に対し、医療機関の発行した健康証明書を出国時にチェックインカウンターにて提示することを義務付けた(2020年3月13日記事参照)。

8日以降の入国者数はさらに減少し、スワンナプーム国際空港が6万9,200人(前年同期比70.6%減)、ドンムアン国際空港は1万7,500人(75.4%減)となり、7割を超える減少率となった(注)。
(注)8~11日までの入国者数 【3月16日 JETRO】
*****************

12日の関空からのフライトが空席だらけ(搭乗率は2割ぐらい?)でしたので、上記ニュースは実感できるところです。

(おかげで、普段は人混みの観光地も、ゆうくり・のんびり観光できますが)

香港などは〝2月の香港旅客数96%減 昨年ピークの1日分”【3月16日 産経】といった状況ですから、タイの減少幅はまだましな方でしょう。

香港では2月8日以降、中国本土からの入境者全員に2週間の隔離を義務付けるなど、入境制限を強化しています。

そうした状況で、気になったのはタイではなく、タイ同様に観光が基幹産業であるエジプトのニュース。

****エジプトが航空便停止へ 観光客の出国は容認****
エジプトのマドブリ首相は16日、新型コロナウイルスの感染拡大の防止策として、同国の全航空便を19日から3月末まで一時停止すると発表した。

現在、国内にいる観光客の予定は守るとしており、出国は認める意向も示した。国営テレビが伝えた。
 
運航停止の詳細については明らかにしていない。エジプト保健省によると、同国ではこれまで少なくとも126人の感染が確認されている。一方、ナイル川クルーズなどエジプト旅行から帰った日本人や欧米人旅行者らの感染も確認されている。【3月16日 共同】
*******************

“現在、国内にいる観光客の予定は守るとしており、出国は認める意向も示した”・・・・どういうことでしょうか?

各国向けの臨時便を数便確保してくれるということでしょうか?
帰国者はそれに乗って帰るようにとのことでしょうか?

そういう話なら、帰国難民としてはまだ助かりますが・・・・。

今日のところは、帰国フライトのノックスクートは予定通り運航しているようです。
今日何も発表がなければ18日のフライトは大丈夫だろう・・・とも考えています。いくらなんでも、「今日・明日から欠航します」とは言わないだろうと。・・・・甘いかな?

ホテルの外からは、外国人向けのレストラン・パブからの音楽がいつものように聞こえています。

 

 

 

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新型コロナ  一定限度にリスクコントロールできる態勢のもでのウイルスとの「共存」

2020-03-16 00:21:01 | 疾病・保健衛生

(欧米系観光客でにぎわうバンコク・カオサン 3月15日)

【タイ・カオサンの現況 目立つタイ人のマスク着用】
12日からタイ・バンコクを旅行中。
新型コロナウイルス感染の関係で、タイでも観光客が大幅に減少して、観光立国のタイ経済に深刻な影響を与えている・・・というニュースはよく目にします。

ただ、バンコクでも外国人観光客向けの安宿・レストランなどが集中するエリアであるカオサンを歩いていると大勢の欧米系観光客で賑わっており、「新型コロナどこ吹く風」といった感も。

しかし、よく見ると、(タイ保健相が「タイ人の90%はマスクをしているのに西洋人はしない。だから彼らの国で多数の感染者が出た」罵ったように)欧米系観光客のほぼ100%がマスクをしていないのに対し、店の呼び込みなどしているタイ人は半数ほどがマスクを着用しているようにも。90%ではありませんが。

このカオサンでのタイ人のマスク着用率は他のエリアよりかなり高いようにも感じられました。

(同上)

感染拡大している欧米からの観光客がこれだけ密集していると、さすがに「ヤバイかも」という感じがあるのでしょうか。

私も最初はノーマスクで歩き回り、食事などしていましたが、タイ人にマスクをしている者が結構多いのを見て、「ヤバイかも」という感じが強くなり、途中からマスクを着用。すでに手遅れですが。

あと、“大勢の欧米系観光客で賑わっており、「新型コロナどこ吹く風」といった感も”とは書きましたが、一番目に付くのは呼び込みのタイ人店員。

新型コロナ以前なら、呼び込み店員の存在などかすむほどに大勢の観光客で溢れているのかも。

【防ぎようもない感染拡大 いかにウイルスと共存していくか】
新型コロナウイルス感染予防にマスクがどれほどの効果があるかについては多くの意見があるところですが、マスクより予防効果があるのが手洗いとされています。

しかし、現実には・・・・

****「家で手洗い不可能」世界で30億人、ユニセフが警告****
国連児童基金(ユニセフ)は13日、世界人口の40%の30億人が、せっけんで手を洗える設備のない家で生活していると発表した。

ユニセフは新型コロナウイルスなどの感染症対策で「手洗いは最も安価かつ効果的な方法の一つだが、それすらできない人が何十億人もいる」と警告し、手洗い環境の早急な整備を改めて呼びかけた。
 
発表によると、世界の学校の47%でも、水とせっけんを使って手を洗える設備がなく、そうした環境下にいる児童・生徒は9億人に上る。また、世界の医療施設の16%では、機能的なトイレや手洗い場所が備えられていないという。【3月14日 読売】
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水とせっけんを使って手を洗える設備がない国が多い地域のひとつがアフリカでしょう。
そのアフリカでもすでに感染が拡大しています。

****新型コロナ、アフリカ大陸18カ国に拡大 対応力に懸念*****
 新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大する中、13日にアフリカのケニア、エチオピア、スーダン、ギニアで初めての感染が確認され、アフリカ大陸での感染は18カ国に広まった。

アフリカ諸国での感染の大部分はこれまでのところ外国人か、外国への渡航歴がある人に限定されている。例えばエチオピアで確認されたケースは、今月4日に入国した日本人だった。

多くの国の感染者数はまだ1桁台にとどまっているが、アフリカ諸国が感染拡大に対応できるか、懸念が高まっている。【3月14日 ロイター】
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手洗いが可能な国々でも感染拡大が防止できないでいるのですから、手洗いすらできないアフリカなどの国々ではいったん感染が始まれば、防ぎようもないでしょう。

