孤帆の遠影碧空に尽き

年に3回ほどアジアの国を中心に旅行、それが時間の流れに刻む印となっています。そんな私の思うこといろいろ。

新型コロナ 避けられない感染拡大 重症化リスクの高い者への対応に重点を移す時期?

2020-03-12 22:05:43 | 疾病・保健衛生

(無観客試合となった「ムエタイ」試合会場 ルンピニースタジアム【3月11日 FNN PRIME】)

 

【空席ばかりの機内 タイの検疫はやや“ゆるい”かも】
今日の昼過ぎ、タイのバンコクに到着。1週間ほどバンコクに滞在してブラブラと観光の予定です。

今朝8時半頃のフライトでしたが、関空は閑散としていました。新型コロナでみな旅行を控えているせいか、あるいは早朝はいつもこんな感じなのか・・・・

でもやっぱり少ないみたい。タイの格安航空会社ノックスクートを使いましたが、機内もバラガラ。搭乗率は2割程度でしょうか。

空港(LCCなのでドンムアン空港)での検査がどのように行われるのか少し不安でもありましたが、さほど厳密にやっているようにも思えませんでした。

日本からの飛行機は空港内のやや離れた場所に駐機して、バスで移動(これが日本からの便ということで、特別な措置なのかどうかは不明)

検疫所みたいなところで体温チェックが行われますが、額に検査器具をかざして体温測定するのは乗客の数人に一人の割合で、全員をチェックしている訳でもありません。

日本人観光客からも「いい加減すぎるんじゃないの?」といった声も。

赤外線カメラのモニターも誰も見ていないようにも・・・・

まあ、そんな検査で検疫も無事終了。
乗客からは「どこで調べると?」「今通ってきたじゃん!」「えっ!あれでおしまい?」って声も。まあタイですから・・・・

【バンコクの外国人宿泊客集中地区はそれなりの人出も ただし欧米系のみ】
日本でも大相撲が無観客興行になっていますが、タイでもそこらは同じです。

*****コロナ拡大で国技「ムエタイ」も無観客に… タイ観光は約1000万人減の試算も****
ムエタイ試合から客が消えた
鋭いキックやパンチが炸裂するたびにリング上に飛び散る汗。両手両足を使って様々な技を繰り出す選手たち。立ち技の世界最強格闘技といわれるタイ式のキックボクシング「ムエタイ」のワンシーンだ。

しかし記者が3月10日、試合会場の一つを訪れると、普段、試合を盛り上げている観客の地響きのような声援はなかった。

タイの国技である格闘技「ムエタイ」の二大殿堂の一つ、ルンピニースタジアムでは3月10日の試合から、観客を入れないで試合を行う無観客試合に踏み切った。スタジアムでの新型コロナウイルスの集団感染を防ぐための措置だ。

タイ政府から感染防止策として競技延期を打診されたことを受けて、スタジアム独自の対応として無観客試合を導入し、競技を継続することを決めたという。

 会場にいるのはムエタイ選手とその関係者、それにテレビ生中継のためのスタッフだけで、いつもは客席を埋め尽くす観光客や地元客の姿はなかった。 

試合を盛り上げる声援とギャンブル
ムエタイに来る地元客は、時に絶叫しながら、熱心に選手を応援することで有名だ。その理由は、多くの人がムエタイ会場で行われている「賭け事」に参加しているからである。客席では選手の勝敗を賭けるギャンブルが行われており、賭けに参加した観客は必死になって応援し、声援を送る。(中略)

またムエタイは、タイを訪問する旅行客にも人気の観光スポットだが、最近は外国人旅行客が減り、試合会場を訪れる人の数も落ち込んでいたという。これも無観客試合に踏み切った理由の一つだという。

