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Con Gas, Sin Hielo

細々と続ける最果てのブログへようこそ。

「ピッチパーフェクト2」

2015年11月23日 00時01分03秒 | 映画(2015)
分かりやすく、2匹めのどじょう狙い。


半年も経たない前に「1」を観て高評価をつけたはずなのに、今回の「2」は「あれ?」と首を傾げてばかりだった。

なんでだろう?

前作で大学生アカペラグループの頂点を極めた「バーデン・ベラーズ」であったが、凱旋舞台となった大統領列席の式典で(ファット)エイミーがまさかの大開帳。実力はさておき人間性で劣悪のレッテルを貼られ、グループは再び一からやり直しというのがあらすじである。

前作の噴水嘔吐に並ぶインパクトという発想としての大開帳は理解できる。しかし、その後の展開がどうにもすんなり受け入れられなかった。

ベラーズが活動禁止になった後釜として入ってきたドイツグループが今回のライバルとなる。再び栄光を取り戻すには、世界大会で彼らを打ち破るしかない。

何か無理やり感が漂う。どん底からでこぼこチームが這い上がって勝利を掴み取る物語を再現させるために、やっつけでこしらえた舞台と見えてしまう。

途中で出てくる即興のアカペラバトルも前作の焼き直しに過ぎない。学園祭的なノリだった「1」の方が自然でよかったくらいだ。Green Bay Packersが出てきたのには驚いたが。

一方で前作から発展したのは人間関係だ。今回唯一新加入の新入生エミリーを演じるのは、Hailee Steinfeld。映画に歌に売り出し中らしいが、いまいち良さが伝わってこない。

本作では、このエミリーや(ファット)エイミーが男性とさらっといい感じになっちゃうのも特徴だ。エイミーとくっつくバンパーなんて、前作ではいやな奴だったのに、エンドロールも含めて随分とおいしい役に出世している。

そして最大の疑問は、世界大会優勝の筋書きである。

途中で伏線が張られていたので、アカペラ大会の常識を覆すオリジナル曲で勝負するという流れは予想ついたが、実際のパフォーマンスを見ても、ライバルが諦めるほどのデキだったのかが伝わってこない。カナダチームとして出ていたPentatonixのステージで互角以上の争いだと思うのだが。

で、まとめると、好評だった前作の踏襲ありきがみえみえだったことが何より残念。音楽は相変わらず聴き応えがあったものの、「1」の時ほどの新鮮さは感じられず。エンドロールがいちばん面白かった。

(50点)
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「マイインターン」

2015年10月29日 00時27分53秒 | 映画(2015)
パーフェクト70。


映画はR.デ・ニーロ演じるベンの独白から始まる。語りが進むうちに、これがシニアインターンへの応募ビデオの撮影だということが分かる。

ネット販売で急成長したアパレル企業だけに、シニアといえども紙の履歴書ではなく動画の撮影と投稿を要求したというわけだ。

自己紹介ビデオで伝えられたベンは、まっすぐ生きてきた仕事人間。ただ、実直というよりは前向きで社交的。愛妻に先立たれてからも、日々の小さなことに好奇心を抱き続けている。

そんな彼の専属上司となったのがA.ハサウェイ演じるジュールズ。「プラダを着た悪魔」で新米ジャーナリストだった彼女が、若手とはいえバリバリ仕事をこなす社長を演じているのがおもしろい。キャリアを積んで風格もたっぷりだ。

風格といえば、数々の作品で強面も悪役も演じてきたデ・ニーロだが、本作のベンはとにかく笑顔が目立つ。それも70年の経験を内に秘めた懐の深い笑顔だ。採用後すぐはまったくすることがなかった彼が、その経験と笑顔で周りの人たちをひきつけていく様子が温かく描かれる。

そしてその人間力は、仕事一辺倒で周りから煙たがられていたジュールズにも届くこととなる。焦らず観察、熟考して少しずつアプローチするベンの手法は見習いたいところ。

ジュールズの心をつかんだベンは、インターンを超えて「最高の友人」となる。老若男女分け隔てなく付き合い、伝統を重んじながらFacebookのような新しいものにも触れる。

誤送信メール奪還劇に笑い、ジュールズ夫妻のすれ違いに切ない気持ちになる。人とふれ合って感情豊かに毎日を送ることが、若さを保つ秘訣であり、なにより人生の醍醐味なのである。