そのことを考えただけで、もはや感染を防止するということは不可能に思えます。

あとは、いかにこの新型コロナウイルスと共存していくか・・・・ということを考える必要があるようにも。
通常のインフルエンザとそれなりに共存しているように。

自国にウイルスを入れないという対応では、永遠に国を閉ざすことになり、世界経済は大幅に縮小してしまいます。

世の中には多くのリスクが存在しますが、そうしたリスクがひとつ増えたというような感じでウイルスと共存できれば・・・・。
もちろん、リスクを一定範囲にとどめるようなリスクコントロールは必要です。

そのためには予防ワクチン、治療薬の早期開発も必要でしょう。
重症化リスクの高い者への治療方法も。

それでもインフルエンザ同様に一定の死亡者は避けられないでしょうが、リスクの低い者は感染したからといって大騒ぎしないといった対応も。

あと、インフルエンザのように季節性があれば助かるのですが・・・。一年中となると、対応が難しくなります。

 

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欧州  新型コロナ深刻化で外部からの入国規制、内部での移動制限の動き 中国の「余裕」と「自信」

2020-03-15 05:14:23 | 疾病・保健衛生

(イタリア・ローマで、自宅アパートのベランダで国歌を演奏する人たち(2020年3月13日撮影)【3月14日 AFP】)

【タイでも日本人感染】
12日からタイ・バンコクを旅行中です。
そのタイでも新型コロナウイルス感染は急増しています。そして日本人の感染も。

*****タイで邦人初感染=新型コロナ*****
タイ保健省は14日、国内で日本人男性(33)の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。タイで日本人の感染が判明したのは初めて。
 
タイ人の妻と娘、妻の母も感染が確認された。妻の母は日本に渡航し、4日に帰国していた。タイでこれまでに陽性反応が出たのは82人。ここ数日急増しており、過去4日間で29人が確認されている。【3月14日 時事】 
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タイには多数の日本人が生活していますので、日本人の感染があっても何ら不思議ではありません。

ただ、“日本から持ち込んだ”というように考えられると(上記ケースの感染ルートは知りません)、昨日ブログでも書いたように、目下の個人的関心事である「18日夜の帰国便が予定どおり飛ぶのか?運航中止になるようなことはないか?」という心配にも影響します。

今日までのところは、帰国便のノックスクートに関しては何も発表されていないようです。

【「震源地」欧州からの入国規制が拡大】
そんな個人的関心から世界的関心事に眼を転じると、新型コロナに関する欧州の厳しい情勢が目ににつきます。

欧州、とりわけイタリアでの感染拡大が顕著です。

****欧州、新たな「震源地」に=伊は死者1千人超―新型コロナ、見えぬ終息****
イタリア保健省は12日、国内の新型コロナウイルス感染者が1万5000人を超え、1016人が死亡したと明らかにした。死者が1000人を超えたのは中国に続き世界で2カ国目。

他の主要国でもスペインで約4000人、仏独で約3000人と感染者が急増しており、イタリアを中心に欧州が中国などに代わる新たな「震源地」となりつつある。各国とも懸命の対策を取っているが、終息への見通しは立っていない。
 
コンテ伊首相は全土で移動制限を発動し、薬局と食料品店以外の全店舗に一時休業を命じた。地元メディアによると、専門家はこれら対策の効果を週末中にも見極める方針で、今後さらに厳しい措置が取られる可能性もあるという。
 
イタリアの周辺国では、事実上の国境封鎖に踏み切る国も出てきた。報道によれば、チェコは12日、非常事態を宣言し、一部外国人について感染者の多い国からの入国を禁止。スロバキアも在留許可を持たない外国人などの入国拒否を決めた。

マクロン仏大統領も、欧州連合(EU)と協議の上で「国境封鎖もあり得る」と警戒感を強めている。オーストリアはすでに封鎖を決め、来週から一段の措置として生活必需品以外の店舗の多くも休業させる方針。
 
フランスでは12日現在、感染者は約2900人、死者は61人。ただ、フランスの1日当たりのウイルス検査件数が数百件なのに対し、イタリアは2000〜8000件。地域圏保健局のルソー局長はルモンド紙に「実際の国内の感染者数はもっと多いだろう」と認めた。
 
ドイツのメルケル首相も11日、「免疫も治療法もなく、ドイツ人口の60〜70%が感染する可能性がある」と述べ、状況の厳しさを警告した。また、ベルリン(州に相当)やバイエルンなど多くの州が、来週からの学校閉鎖を決めた。【3月13日 時事】
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WHO事務局長も「欧州はパンデミックの震源地」と名指しする事態にもなっていますが、これまでの中国に対する「寛大な」対応と随分違うのでは・・・との声も上がっています。

****「欧州はパンデミックの震源地」とWHO事務局長 中国への対応との差に「違和感」も****
世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は13日の記者会見で、新型コロナウイルスについて「欧州が今や、パンデミック(世界的な大流行)の震源地となった」と述べた。

2月下旬以降、1日当たりの新型コロナウイルスの新規感染者は中国よりも中国以外で多くなっている。その中でも、欧州の感染者数の増加が際立つことから感染拡大の中心地が中国から欧州に移行したとの考えを示した。(中略)

ただ、中国の感染者数が全体の大半だった1月下旬ごろ、テドロス氏は「WHOは中国が感染拡大を防ぐ能力があると確信する」とし、中国からの退避について「過剰反応は必要ない」と強調。中国に配慮して状況を楽観視する姿勢を貫いていただけに、欧州への危機感を強調する現在の発言に「対応が大きく違う」(感染症の英専門家)と違和感を指摘する声もある。【3月14日 産経】
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いずれにしても欧州で感染拡大は事実であり、アメリカ・トランプ政権も13日深夜から「(イギリスを除く)欧州からの入国停止」に踏み切ることに。

