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安田「国籍と遺書、兄への手紙」

2023-08-06 | 気になる本

安田菜津紀(2023)『国籍と遺書、兄への手紙』ヘウレーカ

 レイシズムやヘイトはどこから来るのか?特に韓国・中国に日本は、侵略し植民地化した国である。冷静にみれば、今は日本がアメリカの事実上の属国になっている。「先進国」日本は自立してアジアの模範となり、「われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ」ことを願う。彼女の著作「隣人のあなた」を読んで、見つけたのがこの作品である。韓国、台湾は近くて何度か旅行した。パラパラと拾い読みしてたが、読みやすく全てを読みとおした。こころに残った点を記しておく。

 ドラマで東北の震災の写真を洗って返す作業を見たが、彼女が(も?)それをしていたとある。フォットジャーナリストの彼女は、写真は「今」を伝えるだけでなく、会えなくなった人に出会える「窓」になるのだ。掲載されている写真は余りクリアではない。

 朝鮮半島のルーツの歩みについて、日本の植民地時代、朝鮮半島出身の人々は「皇国臣民」の「日本国籍者」とされてきた。1952年にサンフランシスコ講和条約から、一方的にその立場を奪われ、「朝鮮人」という特定の国籍を持たない存在として扱われた。朝鮮は南北に引き裂かれ、1965年、南の韓国のみと国交を結んだ。(従軍慰安婦、徴用工、関東大震災虐殺、指紋押捺、社会保障制度、朝鮮高校補助、ホワイト国、統一協会などの問題があり、歴史認識と関わる)。

 自分の出自を言わない。親は言葉がしゃべれない人が多く、財産も職もない。2世の言葉は同じ、顔は似てても、就職差別、結婚差別や偏見、レイシズムがある。日本国籍を取るか、ルーツとアイデンティティに悩む。

 2022年8月ウトロ地区の放火があり、犯人は懲役4年の判決が出た。

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