豊田の生活アメニティ

都市デザイン、街歩き・旅行、くらし

「EVと自動運転」

2019-02-13 | 気になる本

 鶴原吉郎(2018)『EVと自動運転 クルマをどう変えるか』岩波新書

 人気の本で1カ別近く待って図書館で借りられた。

 これまでの自動車を作って売るから、環境、社会、生活スタイルなど時代の変化にどう対応していくか、特にEVと自動運転をテーマにした本である。なぜEVと自働運転か、日米欧の技術力は先行している。市場である中国は追いつけないし、大都市の環境汚染はひどい。そこでEVなら参入しやすく、自動化にも適する。日本の電機産業は空洞化した。その要因は海外での生産、部品外注など技術力の低下だけでなく、液晶化などトレンドを見誤った。(さらに追い打ちは東芝など原発投資であろう)車はカーシェアやレンタルの時代、あるいはIoTなど社会情勢が激動している。クルマの「サービス化」に手を打ち始めた。

 アマゾンは倉庫を持たないから、持つようになり常識を変えて強くなった。トヨタのe-palletとは、「トヨタはCES 2018を利用してビジネス戦略の方向転換を鮮明に打ち出した。豊田章男社長はキーノートに登壇し、『モビリティー・サービス企業を目指す』と言明した。e-Palleteはいわば何でも書き込める白紙のような移動のためのプラットフォームだ。Uber、滴滴、Pizza HutAmazonを始めとする多数のパートナーの発表に至るトヨタの動きを観察すればモビリティー・サービスに対する取り組みがきわめて真剣なものであることが分かる。」(Darrell Etherington、翻訳滑川海彦)

 自動運転と買い物、ロボットなどの活用、市民の所得、生活スタイル等どう変わるか。まだまだ不透明で、水面下のビジネス戦が続くだろう。

 都市計画では人口減少社会に対応して、鉄道駅周辺に人口を集中、いわゆる「コンパクトシティ」に向けようとしている。駅から離れていても車で自動運転できれば、また都市は拡散するだろうか。と気になっていたら、最終章にそのことが書いてある。さらにエピローグでは、これらの話は10年後ある。FCVのことや、トヨタの研究開発施設の位置づけなどは触れていない。EVによる下請け構造の変化も気になる。さらに、国家財政のデフォルト、日銀破綻。トランプのINF,パリ協定離脱など、将来は混とんとしている。読んでみてSF小説のようでもあり、興味深く読めた。どこまで実現するか未知数であるが、政府のようなフェイクでもなさそうだ。

コメント
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