「美しい村」の議員日記

南アルプス山麓・大鹿村在住。自給自足農業、在宅ワーカー、2011年春より村議会議員。

低い投票率

2010年08月09日 | 非戦・平和・社会
 長野県知事選は阿部さんの辛勝だった。本当に接戦だったけれど、自民党が推す方にはならなかったので、ほっとした。それにしても、今回の投票率は低かった。常識的に考えて、事前にあれだけ接戦だと報じられていれば、少なくとも阿部さんと腰原さんの支持者は投票に行くはずだと思える。そう考えると、投票に行かなかった人の多くは、どちらも支持しないか、あるいはどっちでも大差ないと思ったということなのだろう。特に今回は政党対決のようになってしまって、国政の場で、政権交代をなしたはずの民主党がどんどん自民党と代わり映えしない方向に行っているように見えるから、無党派の人たちから見たら、自民党も民主党もぱっとしないし、また、どっちでも大差なく思えたというところなのかな。もう一人の松本さんは、それらの組織対決に埋もれてしまって、とても勝ち目はなさそうだったし、阿部さんと松本さんで票を分け合って、腰原さんに行くのは避けたいと思った人も多かったと思うから、迷いも生じて、結局投票に行かないということもあったかもしれない。
 いずれにしても、新しい知事が誕生した。阿部さんの経歴を見ると、副知事を退職後、総務省の過疎対策室長をされていたみたいだ。長野版の事業仕分けをなさるそうだが、その際には、いろいろなことが非効率に見えるかもしれない過疎の小さな村の実情もきちんと理解していただきたいものだと切に願う。
 

経済成長なき社会発展は可能か?

2010年08月07日 | 非戦・平和・社会
 明日は長野県知事選。参院選の直後ということもあって、民主党と自民党の決戦みたいになって、大物議員も続々応援に来たりして、情勢調査でも両者が競り合っていて、真っ先に立候補表明した松本さんは厳しいと書かれているみたいだ。こういう三つどもえの選挙のときは、自分の考えに一番近い人に入れるか、アンチ自民に勝たせる方を重視するか、いつも悩みながら投票している。今回も3日ほど前の信毎の記事でも、投票先未定が4割以上ということで、同じように迷っている人も少なくないのかな。自分の思いはツイッターの方につぶやいた。いずれにしても、明日結果が出る。

 ところで、以前にも何回か、環境問題への対応と経済成長を何とか両立させようとする施策や風潮に対して、経済はどうしても成長し続けなくてはいけないのかという疑問を書いたことがあったと思うけど、しばらく前にツイッターで、「私が成長に反対するのは、いくら経済が成長しても人々を幸せにしないからだ。成長のための成長が目的化され、無駄な消費が強いられている。そのような成長は、それが続く限り、汚染やストレスを増やすだけだ」 という、朝日新聞に掲載されたラトゥーシュという経済哲学者の言葉が目に留まった。邦訳書が刊行されたというので、早速注文したものが昨日届いた。『経済成長なき社会発展は可能か? <脱成長>と<ポスト開発>の経済学』という邦題の分厚い本で、注釈もいっぱいあって、訳文も硬くて難しそうで、読むのはなかなか大変そうだけど、お盆休みに少し読めたらいいなと思っている。
 冒頭に日本の読者に向けた著者のメッセージが「『経済成長』信仰の呪縛から逃れるために」というタイトルで掲載されている。確かに「経済成長」というのは一種の信仰だよなと思った。もちろん不況で社会の底辺であえいでいる人たちがますます苦しくなるのは事実だけど、そこを社会福祉施策できちんと下支えできればという前提で、経済成長一辺倒でない在り方を模索しないと、やはり地球環境は待ったなしの状態だと思うのだけどな。ブックマークのMY本棚に早速登録(ほかの本も、ただ本棚に並べてあるだけで、レビューは全然書いてない)。

追記:「経済成長」信仰は資本主義と密接不可分な気がするけど(目次に「<脱成長>は資本主義の中で実現可能か?」とあった。中身はまだ読んでない)、日経BPの本日の必読記事に田原総一朗さんの「強欲な資本主義に「正義」はあるだろうか」という記事があった。「いま私たちは自由主義経済、資本主義経済を考え直さざるを得ない。改めて、そういう気持ちになって、私は戸惑っている」と。

参院選の情報あれこれ

2010年07月05日 | 非戦・平和・社会
 今朝はまた参院選の中盤情勢が各紙で発表される。民主党は菅首相に代わって支持率がV字回復して、支持率が落ちないうちにと、重要法案もみんな通さないまま選挙戦に突入したと思ったら、今度は消費税10%を言い出して、またじわじわと支持率が落ちているみたいだ。しかし、それにしても、ほんの一月ちょっと前まであれほど言っていた沖縄の話はどこへ行ったのやらと思ってしまう(そんな中で、池田香代子さんが沖縄の基地問題を考える上に大切なことを頻繁に書き続けてくださっている)。消費税も10%と言い出したものの、支持率が落ちると見るや、超党派で検討までが公約だとか、増税分の還付とか、菅さんの言うことが場当たり的に変わってきて、また民主党内部でも小沢さんが批判したりしているし、連立の国民新党も反対している。民主党単独過半数にはならなそうな予想だし、参院選後、結果によって連立の組み換えなんて話も出ているし、一体どうなるやらと思ってしまうが、とにかく政権交代後の初の選挙だし、いろいろな意味で大事な選挙だと思う。個人的には、沖縄にこだわって連立を離脱した社民党の支持率が低迷したままで、改選議席を維持するのは難しそうなどころか、1議席にとどまるかもなどという厳しい予想もあって、保坂展人さんがどうなるか本当に心配している。特に日ごろ政治不信や無関心であまり選挙に行かない若い人たちに、ぜひ投票という形できちんと意思表示してほしいものだと思ってしまう。