欧州側は、事前相談なしの「一方的措置」との批判が出ていますが、トランプ大統領は「事前相談すれば時間がかかる」と反論。

****欧州委員長、米国の渡航停止は「一方的」 トランプ氏に批判の声****
アメリカのドナルド・トランプ大統領が11日に発表した、欧州からの同国への渡航を30日間停止する措置をめぐり、怒りの声や混乱が生じている。欧州連合(EU)加盟国は、「相談なしに」決定したとしてトランプ氏を非難している。

アメリカによる新たな渡航制限は、新型コロナウイルスの感染拡大を食い止めるのが狙い。13日深夜(米国東部標準時)から実施される。

対象地域は、欧州域内の自由移動を認める「シェンゲン協定」の加盟国26カ国で、米国民やイギリス、アイルランドは除外される。

今回の制限は、COVID-19への対策を行っていないと非難されてきたトランプ大統領による、大規模な対策強化だ。

しかしこの渡航制限をめぐり、ワシントンのみならず海外でも不満の声が上がった。
欧州委員会のウルスラ・フォン・デア・ライエン委員長や欧州理事会のシャルル・ミシェル議長は、新型コロナウイルスによる感染症「COVID-19」のパンデミック(世界的流行)は「世界的危機」であり、「一方的な行動ではなく協力が必要だ」と主張した。

EUに事前通達せず
トランプ氏は12日、渡航制限について、「時間かかる」ためEU側に通達しなかったと明かした。
「我々は迅速に行動しなければならなかった」

また、EUは米製品への関税を引き上げる際、アメリカに相談をしなかったと付け加えた。(後略)【3月13日 BBC】
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これまで事態を楽観していたトランプ大統領としては、アメリカ国内での状況悪化に伴い、ここで厳しい対応を示さないと再選戦略に支障をきたすとの判断があったと指摘されています。

また、「一方的措置」に加え、同じように感染拡大しているイギリスは除外されるといったあたりに、かねてからのトランプ大統領と欧州の「不仲」もあるように見えます。

*****トランプ氏、楽観一転 感染急増、大統領選意識か 入国制限****
新型コロナウイルスの感染拡大に対し、楽観していたトランプ米大統領が一転、欧州の大半の国からの入国制限を決めた。国内感染者が増え続け、株式市場が下落するなか、秋の大統領選を意識して積極的な姿勢を示さざるを得なくなった。だが、米国内の感染防止対策も引き続き問われる。(後略)【3月13日 朝日】
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そのアメリカも“トランプ大統領 国家非常事態を宣言 感染拡大を受けて”【3月14日 NHK】といった情勢です。

こうした欧州とアメリカの軋轢は、日本と韓国の間の規制にも似た感じもあります。

なお、欧州からの入国規制はアメリカだけではなくベトナムやカンボジアなどのアジアでも広がっています。
もっとも、カンボジアなどは中国からの規制は実施せず、欧州には・・・ということで、やはり政治的背景もあります。

いずれにしても、感染は遅かれ早かれ、欧州だけでなく全世界に拡大しそうな気配です。
“パンデミック(世界的流行)は「世界的危機」であり、「一方的な行動ではなく協力が必要だ」”という発想が基本的には必要でしょう。

【欧州内部でも、理念と異なる分断・制限の動き】
欧州にとって、アメリカなどが入国規制に動き出したこと以上に問題なのは、欧州内部における「感染源」イタリアを標的とした規制・分断が広がっていることでしょう。欧州統合の理念にもかかわる問題です。

****EU「移動の自由」に試練 米へは反発*****
狙い撃ちされた格好のEUは強く反発している。ただ、欧州でも感染が急拡大し、シェンゲン協定加盟国の間ですら移動制限の動きが出ているのが実情だ。EUが重視する「人の移動の自由」も、未知のウイルスの脅威にさらされている。(中略)

欧州では2月下旬以降、感染が急拡大。欧州疾病予防管理センター(ECDC)によると11日朝現在、イタリアでは1万件以上、フランス、スペイン、ドイツでも千件以上の感染が報告されている。
 
そうした状況にあっても、EUを主導する独仏などは移動の自由を守るべきだと訴えている。
 
ドイツでは、治療法がない状態が続けば「人口の60~70%が感染するおそれがある」(メルケル首相)と危機感を強めるが、特定の国からの入国制限はしていない。

シュパーン保健相は11日の記者会見で「ある地域を完全に閉じても、ウイルスの侵入を防げない」と指摘。「重要なのは感染のペースをどう遅らせるかだ」と述べた。

フランスのマクロン大統領も対策での「欧州の連帯」を強調。象徴でもある人の移動の自由の制限を一貫して否定している。
 
ただ、感染の広がりとともに、シェンゲン協定加盟国間で本来行わない国境審査を始める国が出てきている。

オーストリアは10日、陰性を示す医師の証明書がない限り、イタリアからの入国を原則認めないと決め、スロベニアも入国制限を打ち出した。仏国内でも右翼政党「国民連合」のルペン党首がイタリアとの国境管理強化を訴えている。【3月13日 朝日】
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****EU、コロナ対応に苦慮…国境管理など加盟国の足並みそろわず****
欧州連合(EU)が、新型コロナウイルスの感染拡大への対応に苦慮している。国境管理や医療物資の調達などを巡り、各加盟国の足並みがそろわないためだ。(中略)

 ■限られた権限
09年の新型インフルエンザ流行を教訓に、EUは13年、加盟国で医療物資を共同調達する枠組みを設けた。ワクチンや医療物資を域内に行き渡らせ、医療格差を減らすためだ。
 
今回はこの枠組みを活用し、EU執行機関・欧州委員会は2月24日、2億3200万ユーロ(約280億円)規模の緊急対策を決め、ワクチン開発の支援や、市場で品薄となっているマスクなどの医療物資の共同調達の方針を打ち出した。
 
しかし、ドイツやチェコは3月上旬、医療用マスクや消毒液などの輸出制限措置を発表し、各国が「一方的な措置だ」と反発した。フランスもマスクの医療関係者への優先配布のため、国が在庫や生産を管理することを決めた。

このため、フォンデアライエン欧州委員長は各国首脳との調整に動き、13日の記者会見で「国の対策をEUの要望に合わせる快諾を得た」と述べた。独仏は輸出制限などを和らげる見通しだという。
 
