「美しい村」の議員日記

南アルプス山麓・大鹿村在住。自給自足農業、在宅ワーカー、2011年春より村議会議員。

過疎地とホームレス

2006年01月08日 | 田舎暮らし
 7日付朝日新聞の声欄に、「都心の野宿者 過疎地担えば」というタイトルで、山梨県の遊休農地で都心の野宿者の人たちが野菜栽培を始めたり、荒れた里山の手入れを行ったという投稿が出ていた。以前から、都市のホームレスの人たちと過疎地をうまく結びつけることができたら、どちらにとってもいいんじゃないかなと思っていたので、実際にこういう試みが動きだしていることを、とてもうれしく思った。
 投稿者は99年から都心の野宿者への食材支援をしているそうで、そのために佐久かどこかで農場もされていたと思う。たしか以前にもそのような記事を見たことがあった。その試みが定着して、広がっているのだろうと思う。
 往々にして過疎地の人は、人口減を嘆きつつも、一方でどこのだれだか分からない人がたくさん入ってくるのは嫌う傾向がある(最近の物騒な世相を思えば、当然といえば当然だが)。空き家があっても、いつか戻ってくるかもしれないから、先祖のお墓があるからなど、さまざまな理由で、なかなか貸してもらえないことが多い。
 畑だって、都会から来た人間は無農薬にこだわったりするから、十分手が回らなければ、結果的に害虫を呼んだり、草の種を周囲にまきちらしたりしかねない(畑状態にして除草を怠ると、遊休農地だったときとは別の種類の畑にとって厄介な雑草が出てくる)。空いているからといって、すんなり貸してもらえるなんてことは、ほとんどありえないことだと思う。
 そう考えると、投稿者の試みが拡大してきたのは、本当に地元の人たちの信頼を得られるような地道な努力の積み重ねがあってのことだろうなと思う。ぜひ、この方たちの試みが良き先例となって、こうした過疎地と都心地との協働がもっと広がっていけばいいな。

 長野県の北部地域では、この大雪に対して、ついに自衛隊が派遣された。