 自分の考えと一番近い政党や候補者を知るには、ボートマッチ(Vote Match)が分かりやすい。いろいろな争点についての考え方を選択していくことで、自分と政党の考え方の一致度を見ることができる。毎日の「えらぼーと」読売の日本版ボートマッチがあって、どちらも結果をツイッターでつぶやけるようにもなっているし、毎日のはブログパーツも作れる(ただし、gooブログでは使えない)。微妙に質問項目に違いがあるので、少し前に両方やってみて、どちらもやっぱりという感じで、一番一致していたのは社民党だった。毎日の方は、政党だけでなくて、候補者一人一人との一致度も見ることができる。どう考えたらいいかよく分からない問題も幾つもあるので、そういうことを知ることもできて、自分の考えを整理するきっかけにもなる。
 また、Googleがつい最近「未来を選ぼう 参院選 2010」を開設した。これはGoogleらしく、候補者の検索ランキングがグラフになっていたり、各候補者ごとに候補者名の検索結果や、ニュース、ブログ、動画、本、関連ツイートなども表示されていて、候補者に関する情報をまとめて調べられるようになっていて分かりやすい。
 
参院選の比例区のシステムは、衆院選の比例とごっちゃになって、どうも分かりにくい。衆院選では政党名を書いたけど、参院選は(政党名でもいいけれども)候補者の個人名を書ける。しかも、名簿順ではなくて、個人名の得票数が多い順なので、むしろ応援したい人の個人名を書くことが大事。同じ名字の人もいるので、フルネームで書かないと、按分されてしまう。
 

消費税

2010年06月18日 | 非戦・平和・社会
 参院選の民主党のマニフェストで「消費税を含む税制の抜本改革に関する協議を超党派で開始する」と書き込まれ、菅さんが「自民党案の10%を参考にする」と言ったそうだ。民主党は去年の衆院選のマニフェストでは、この膨大な財政赤字を抱える中でも、子ども手当などの「ばらまき」政策を消費税を上げずに実行できると言ってきたわけだけど、わずか1年足らずでひっくり返ってしまった。世界的な不況の中で、2010年度予算の国債発行額は過去最高の44.3兆円、ますます財政赤字は拡大し、事業仕分けはいろいろしたけど、それほどの財源を捻出できず、目玉政策の一つだった子ども手当にしたって満額は無理そうという状況の中、多くの国民もやっぱり消費税増税は仕方ないのかなと思わされてきているのだろうと思う。
 よく、大きな政府と小さな政府の話で、北欧は社会保障がすごく充実している代わりに税金もすごく高いというのは有名な話だけど、実際、村に住んでるもスウェーデン人の友達(ヨガの先生です)から聞く話でも、医療にしても、出産にしても、学校教育にしても、いろんなものがただだという話はとても魅力的に聞こえる。特に今のような格差が広がっている世の中で、ある程度の社会保障の充実のためには、やはり税負担が多少重くなるのは仕方ないというか、当然かもしれないとも思う。
 しかし、一方で、例えば今朝の保坂のぶとさんのツイートに「菅総理が消費税10%に言及しているが、22年前につくられた消費税納税総額が224兆円で、この期間の法人3税減税額が208兆円だったということをどう考えるのか」とあった。今回の税制改革の話の中でも、消費税の増税とともに法人税の減税の話がある。仕事で企業の話を聞くことも多いので、「日本の法人税が高い」という話もよく聞きはするけれども、消費税は低所得者の家計をより圧迫することになる。低所得者の負担ばかり増えて、それがそのまま企業の減税に回るのか???と、やっぱり思ってしまう。増税するなら、社会保障の充実にきちんと当ててほしいし、払える人からより多く取ってもらいたい。消費税ならせめて食品を増税の対象から外すとか、きちんと納得のいく論議をしてほしい。