欧州政策センターのシモーナ・ガリアルド政策アナリストは「国によって対応が大きく異なり、市民が不安になっている。EUは各国に、より統一された対応を求めるべきだ」と指摘する。

 ■チェコ「国境封鎖」
ロイター通信によると、チェコ政府は13日、居住者や長期の滞在許可を持つ人を除き、チェコへの外国人の入国を原則として禁止すると発表した。チェコ人も通勤などの理由を除き、外国への出国を禁止する。16日から実施するという。
 
欧州で感染が急速に広がった背景には、EU加盟国の多くも加わるシェンゲン協定の締約国間で、国境管理が撤廃されているという事情もある。

欧州では、まずイタリアで2月下旬に感染者が急増した。その後、独仏やスペインは3月1日頃から、オランダやベルギー、オーストリアなどは10日頃からそれぞれ急増している。
 
協定の締約国も非常時の国境管理は可能だが、多くの国は慎重だ。しかし、チェコに加え、オーストリアやポルトガルはイタリアからの入国を制限しており、シェンゲン地域を分断する動きも出始めている。
 
フォンデアライエン氏は13日、「全般的な渡航禁止は社会的・経済的影響の方が大きい」と述べ、EUとして国境での健康検査の指針を打ち出す方針を示した。【3月13日 読売】
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【苦境のイタリアに支援の手を差し出す中国の「余裕」と「自信」】
一方、「感染源」となっているイタリアでは封鎖状態がとられていますが、ひところの中国・武漢と似たような現象も。

****自宅の窓から住民合唱、新型コロナで封鎖のイタリア 「マカレナ」一斉ダンスも*****
欧州最悪の新型コロナウイルス流行に見舞われているイタリアでは、政府が9日に封鎖措置を全土に拡大したことで経済活動は大幅に縮小し、国民はどうしても外出する必要がある場合を除き家にいるよう求められている。
 
そうした中、社会的な孤立感を和らげるため、各地で市民が自宅の窓辺に出て一斉に歌う様子を撮影した動画がネット上で人気を呼んでいる。
 
中部トスカーナ州シエナの住民たちが窓から地元の民謡「Canto della Verbena」を合唱している動画は、ツイッターで60万回以上視聴された。

別の動画では、北部トリノとみられるアパートの住人たちがそれぞれの自宅のベランダで同時にスペインのダンスポップ「恋のマカレナ」を踊る様子が捉えられている。
 
13日夜には、ローマ市内のいくつかの地区でも、住宅の窓から国歌をはじめとするさまざまな音楽や歌が聞こえてきた。
 
メッセージアプリ「ワッツアップ」には、金曜日には国家を歌うなど、決まった曜日にみんなで決まった歌を歌おうと呼び掛けるメッセージが流れた。
 
これ以外にもイタリアのソーシャルメディアで呼び掛けられている運動には、自宅の外に「andra tutto bene(何とかなるさ)」というメッセージをみんなで掲げようというものもある。このメッセージには虹の絵も描かれるが、その多くは、休校になった子どもたちが自宅で描いたものだ。 【翻訳編集】AFPBB News
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欧州内でも孤立し、厳しい状況にあるイタリアに支援の手を差し出しているのが中国。

****新型コロナ 中国「余裕」を演出? イタリアに医療支援団派遣 EUの支援が届かぬ中****
新型コロナウイルス感染が広がるイタリアに13日、中国が派遣した医療支援団が到着した。中国が国際貢献する「余裕」を示すことで、国内のウイルス克服を印象付ける狙いとみられる。
 
伊メディアによると、支援団9人は、マスクや呼吸器など医療機器約30トンとともにローマ入りした。イタリア赤十字代表は「医療品が払底しており、大変ありがたい」と謝意を示した。イタリアは昨年、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」の覚書に調印している。
 
イタリアは欧州で感染が最も深刻で当初、欧州連合(EU)にマスク供給で支援を求めたが、ドイツやフランスは自国への供給を優先し、EUによる物資支援は実現していない。
 
中国国家衛生健康委員会は12日、国内で新たな感染者数が減少しているとして、「国内で流行のピークは過ぎた」と発表。今後は国際社会に貢献すると述べていた。【3月14日 産経】
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中国は、「余裕」というか、自身の強硬な対応が正しかったとの「自信」も見せています。

*****「世界で最も安全な場所は中国」自信取り戻す中国人*****
(中略)
欧州の惨状に自信を強める中国人
中国の感染者は8万人を突破しているが、その中国が今や在外の中国人にとっての避難場所となっている。

ベルギー在住のある華僑はこう語る。
「欧州在住の中国人が脱出先に中国を選んでも不思議ではありません。なぜなら、彼らにとって今や中国こそが最も安全な場所なのですから」
 
中国では非常事態宣言が出され、都市が封鎖され、人々は移動の自由を奪われ、ほぼ軟禁に近い形で自宅に閉じ込められた。そうした中国共産党の強硬手段に、世界中に散らばった在外の中国人は当初、恐れをなした。

だが、その強硬策が功を奏し、現在は武漢市などを除いて中国人の生活は徐々に正常を取り戻しつつある。
 
一方、イタリアではマスク姿で国会に臨んだ議員が嘲笑されたり、感染者が拡大の一途をたどっているにもかかわらず、人々は「マスクより自由を」と唱えたりしていた。

都市の封鎖措置には抗議活動が繰り広げられ、飲食店ではウイルス拡散などおかまいなく多くの市民が濃厚接触状態で食事とおしゃべりに夢中になっていた。そして現在は新型コロナウイルス感染者数が中国に次いで多くなっている。
 
そんなイタリアの状況を見て、欧州の中国人は「ウイルス蔓延を最小に食い止めた中国政府を評価すべきではないか」(同)と考えているのだという。(後略)【3月14日 姫田 小夏氏 JBpress】
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タイ  相次ぐフライト中止 帰国できるだろうか? 保健相の欧米への反感発言

2020-03-13 23:29:33 | 疾病・保健衛生

(夕暮れのワット・アルン「暁の寺」 バンコク3月13日)

 