タイの観光はコロナで打撃
新型コロナウイルスの感染拡大は、ムエタイだけでなく、観光地やショッピングモールなどの光景も一変させた。週末のモールは客が少なく閑散としていて、観光客の数もごくわずかしか見かけない。
観光スポットのすぐ近くには、客待ちの観光用三輪車トゥクトゥクが長蛇の列をなして待機している。

タイ政府観光庁によると新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、旅行の予約状況が急速に悪化したという。2月にタイを訪問した外国人観光客の数は、前年比44.5%にまで落ち込んだ。

また、2020年のタイへの外国人旅行者の数は、最悪のシナリオだと約1000万人減少し、観光収入も約1兆5000億バーツ(日本円で約4兆9500億円)減る可能性があるとの予測もある。

観光産業は国内総生産(GDP)の2割近くを占める主要産業だけに、タイ経済全体への悪影響は避けられない見通しだ。【3月11日 FNN PRIME】
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“観光地やショッピングモールなどの光景も一変させた”とありますが、今日のところは、そこまでも感じもありません。

バンコク市内の外国人が宿泊する安宿などが多いことで知られたカオサン(そのあたりの話も近年は変わってきているようにも聞きますが)にも近い王宮周辺の安宿に泊まっており、さきほどホテル周辺を散策してきましたが、観光客はそこそこ歩いています。(以前と比べてどうなのか・・・というところはわかりませんが)

ただし、ほとんど全員欧米系白人。中国・韓国などからのアジア系観光客は全く見ませんでした。

ただ考えてみると、現在感染拡大の中心は欧米に移っていますので、欧米系観光客が大勢いる状況というのはヤバイのかも。

【マスクなんてしていられない暑さ】
機内の日本からの乗客はみなマスク着用でしたが、上記のような欧米系観光客ではマスク姿は皆無です。

もちろんマスク文化の違いもありますが、「暑い」という現実的理由も。
私もホテルを出るときはマスクを着用していましたが、歩き始めて数分で「こんなもの着けていれらないよ」と外してしまいました。

タイの人も、街中ではマスクは使っていないみたい。

確か、SARSだか何だかのときも似たようなことがありました。
暑い地方を歩き回るのにマスクなんかしていられない・・・というのが実際のところです。

そのため日本のような「マスク不足」もないみたいで、空港で両替したところ、サービスにマスク1枚もらいました。

街の様子については、今日散策したのは外国人宿泊客が集中しているエリアですが、明日からまわるいわゆる観光スポットでは、また別の光景になるのかも。

【感染拡大はもはや避けられない?】
今日のニュースで印象的だったのは、ドイツ・メルケル首相の「予測」

****新型コロナウイルス、総人口の6〜7割に感染の恐れ 独首相****
ドイツのメルケル首相は12日までに、新型コロナウイルスの問題に触れ、最終的にはドイツ国民の6〜7割が感染する可能性があるとの同国当局の見方を明らかにした。

ベルリンでの新型肺炎に関する記者会見で述べた。シュパーン保健相も同席した。

首相はこの中で公衆衛生制度に過重な負荷をかけないことが重要と指摘。感染の拡散に歯止めがかからないイタリアを念頭に、全ての欧州諸国に感染が広がっているともした。

その上で、各国は研究に注力し、支援すべきと強調し、ドイツは分散的な方策で今回の危機に対処するとも言明した。新型コロナウイルスについて「我々は多くのことを知らない状況の中にいる。我々は深刻に受けとめている」とも述べた。

ドイツの連邦議員は12日に新型肺炎への対応策を協議する会合を開催する予定。

ドイツ連邦統計局によると、同国の人口は昨年末の時点で約8320万人。世界保健機関によると、ドイツ内の感染者数は11日時点で1296人で、犠牲者は2人となっている。【3月12日 CNN】 
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また、アメリカでも・・・・

****米医師予想、1億5千万人感染か ニュースサイト報道****
米ニュースサイトのアクシオスは11日、連邦議会の担当医師が議会スタッフらとの非公開会議で、米国の新型コロナウイルス感染者が「7千万〜1億5千万人に上ると予想している」と述べたと報じた。