この映画でのベンは完璧過ぎておとぎ話なのだが、少しでも近付ければ老後はきっと楽しい。いまどき未来に希望の灯りを見られるという、稀有でさわやかな気持ちを味わえたひとときだった。

(90点)
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「アリスのままで」

2015年09月26日 21時20分58秒 | 映画(2015)
それでも、家族は家族。


スポーツ選手には引退の時が来る。体力の衰えが来れば、厳しい競技になると20代でも世代交代の波にさらされる。

その点、知能・知識で勝負する学者や弁護士といった商売は、うまくいけば70歳だろうが80歳だろうが生涯現役でいられる。

しかし、本作の主人公であるアリスは、若年性アルツハイマー病を発症したことから、キャリア絶頂期でのリタイアを余儀なくされ、家族による介護を受ける生活を送ることとなった。

知的水準が高いほど進行が速いという皮肉な病。あまりに理不尽なできごとに戸惑う一方で、アリスは残された短い時間を、自分の尊厳と家族への愛情を賭けて懸命に生きる。

アカデミー賞をはじめ、本年度の主演女優賞を総ナメにしたJ.ムーアの演技は決して極端なものではないながらも、じわじわと進行する症状に侵される様子を体現。特に、顔の表情に、時間とともに自覚が薄れ虚ろになっていく状況が明確に表れていた。

母親の変化は、家族全員の運命も変える。もちろん辛く厳しい選択を迫られることも多いが、次女との間では、必ずしも良好でなかった関係に、お互いの許しの感情が芽生える。

抗うことのできない運命に対しどう接するべきか。はっきりした正解はないのかもしれないけれど、その難問に全身全霊で向き合う家族全員に敬意を表したい。

(80点)
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「ピクセル」

2015年09月26日 13時37分28秒 | 映画(2015)
"Pac-Man Fever"よ、ふたたび。


言われてみれば、アーケードゲームは単純でパターンがあって、そこが今のゲームと違うというのはそのとおりだと思う。

今は顧客をつなぎとめるためにパターン化させているだけで、能力的にはどこまでも複雑化させることができるのだろう。

スマートフォンのゲームは百花繚乱で、テレビをつけていると頻繁にCMが流れてくる。現在最も活気がある業界かもしれない。

ただ、不思議なことにキャラクターやゲームへの愛着という点では、あのカクカクした過去のゲームの方がはるかに大きい。

だからこそ成り立つのがこの映画なのである。年齢のせいではないはず。30年後にパズドラの映画ができたら謝るが。

残念ながら中身は薄い。宣伝にあるとおり、過去に宇宙へ放たれたゲーム関連のメッセージを誤解した宇宙人が、ゲームキャラクターを実像化して攻めてくる。乱暴に言えばそれだけである。

立ち位置がコメディーに近いので、他のキャラクターや背景は敢えて簡素に作られているように映る。なにしろ米国大統領がゲームおたく主人公の幼なじみである。

地球の危機といっても終始ゲーム感覚で、実際攻撃を受けた人間もピクセル化するだけで誰も命を落とさない。子供と一緒に観ることを推奨するという商業的配慮なのかもしれない。

それでも、過去の懐かしいゲームが現代のデジタル化された映画の舞台で活躍するというだけで、十分過ぎるほど楽しい。裏のトリビアネタも見たいから、パンフレットも即購入である。

驚くのは、これらのゲームのクリエイターたちが60歳前後ということ。やはりわが国は技術の国。有望な若者に技術を伝えるとともに、彼らが自由にできる環境を整えるべきである。

なんか映画の感想から離れてしまった・・・。

(75点)
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「わたしに会うまでの1600キロ」

2015年09月25日 21時36分52秒 | 映画(2015)
山があれば川があり、暑さがあれば寒さがある。


人生の壁に当たったとき、人はよく旅をする。自分探しの旅は、できれば少し困難を用意した方がいい。

本作の主役であるシェリルは、母親を失ってから生きるための支えがなくなったかのように自暴自棄な生活を送るようになる。誰彼構わず男性と性交し、ついにはクスリにも漬かってしまう。