【帰国できるだろうか?】
昨日タイ・バンコクに到着し、18日まで滞在して観光の予定です。

入国規制などの話や、フライトの欠航の可能性などもあって、入国できるのか不安でしたが、無事入国できて「やれやれ」と思っていましたが・・・・

****エアアジア 日本〜タイ5路線を3か月運休*****
新型コロナウイルスの感染が広がる中、格安航空会社「エアアジア」は13日、日本とタイを結ぶ5つの路線全てを3か月間運休すると発表した。

エアアジアによると、東京・大阪・札幌・名古屋・福岡と、タイの首都・バンコクを結ぶ5つの路線を今月16日から6月16日まで運休する。

すでに予約をしている人は、今年10月16日までの間で1回に限り、手数料無料で日程を変更できるほか、キャンセルする場合は全額返金される。

ただ、この対応はエアアジアの公式サイトで予約した人のみに適用されるということで、旅行代理店などを通した予約については、直接、店舗などに確認するよう求めている。【3月13日 日テレNEWS24】
*****************

今日出会った日本人男性の話では、来るとき予約していた格安航空会社(LCC)のフライトがキャンセルになって大変だったとも。

私もLCCのノックスクート。往路のフライトは搭乗率2割程度とガラガラでした。

こうなると、帰国便がはたして飛ぶのだろうか?という問題が出てきます。

上記にもあるように公式サイトを通じて購入していれば変更などの措置も対応してくれますが、私を含めて多くの者は格安チケットを扱う旅行代理店を利用しているのでは。

そういう場合は、フライトキャンセル時の対応もとってもらえません。

おそらく、新型コロナウイルスの感染云々という検疫態勢の問題というよりは、利用客減少による利益率の問題でフライトが維持できないのではないでしょうか。

感染が急拡大している欧州の航空会社も、利用客減少でフライトを取りやめたいのだが、一定に運航実績を残さないと発着枠が減らされるという問題があって、フライトキャンセルもできず困っているという話も聞きます。

帰国便がフライトキャンセルになって、「あとは自分で対応して」と言われても非常に困ります。

困りますが、今から悩んでも仕方ないので、明日以降も予定通り観光を継続するしかありません。
旅行中たくさんのお寺に参拝しますので、仏様によく頼んでおくしかなさそうです。

【タイ保健相のウソ】
タイ関連でニュースがもう1件。

****「汚い西洋人は要注意」=タイ保健相、また差別―新型コロナ****
タイで新型コロナウイルス対策の陣頭指揮を執るアヌティン保健相が「西洋人旅行者は汚い格好をしている。(感染を拡大させないよう)注意が必要」とツイッターに書き込んだ。

保健相は西洋人に差別的な言動を繰り返しており、批判が高まっている。
 
アヌティン保健相は12日夜、北部の観光地チェンマイから「タイ人の90%はマスクをしているのに西洋人はしない。だから彼らの国で多数の感染者が出た」と投稿。感染が拡大している欧米を当てこすった。
 
また、「感染を逃れるためにタイに押し寄せた欧州の旅行者は、多くがシャワーを浴びない」と書き込んだ。投稿は既に削除されている。
 
アヌティン保健相は2月にも「マスクをしない西洋人はタイから出て行くべきだ」と発言し、謝罪に追い込まれている。【3月13日 時事】 
********************

確かに、欧米人にはバックパッカーのように、タイ上流階層からみると肌の露出も多い「見苦しい」格好で旅行している者も多くいます。もちろんそういう者ばかりではありませんが。

このアヌティン保健相という人物は記事にもあるように、これまでも差別的言動が多い者ですから、発言者のそういう個人的思想信条の問題でしょう。

なお、中国・韓国からの観光客が壊滅した結果、街で見かける観光客は欧米系がほとんどです。ひと昔前は東南アジアの観光地はどこもこんな感じでした。

保健省の発言のなかで「タイ人の90%はマスクをしているのに」とありますが、これは嘘です。
昨日・今日見た限り、タイの多くの人々もマスクはしていません。

昨日ブログでも書いたように、なにせ暑いですからマスクする気にもなりません。
私もマスクなしで歩き回っています。

たまにマスクをしたタイ人を見ると「おや、タイ人もマスクするんだ」って思うぐらいです。

アヌティン保健相のような偏った思考の持ち主の意見のなかには、えてしてこういうフェイクがあります。

そういえば、王宮の直立不動の衛兵がマスクしていました。
珍しいので写真を撮ろうとしたら、ダメだ注意されましたが。

今日観光したエメラルド寺院、暁の寺、ワットポーでは、ワット・ポーがコロナ対策に気を使っていました。

入場時に検温があり、強制的に手を消毒されます。
また、この寺は巨大涅槃仏の他、タイ式マッサージの総本山としても有名で、境内でマッサージを受けることができますが、その際も検温チェックがあります。

それにしても帰国便の問題は困ったですね・・・・。
コロナ対策の責任者のアヌティン保健相が何言いだすかも不安ですし・・・。

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新型コロナ 避けられない感染拡大 重症化リスクの高い者への対応に重点を移す時期?

2020-03-12 22:05:43 | 疾病・保健衛生

(無観客試合となった「ムエタイ」試合会場 ルンピニースタジアム【3月11日 FNN PRIME】)

 

【空席ばかりの機内 タイの検疫はやや“ゆるい”かも】
今日の昼過ぎ、タイのバンコクに到着。1週間ほどバンコクに滞在してブラブラと観光の予定です。

今朝8時半頃のフライトでしたが、関空は閑散としていました。新型コロナでみな旅行を控えているせいか、あるいは早朝はいつもこんな感じなのか・・・・

でもやっぱり少ないみたい。タイの格安航空会社ノックスクートを使いましたが、機内もバラガラ。搭乗率は2割程度でしょうか。

空港(LCCなのでドンムアン空港)での検査がどのように行われるのか少し不安でもありましたが、さほど厳密にやっているようにも思えませんでした。

日本からの飛行機は空港内のやや離れた場所に駐機して、バスで移動(これが日本からの便ということで、特別な措置なのかどうかは不明)