米国の人口は約3億3千万人で、最大で4割以上の人が感染する計算となる。
 
推計の根拠など詳細は伝えていない。アクシオスは関係者の話として、多くは症状が軽く、完全に回復する人の数も予想に含まれていると付け加えた。
 
ファウチ国立アレルギー感染症研究所長は11日の下院の公聴会で、感染者数について「どのような対策を実施するかによって変わるので答えられない」と述べた。【3月12日 共同】
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要するに感染拡大はもはや止められない・・・・ということでしょう。
WHOもようやく“パンデミック”を認めたようです。

そうしたなかで目を引いたのは、下記記事のバーレーンの状況。

****湾岸アラブ諸国でも新型コロナ拡大、クウェート全土休日に****
 新型コロナウイルス感染が湾岸アラブ諸国でも拡大している。カタールでは11日、感染者数が238人急増し、累計262人となった。

バーレンではイランからの退避者165人中77人の陽性が確認された。

クウェートでも新たに72人の感染を確認。当局は感染拡大防止に向け、必要不可欠なサービスを除き12─26日まで全土を休日にすると発表。また、13日から全ての旅客機の運航を停止する。

17─19日にサウジアラビアで開催が予定されていた20カ国・地域(G20)の農業・水問題を担当する閣僚による会合と、来週のG20の事務レベルでの会合は延期されることになった。

湾岸アラブ諸国では新型コロナによる死者は出ていない。【3月12日 ロイター】
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“イランからの退避者165人中77人の陽性が確認された”・・・・イランからの退避者がどのような環境にあったかは知りませんが、もしイランの一般国民と同じような環境にあったのであれば、イラン全土でまさに半数近い者が感染する事態になっているという話にもなります。

通常のインフルエンザの感染は止められないですし、別にそのことを大騒ぎもしていませんから(日本でも毎年インフルエンザで数千人が亡くなっているにもかかわらず)、新型コロナウイルスについても、「感染拡大は止められないけど、別に大騒ぎすることもないよ」という考え方もあるでしょう。

問題は致死率や治療薬の有無ですが、致死率については以下のようにも。

****“致死率 インフルよりはるかに高い” 米研究者 新型ウイルス ****
NIH=アメリカ国立衛生研究所で新型コロナウイルス対策を率いるファウチ博士は11日、議会下院の監視・政府改革委員会で証言しました。

このなかで、ファウチ博士は新型コロナウイルスの致死率について、中国を含めたデータはおよそ3%であるものの、ウイルスに感染していても症状が出ない人もいることから、実際には感染者はさらに多いとして、致死率はおよそ1%と分析していることを明らかにしました。

そのうえで「インフルエンザの致死率は0.1%であり、致死率は10倍高いことになる」と述べ、新型コロナウイルスの致死率はインフルエンザよりもはるかに高いと指摘しました。

また、今後の感染拡大の可能性についてファウチ博士は「結論を言えば、状況はさらに悪化するだろう」と述べ、さらなる感染の拡大は避けられないとの認識を示しました。

そして、状況の悪化を少しでも抑えるためには、大勢の人が集まるイベントの中止を検討すべきだとしてNBA=アメリカプロバスケットボールなどの試合を観客を入れずに行うなどの対策が必要だと強調しました。
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素人考えでは、致死率は適正にコントロールされている状況と、医療崩壊状況では雲泥の差がるようにも。

感染拡大は避けられないという立場にたって、対応の主眼を、医療崩壊をまねかず、重篤化する危険性の高い者への対応に切り替えていくことが必要なのかも。

重篤化のリスクが低い者であれば、感染したことをさほど大げさに考える必要もないのかも。

なお、リスクの高い者が感染した場合に死に至ること多々あるのは、新型コロナだけでなく、普通のインフルエンザでも、あるいは通常の風邪でも同じです。

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