母が健在だったころは、母の理想をも超える立派な生き方をしていたはずなのに。その頃の自分に戻るための旅として選んだのが、メキシコ国境からカナダ国境まで西海岸を貫くパシフィッククレストトレイル(PCT)だった。

どうやら実話らしい。エンドロールに出てくる画像が本人なのだろう。主演のR.ウィザースプーンが惚れ込んだ話のようで、体当たりの演技がそれを証明している。

生半可な自分探しではない。自分自身をとことん追い込んで、そこから湧く生きるための力を体得するための業なのだ。

ただ、旅を続ける間はそんな先のことまで考える余裕もなく、その日の食料や寝場所の確保や、行き交う人たちとの関わりに全力を尽くす。旅が終わりに近づくときにやっと、「明日から毎日20セントでどうやって暮らそう」と思うくらいだ。

それでも、旅の途中で自分を見つめ、報われない境遇でも前向きだった母の面影を繰り返し思い出すことで、シェリルは気持ちの区切りがついたようだ。旅が終わった後のことはセリフでしか語られないが、それは再生のドラマには含まれないということなのだろう。

苦行ではあるものの、旅自体は大事件が起こることなく淡々としている。一泊お世話になる農家の人、砂漠で出会った怪しい男、オレゴンで行きずりの夜を過ごす男性と様々な出会いがあるが、すべて通り過ぎるだけというところが実話らしく興味深い。確かに、人生のほとんどって、実は劇的ではないのが事実である。

(70点)
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「アントマン」

2015年09月25日 09時38分07秒 | 映画(2015)
娘のためなら、たとえ水の中穴の中。


3D上映が本格的に始まってからだいぶ長くなるが、本作ほど3D映像に合致した映画はそうないのではないか。

体長1.5cmのヒーローは、もちろん小さいという物珍しさやギャップが売りではあるが、実は小さいからこその強さが満載の正統派でもある。

身体の大きさを瞬時に変えてスピーディーに展開するアクションは3Dでこそ見応えありと感じた。

主役は、仕事がうまくいかず家庭も失った男・スコット。不遇ではあるが、アメコミのヒーローにしてはそれほど陰鬱な過去を持っていない。

ただそれにも増して、彼の最大の関心事であり生きる理由でもあるひとり娘の存在に、個人的に大きく共感した。

彼がなりたいのは、娘にとってのヒーローであり、劇中で同じ世界にいるとされるアベンジャーズとは根本からまったく異なる存在である。

一瞬迷ったものの、娘のために再起すると決めたスコットは次第に強さを身に着ける。

様々な特徴を持つアリたちを統率するというのもユニークな設定だ。アリたちと協力して空を飛び、穴をすり抜け、敵の中心部へ乗り込み破壊する。強大な敵に団結力で対抗して打ち負かす図は爽快である。

小さい世界での小さいもの同士の戦い、大きいもの(といっても、人の足や家電、おもちゃなのだが)の脅威。物を大きくする装置を使って、今度はアリやおもちゃが巨大化して現実世界に現れる。

驚きと楽しさにあふれた映像と、ほっこりさせる家族の幸せ。温かい気分に浸れるアクション映画だった。

ただ、続篇はアベンジャーズからの依頼を受けることになるようで。趣きは少しずつ変わっていくのかな。

(85点)
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「ナイトクローラー」

2015年09月24日 00時42分41秒 | 映画(2015)
悪魔に天職。


元々眼ヂカラがあるJ.ギレンホールが狂気をまとう。

人の不幸は蜜の味とはよく言ったもので、本作の怖いところは、他人事と思って片付けられないところにある。

もちろんこの映画の主人公ルイスのように明らかな一線を越えることはないとしても、事件や事故の報道を見ている目が興味本位になっていることがないと言えるだろうか。

このルイスという男、金網泥棒に甘んじているものの、目標を見つけたときの執着力と手段を選ばない非情さでは、他者を寄せつけないものがあった。

一部はヤラセで盛った事件もあったが、いち早く現場に駆け付けるために命さえ惜しまないスピードで車を走らせたり、邸宅で発生した殺人事件にうまく出くわしたりする辺りは、ルイスの執念が実ったとも思える。