検疫所みたいなところで体温チェックが行われますが、額に検査器具をかざして体温測定するのは乗客の数人に一人の割合で、全員をチェックしている訳でもありません。

日本人観光客からも「いい加減すぎるんじゃないの?」といった声も。

赤外線カメラのモニターも誰も見ていないようにも・・・・

まあ、そんな検査で検疫も無事終了。
乗客からは「どこで調べると?」「今通ってきたじゃん!」「えっ!あれでおしまい?」って声も。まあタイですから・・・・

【バンコクの外国人宿泊客集中地区はそれなりの人出も ただし欧米系のみ】
日本でも大相撲が無観客興行になっていますが、タイでもそこらは同じです。

*****コロナ拡大で国技「ムエタイ」も無観客に… タイ観光は約1000万人減の試算も****
ムエタイ試合から客が消えた
鋭いキックやパンチが炸裂するたびにリング上に飛び散る汗。両手両足を使って様々な技を繰り出す選手たち。立ち技の世界最強格闘技といわれるタイ式のキックボクシング「ムエタイ」のワンシーンだ。

しかし記者が3月10日、試合会場の一つを訪れると、普段、試合を盛り上げている観客の地響きのような声援はなかった。

タイの国技である格闘技「ムエタイ」の二大殿堂の一つ、ルンピニースタジアムでは3月10日の試合から、観客を入れないで試合を行う無観客試合に踏み切った。スタジアムでの新型コロナウイルスの集団感染を防ぐための措置だ。

タイ政府から感染防止策として競技延期を打診されたことを受けて、スタジアム独自の対応として無観客試合を導入し、競技を継続することを決めたという。

 会場にいるのはムエタイ選手とその関係者、それにテレビ生中継のためのスタッフだけで、いつもは客席を埋め尽くす観光客や地元客の姿はなかった。 

試合を盛り上げる声援とギャンブル
ムエタイに来る地元客は、時に絶叫しながら、熱心に選手を応援することで有名だ。その理由は、多くの人がムエタイ会場で行われている「賭け事」に参加しているからである。客席では選手の勝敗を賭けるギャンブルが行われており、賭けに参加した観客は必死になって応援し、声援を送る。(中略)

またムエタイは、タイを訪問する旅行客にも人気の観光スポットだが、最近は外国人旅行客が減り、試合会場を訪れる人の数も落ち込んでいたという。これも無観客試合に踏み切った理由の一つだという。

タイの観光はコロナで打撃
新型コロナウイルスの感染拡大は、ムエタイだけでなく、観光地やショッピングモールなどの光景も一変させた。週末のモールは客が少なく閑散としていて、観光客の数もごくわずかしか見かけない。
観光スポットのすぐ近くには、客待ちの観光用三輪車トゥクトゥクが長蛇の列をなして待機している。

タイ政府観光庁によると新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、旅行の予約状況が急速に悪化したという。2月にタイを訪問した外国人観光客の数は、前年比44.5%にまで落ち込んだ。

また、2020年のタイへの外国人旅行者の数は、最悪のシナリオだと約1000万人減少し、観光収入も約1兆5000億バーツ(日本円で約4兆9500億円)減る可能性があるとの予測もある。

観光産業は国内総生産(GDP)の2割近くを占める主要産業だけに、タイ経済全体への悪影響は避けられない見通しだ。【3月11日 FNN PRIME】
*********************

“観光地やショッピングモールなどの光景も一変させた”とありますが、今日のところは、そこまでも感じもありません。

バンコク市内の外国人が宿泊する安宿などが多いことで知られたカオサン(そのあたりの話も近年は変わってきているようにも聞きますが)にも近い王宮周辺の安宿に泊まっており、さきほどホテル周辺を散策してきましたが、観光客はそこそこ歩いています。(以前と比べてどうなのか・・・というところはわかりませんが)

ただし、ほとんど全員欧米系白人。中国・韓国などからのアジア系観光客は全く見ませんでした。

ただ考えてみると、現在感染拡大の中心は欧米に移っていますので、欧米系観光客が大勢いる状況というのはヤバイのかも。

【マスクなんてしていられない暑さ】
機内の日本からの乗客はみなマスク着用でしたが、上記のような欧米系観光客ではマスク姿は皆無です。

もちろんマスク文化の違いもありますが、「暑い」という現実的理由も。
私もホテルを出るときはマスクを着用していましたが、歩き始めて数分で「こんなもの着けていれらないよ」と外してしまいました。

タイの人も、街中ではマスクは使っていないみたい。

確か、SARSだか何だかのときも似たようなことがありました。
暑い地方を歩き回るのにマスクなんかしていられない・・・というのが実際のところです。

そのため日本のような「マスク不足」もないみたいで、空港で両替したところ、サービスにマスク1枚もらいました。

街の様子については、今日散策したのは外国人宿泊客が集中しているエリアですが、明日からまわるいわゆる観光スポットでは、また別の光景になるのかも。

【感染拡大はもはや避けられない?】
今日のニュースで印象的だったのは、ドイツ・メルケル首相の「予測」

****新型コロナウイルス、総人口の6〜7割に感染の恐れ 独首相****
ドイツのメルケル首相は12日までに、新型コロナウイルスの問題に触れ、最終的にはドイツ国民の6〜7割が感染する可能性があるとの同国当局の見方を明らかにした。

ベルリンでの新型肺炎に関する記者会見で述べた。シュパーン保健相も同席した。

首相はこの中で公衆衛生制度に過重な負荷をかけないことが重要と指摘。感染の拡散に歯止めがかからないイタリアを念頭に、全ての欧州諸国に感染が広がっているともした。

その上で、各国は研究に注力し、支援すべきと強調し、ドイツは分散的な方策で今回の危機に対処するとも言明した。新型コロナウイルスについて「我々は多くのことを知らない状況の中にいる。我々は深刻に受けとめている」とも述べた。

ドイツの連邦議員は12日に新型肺炎への対応策を協議する会合を開催する予定。

ドイツ連邦統計局によると、同国の人口は昨年末の時点で約8320万人。世界保健機関によると、ドイツ内の感染者数は11日時点で1296人で、犠牲者は2人となっている。【3月12日 CNN】 
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また、アメリカでも・・・・