しかしメインは、事件の経済的価値を高めるためにルイスが行う非道な行為である。

普通の相手だと思って接した人がことごとく巻き込まれていく。ルイスにとって自分以外は使い捨ての道具に過ぎないのである。

狂気に満ちた行動一辺倒ではないのだが、したたかな交渉や時折見せる笑顔でさえも恐ろしい。誰を駒にして稼ごうかという思惑が透けて見えるから。

もうアシスタントのリックなんて、はじめから犠牲になることが分かりきっているから、もう口答えなんかしなきゃいいのにと思いながら見ていた。

しかし皮肉なことに、思惑通りに他人の犠牲が積み重なる度にルイスの階級は着実に上がっていく。

世の中すべてがこうとは思いたくないけど、少なくとも他人の不幸の上に成り立っている範囲の社会は、非情になれる者だけが生き残っていくのかもしれない。

(75点)
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「キングスマン」

2015年09月23日 23時52分36秒 | 映画(2015)
英国紳士なのに、とてつもなく不謹慎。


長い歴史を持つスパイ映画に、「キックアス」、「X-MEN:ファーストジェネレーション」のM.ヴォーン監督が挑んだ本作。

いずれの過去作品もおもしろかった印象があるので、それなりの期待をして観たのだが、正直な話、ここまで度肝を抜かれるとは思わなかった。

様々な解説に書かれているが、本作は、最近のシリアスなスパイものに不満を抱いていた監督が、かつての007シリーズで描かれていたような伝統的なスパイものの世界観を基盤に配役と脚本を構築している。

そこで欠かせないのが英国紳士であり、一見お堅いC.ファースM.ケインといった英国人俳優がクラシカルなスーツに身を包み、華麗に悪と対峙する。

お堅い紳士が派手で軽快なアクションをこなすのは、まさに古い時代のスパイ映画そのもので、そのギャップに萌えたことを思い起こさせる。

これだけなら単なるスパイ映画の再興なのだが、更にひと味ふた味付け加えたところにM.ヴォーンの技を感じた。

まずは、振り切った殺人描写である。

R-15指定の時点で何かあることに薄々気付いてはいたのだが、冒頭から人間が縦に真っ二つにされるなど、人体が弾け飛ぶ描写がてんこ盛りである。

といってもこれらの場面は、あまりの多さ故に残酷さを超えて、もはや記号と化していた。その極め付けが「威風堂々」に乗せて打ち上がる花火であり、その直前に絶体絶命に追い込まれた主人公の反撃として爽快にシンクロする。

不謹慎だと分かっていても腹を抱えて笑ってしまった。映画館でこれだけ笑ったのはいつ以来だろう。

お堅い英国紳士>派手で軽快なアクション>残酷なのに爽快な惨殺と、次々に気持ちよく裏切る画像を提供する一方で、軸となる脚本がしっかり組み立てられていたことも大いに評価したい。

舞台装置やキャラクターを古典的に設定していたからこそ、敵役を現代社会の申し子のようなIT長者に置くことで対照性が際立つ。それと並行して、年代や経験の対照性に焦点を当てた若い青年の成長物語が進んでいく。

先輩エージェントのハリーの思い、新米青年のエグジーの境遇が丁寧に描かれており、いずれのキャラクターにも感情移入できる。

小ネタの配置や回収も心憎い。新米エグジーと同じ目線に立てたからこそ感慨深い逆転劇(アーサーの場面)や再現劇(ラストの場面)が実現した。

不謹慎な場面は際立つけど、全体を通してみると、やはり極めて「粋」なスパイ映画だった。

(95点)
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「ヒロイン失格」

2015年09月23日 22時40分23秒 | 映画(2015)
桐谷美玲がすべてを背負う映画。


かつての栄光が色あせた中で、原点回帰として純粋な恋愛ドラマを放映したフジテレビの月9。結果は、大成功とも失敗とも言えない微妙なラインだった。

刺激を求める傾向がますます強くなる昨今、話題を呼ぶのは「超」がつく大作と問題作ばかり。その一方で恋愛ドラマは、事務所の力が強いタレントを主役に据えたお手軽作品として生き永らえているのが現実である。

本作の主演は桐谷美玲。ほぼ万人が認める美人で男女を問わず人気のある彼女が、「別冊マーガレット」で連載したコミックの映画化作品に主演するというだけで、大ヒットとはいかないまでも、ある程度の成功は約束されているように映る。