****米医師予想、1億5千万人感染か ニュースサイト報道****
米ニュースサイトのアクシオスは11日、連邦議会の担当医師が議会スタッフらとの非公開会議で、米国の新型コロナウイルス感染者が「7千万〜1億5千万人に上ると予想している」と述べたと報じた。

米国の人口は約3億3千万人で、最大で4割以上の人が感染する計算となる。
 
推計の根拠など詳細は伝えていない。アクシオスは関係者の話として、多くは症状が軽く、完全に回復する人の数も予想に含まれていると付け加えた。
 
ファウチ国立アレルギー感染症研究所長は11日の下院の公聴会で、感染者数について「どのような対策を実施するかによって変わるので答えられない」と述べた。【3月12日 共同】
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要するに感染拡大はもはや止められない・・・・ということでしょう。
WHOもようやく“パンデミック”を認めたようです。

そうしたなかで目を引いたのは、下記記事のバーレーンの状況。

****湾岸アラブ諸国でも新型コロナ拡大、クウェート全土休日に****
 新型コロナウイルス感染が湾岸アラブ諸国でも拡大している。カタールでは11日、感染者数が238人急増し、累計262人となった。

バーレンではイランからの退避者165人中77人の陽性が確認された。

クウェートでも新たに72人の感染を確認。当局は感染拡大防止に向け、必要不可欠なサービスを除き12─26日まで全土を休日にすると発表。また、13日から全ての旅客機の運航を停止する。

17─19日にサウジアラビアで開催が予定されていた20カ国・地域(G20)の農業・水問題を担当する閣僚による会合と、来週のG20の事務レベルでの会合は延期されることになった。

湾岸アラブ諸国では新型コロナによる死者は出ていない。【3月12日 ロイター】
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“イランからの退避者165人中77人の陽性が確認された”・・・・イランからの退避者がどのような環境にあったかは知りませんが、もしイランの一般国民と同じような環境にあったのであれば、イラン全土でまさに半数近い者が感染する事態になっているという話にもなります。

通常のインフルエンザの感染は止められないですし、別にそのことを大騒ぎもしていませんから(日本でも毎年インフルエンザで数千人が亡くなっているにもかかわらず)、新型コロナウイルスについても、「感染拡大は止められないけど、別に大騒ぎすることもないよ」という考え方もあるでしょう。

問題は致死率や治療薬の有無ですが、致死率については以下のようにも。

****“致死率 インフルよりはるかに高い” 米研究者 新型ウイルス ****
NIH=アメリカ国立衛生研究所で新型コロナウイルス対策を率いるファウチ博士は11日、議会下院の監視・政府改革委員会で証言しました。

このなかで、ファウチ博士は新型コロナウイルスの致死率について、中国を含めたデータはおよそ3%であるものの、ウイルスに感染していても症状が出ない人もいることから、実際には感染者はさらに多いとして、致死率はおよそ1%と分析していることを明らかにしました。

そのうえで「インフルエンザの致死率は0.1%であり、致死率は10倍高いことになる」と述べ、新型コロナウイルスの致死率はインフルエンザよりもはるかに高いと指摘しました。

また、今後の感染拡大の可能性についてファウチ博士は「結論を言えば、状況はさらに悪化するだろう」と述べ、さらなる感染の拡大は避けられないとの認識を示しました。

そして、状況の悪化を少しでも抑えるためには、大勢の人が集まるイベントの中止を検討すべきだとしてNBA=アメリカプロバスケットボールなどの試合を観客を入れずに行うなどの対策が必要だと強調しました。
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素人考えでは、致死率は適正にコントロールされている状況と、医療崩壊状況では雲泥の差がるようにも。

感染拡大は避けられないという立場にたって、対応の主眼を、医療崩壊をまねかず、重篤化する危険性の高い者への対応に切り替えていくことが必要なのかも。

重篤化のリスクが低い者であれば、感染したことをさほど大げさに考える必要もないのかも。

なお、リスクの高い者が感染した場合に死に至ること多々あるのは、新型コロナだけでなく、普通のインフルエンザでも、あるいは通常の風邪でも同じです。

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明日タイ・バンコクに行ってきます。入国できるかな?

2020-03-11 22:54:26 | 疾病・保健衛生

(観光客が減り閑散とするバンコクの王宮周辺(3日)=ロイター【3月5日 日経】)

【新型コロナで死者も ただ、観光立国タイとしては観光客にも来て欲しい】
明日からタイ・バンコクを1週間ほど観光するということで、今日は関空近くの泉佐野まで移動。
現在、地元の空港でフライト待ちです。

新型コロナウイルスの関係では、タイはそんなに感染は拡大はしていませんが、先日死者もでたということで、かなりナーバスにもなっています。

****新型ウイルス、タイで初の死者 35歳男性=保健当局****
タイ保健省疾病管理局のスワンチャイ局長は1日、新型コロナウイルスに感染した35歳の男性が死亡したと発表した。タイでの感染者の死亡は初めて。デング熱を併発していたという。

同国で1月以降、確認された感染者は42人で、このうち30人が回復し、11人が病院で治療を受けている。

当局によると、死亡した男性は小売業界に勤務し、新型ウイルス発生後の早い段階に多くの観光客と接触していた。スワンチャイ局長は記者会見で、中国人観光客との接触があったと述べた。(後略)【3月2日 ロイター】
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タイは早い段階から日本からの入国者への検疫を強化していましたが、上記のような情勢で、入国できるかどうか非常に不安でした。

すでに、タイ在住者については、日本からの帰国時に2週間の公共の場に出ないような自粛要請出されています。

このあたりの対象者、日本人観光客の扱いがどうなるのか、メディア報道ではイマイチよくわかりませんでした。

そこで、タイ政府観光庁に問い合わせたところ、入国時に体温チェックで問題がない限り、観光については制約はないとのことでした。

旅行の延期も考えましたが、格安の航空券のため、延期・払い戻しが一切できないということ、タイ政府も「問題ない」と言っていることで、予定どおりに明日の早朝フライトで出発。


****3/5 タイ保健省からのコロナウイルスに関する発表*****
タイ国政府観光庁からの大切なお知らせ
2020年3月5日発表


現在、タイ国政府は中国をはじめ感染症の影響を受けるいかなる国・地域に対しても渡航や貿易の制限はしていません。
また、これまでのところ感染地域*からの渡航者に対する自主的な隔離措置についてのタイ国政府による公式発表もされていません。

(*2020年3月5日公示のタイ国政府官報 保健省告知によれば、危険感染地域とは、(1)韓国 (2)中国(香港及びマカオを含む) (3)イタリア (4)イランを指し、日本への言及はございません。

ただし日本においても感染が拡大している事をふまえ、入国後最低14日間は常に健康状態の経過観察に努めてください。)

なお、タイ国保健省疾病管理局は、国籍を問わず全てのタイへの渡航者に対する公衆衛生保護を目的とし、空港や港、国境地点など46の入境ポイントにおいて、渡航者の疾病監視手順を強化しています。

タイ国政府観光庁からの旅行者のみなさまへのアドバイス
旅行者の皆様は、以下のアドバイスに留意して安全に旅行されることをお勧めいたします。(後略)【タイ政府観光庁 3月6日】
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なんとなく、文面からは「心配せずに是非タイに来て」というメッセージが感じ取れます。

ただし、日本語ガイドを依頼しているところの話では、日本人観光客に対する規制が緩すぎるのでは・・・との不満が国内にはあるとか。

ただ、日本より遥かに観光に依存した観光立国タイですから、タイ当局としては、国民の健康を守るという「表」の顔の一方で、観光客減少によるこれ以上の経済悪化は何としても避けたいという「本音」の板挟みにあるようにも見受けられます。

*****訪タイ海外観光客、2月は前年比44.3%減 中国人85%減****
タイ政府観光庁(TAT)は9日、2月の外国人観光客数が、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で前年比44.3%減少したと明らかにした。

TATのユタサック・スパソーン総裁は観光ツアー会社との会議で、国別でトップの中国からの観光客は85.3%減少したと述べた。

そのうえで、最悪のシナリオで、感染の状況が収まるのが5月となった場合、今年の外国人観光客数は3000万人に落ち込み、観光客の支出が22%減少する可能性があると指摘した。昨年の観光客数は3980万人。ユタサック氏は前週、今年の外国人観光客数が600万人減少するとの見込みを示していた。

観光業はタイ経済にとって重要な産業。昨年、外国人観光客の支出は1兆9300億バーツ(611億5000万ドル)で国内総生産(GDP)の11%を占めた。

タイ政府は前週、新型ウイルスの経済への影響を緩和するため32億ドル超相当の景気刺激策をまとめ、10日の閣議での承認を目指すとしていた。【3月9日 ロイター】
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【揺れる当局の方針】
そうした事情もあって当局の方針も、入国規制と観光客受け入れの間で揺れています。

*****タイ、入国規制で迷走 隔離義務「見直して公表」**** 
タイ政府が新型コロナウイルスを巡る入国規制措置の運用で迷走している。

アヌティン保健相が3日、日本や中国からの入国者に対し14日間の隔離を義務付けると明らかにしたが、その後これを取り下げたうえで、今後の方針は「見直して近く公表する」と説明した。タイは日本から訪れる旅行者や駐在員が多く、戸惑いが広がっている。

アヌティン氏は3日、自身のフェイスブックで日中韓など11カ国・地域からの入国者に、14日間はホテルや自宅での待機を義務付けると表明した。その後に投稿を取り消し「どの国を対象とするかなど、見直す必要がある」と述べた。更新した内容を近く明らかにするとしているが、まだ発表されていない。

タイは2月27日から日本を含む9カ国・地域からの入国者に、14日間は外出を控え自宅やホテルで健康状態を観察するように協力を求めている。

既に一部の日系企業では、対象地域を訪れてタイに戻ってきた駐在員に自宅待機を命じたり、日本からの出張を取りやめたりする動きが出ている。

観光客の足も遠のいている。泰日旅行業協会のアネーク会長は2月下旬に地元紙に対し「日本からの団体旅行の8割がキャンセルになった」と明らかにした。この時点では日本からの入国者への規制措置はなかった。隔離義務が実施されれば影響の拡大は必至だ。

タイには2019年に約180万人の日本人が訪れた。約6000社の日系企業が進出しており、世界の国・地域で4番目に多い約7万人の日本人が生活している。【3月5日 日経】
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先述のように「2月27日から日本を含む9カ国・地域からの入国者」というものには観光客は含まれないようです。あくまでもタイに在住していて、日本を訪問後に帰国した者・・・ということのようです。

メディア報道にも曖昧なところがあるようにも思えます。

****タイ、中韓などを新型コロナ危険地域に 日本は外れる**** 
タイ政府は5日、新型コロナウイルスの感染が広がっている危険な地域として、中国、香港、マカオ、韓国、イタリア、イランの6カ国・地域を指定した。日本は対象に含まれなかった。

タイの感染症法に基づき、対象地域から入国した人は、宿泊施設や自宅での待機を義務付けられる見通しだ。

タイの入国制限を巡っては、3日にアヌティン保健相が自身のフェイスブックで日本を含む11カ国・地域からの入国者に、14日間の待機を義務付けると明らかにしたが、その後に投稿を取り消し「見直して近く公表する」としていた。

タイは2月27日から日本を含む9カ国・地域からの入国者に、14日間は健康状態を観察するように協力を要請している。今回指定された地域からの入国者は、より厳しい対応を求められる。【3月5日 日経】
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したがって、いつ何時入国規制がかかってもおかしくないとも言え、明日実際に入国するまでは安心できません。
また、風邪などのために体温チェックで引っ掛かり入国できない・・・といった可能性もあります。

ただ、もう関空に向かう機内にいますので、後戻りもできません。
前に進むだけです。

ということで、先ほど泉佐野のゲストハウスに到着しました。
明日、早朝フライトでバンコクへ・・・・無事入国できるかな?

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