製作に名を連ねる日本テレビを中心に、公開日を中心に彼女を大露出して更なる上積みを支援する。手法の良し悪しはともかく商売としては実に手堅い。

ただマーケティングとその成果が固定化するほど、作品の質への期待値は相対的に減じる。簡単に言えば、人気者を据えて宣伝をきっちりすれば、映画の素材はなんでもいいということにもなりかねないということである。

テレビでの宣伝を見ると、桐谷さんが普段のイメージとは程遠い変顔などコメディエンヌぶりを発揮するのが一つの売りらしい。

なるほど、彼女自身この作品が大好きだったと公言しており、ある程度の気持ちは伝わってくる。でも、原作ファンには申し訳ないが、話がまったくおもしろくない。

「私が好きな人か。私を好きな人か」と前面に出してはいるが、どう考えてもはじめから結果が分かっている争いを引きずるだけで、どきどきも共感もない。

特に「ヒーロー」である利太の優柔不断ぶりが酷過ぎて、どうにも収まりの悪いハッピーエンドになっているところが致命傷である。

山崎賢人は、朝ドラの「まれ」でも三角関係で選ばれる男性を演じていたが、相手の柳楽優弥が良かっただけに、結果として評判を下げているように見受けられた。老婆心ながら、売り方を再考した方がいいのではないか?

利太のライバルとなる坂口健太郎は人気のモデルらしいが、コリアン・エンターテインメント風の顔立ちは、初見で「イケメン」と断言するのに少し違和感を覚えた。

違和感といえば、福田彩乃の高校生役はあり得ないレベルだ。彼女は美人だとは思うが、この役にあてがう必然性はまったくない。

とまあ、口を開けば文句だらけなのだが、結局桐谷さん見たさで足を運んでいたのだから、それを裏切らないかぎりは「金返せ」というほどでもないのも事実なのである。

(40点)
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「テッド2」

2015年09月23日 10時22分33秒 | 映画(2015)
テッドは隠れても、おやじ臭でバレると思う。


前作が本邦でも予想以上の大ヒットとなった喋るぬいぐるみの映画「テッド」の第2弾。北米の興行で叶わなかった初登場第1位を記録したようだから人気は健在である。

前作を復習せずに観たが、強く記憶に残っている「フラッシュゴードン」押しが再登場するなど、時間が経っても成長しないテッドたちをすぐに実感。

結婚しても、下ネタ、差別、クスリと、不道徳極まりない生活は変わらず。市民権獲得の裁判へ足枷となる描写はあるが、徹頭徹尾堕落した性格のままでハッピーエンドを迎えるところは、ある意味すごい。更生したらテッドじゃないのだけど、この辺の許容度は米国ならではだと思う。

不道徳な主人公たち以外の本作の特徴といえば、北米ショウビズ界のネタだろうか。台詞の端々に出てくるだけでなく本人まで登場するが、これは前作でもあったかな。

ただし、ジェイ・レノ、R.ニーソン、T.ブレイディという顔ぶれについては、本国では疑う必要のない超一流どころだが、わが国で全員知っているという人はおそらく1割に満たないと思う。

もちろん私だって分からないネタだらけなのだけど(新スーパーマンのジョナ・ヒルは分からなかった・・・)、小ネタの元を一つも知らなくとも本作を高く評価する人は、それ以外の下ネタや不謹慎な振る舞いが感性に合ったということなのだろうね。

テッドに市民権を認めるか、単なる所有物と認定するかという裁判が話の中心にあるが、裁判映画ではないので法廷場面にはさほど大きく時間を割かず。

一度所有物と裁定されたテッドを巡って、コミコン会場でどたばた劇が繰り広げられるのがクライマックスになるのだが、これも助けがあっさり来るなど残念ながらあまり盛り上がる感じがしない。

そう考えると、やはり本作の魅力は、見た目に反したテッドのだらしなさと、ところどころに挟まれる小ネタに尽きるのだと思う。だからこそ後半はもう少しあっさりしてもよかった。

そんなわけで、前作同様微妙な感想となるけれど、ブレイディに不正球のネタを振ったことと、A.セイフライドを「ゴラム女」と言い切った(後半でご対面!)点は大いに評価したい。

(60点)
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