 週間予報はこれから雨続き。昨日の中央アルプス。

最小不幸社会

2010年06月09日 | 非戦・平和・社会
 菅直人新内閣が昨日発足した。村山さんの後、ずっと親が政治家の首相が続いてきた中で、市川房枝さんの応援からスタートした市民運動出身の菅さんが首相になるということは、ずっと民主党の看板の一人であり続けた人とはいえ、ある種の新鮮さ、清冽な感覚があるし、期待感もある。特に会見の中にあった「私は政治の役割は国民が不幸になる要素、世界の人々が不幸になる要素をいかに少なくしていくのか、最小不幸の社会を作ることにあると考えている。貧困、戦争といったことをなくすことにこそ政治が深く力を尽くすべきだ」という言葉は、よく心に刻んでおきたいと思った。
 一方で、こと普天間の問題については「日米合意に基づいて進めなければならない」と言っているし、防衛大臣も外務大臣も再任だから、やはり失望感も否めない。「沖縄の負担軽減も真摯に全力を挙げて取り組んでいく」ためには、「移設」ではない、新たな基地建設は、どう考えても両立するものではない。「最小不幸の社会」が特定の少数の人たちに「不幸」を押し付けることによって成り立つものであってはならないはず。

社民の離脱と鳩山さんの辞任

2010年06月03日 | 非戦・平和・社会
 昨日は、保健補導員会飯伊支部の研修会で、落合恵子さんの講演会があった。「母に歌う子守唄」というタイトルで、7年間お母さんの介護をなさって見送られた体験に基づくお話だったけれど、何せ「スーパーモーニング」の終了直前に、鳩山総理の辞任のニュースで、そのままスタジオに残ってという慌ただしさの中で飛んできての講演だったので、せっかく政権交代したのに、残念だったという感想から始まった。保健補導員会ということで、落合さんと同じ60代前後の女性が多く、お母さまを見送った具体的なお話には、私も含めて、ハンカチを目に当てて聞いている人が多かったけれど、そんな話の端々に、やはり政治を変えなくてはいけない、おかしいことにはおかしいと言わなくてはいけないというメッセージも何度も織り込ませていた。
 民主党の今後の人事が気になるところで、特に今回の辞任の一番の引き金になった沖縄の問題の今後が気になる。5月27日の「普天間飛行場について、将来の国外・県外移設を実現する連立与党・政府の基本方針を策定することを求めます」という緊急声明に署名した人たちには、何とか「将来」を少しでも近い「将来」にすべく頑張ってもらいたいものだ。
 
 社民の離脱は、保坂さんにぜひ与党の中で活躍してほしいと思っていた者からすると、本当に残念ではあるけれども、政治家の言葉がみんなうそっぽく聞こえる中で、やはり福島さんがきちんと筋を通したことは良かったと思っている。社民の離脱で、一番懸念されるのが憲法。5月18日に憲法改正の国民投票法が施行になったものの、社民党が連立与党の中にいることで憲法改正が議論になることはなかった。保坂さんは先日の講演で、参院選の隠れたテーマは憲法だと思っているとおっしゃっていた。今いっぱいできている新党はみんな改憲。以前も自社さ政権から社民党が離脱した後に、日米ガイドラインや盗聴法、住基台帳法、国旗・国歌法などが出てきた。いきなり改憲とはいかなくても、集団的自衛権。そんな意味でも、本当に、何としても社民党には頑張って一定の影響力を持ち続けてもらいたいものだと思う。
 飯田の講演会の方も文字おこしをしました。前半は沖縄の話、後半(17ページ以降)の質疑応答では、こうした話や八ッ場ダムのヒ素の問題、郵政民営化をめぐる話、児童虐待防止法はできたものの、施設に保護された子どもたちの出口が閉ざされているといった話など、こちらからご覧ください。

「辺野古」明記

2010年05月28日 | 非戦・平和・社会
 今日、辺野古への移設を明記した日米共同声明と政府方針の閣議決定が発表されて、署名を拒否した福島党首が罷免された。当然のことながら、沖縄では「県民に対する裏切り」と、怒りが広がっている。

 保坂さんのお話の一つのポイントは、この問題はよく「普天間基地の移設問題」と言われるけれども、実は単なる移設ではなく、新たに軍港、弾薬庫、オスプレイ(垂直離発着両用機)の配備、訓練場という四つのものが加わる、まさに新基地建設問題なのだということだった。しかも、実は44年前に同じ場所に海軍の基地建設の計画があって、滑走路と軍港を造るという設計図もあったそうで、つまりもともと造りたかったのだけれども、当時は経済的な理由で断念していたものが、今度は日本の費用でできるというのだから、アメリカにしてみれば、ベストであることは当然の話だ。
 一方、沖縄では、米軍基地の74%が集中する中で、米軍絡みの事件も年間1000件以上も起きているという(日本全体では1700件)。さらに新たな基地負担は受け入れ難いと思うのも当然の話で、実際、辺野古の新基地は強い抵抗運動によって13年間できなかった。今回だって辺野古と明記したからといって、これだけ沖縄の中で超党派で反対の意識が高まっている中で、稲嶺名護市長も「実現可能性はゼロだ」と否定している。
 今日の福島さんの会見にもあるように、地元の賛成がなく、反対の中で強行することは、結果的に日米関係も破壊することにつながる。毅然として筋を通した福島さんに敬意を表したい。




保坂さんの講演会・大鹿①

2010年05月27日 | 非戦・平和・社会
 昨日の保坂のぶとさんの講演会が無事終わった。ありがたいことに、Ustreamで中継していただいた動画がそのまま保存されているので、「昨日行きたかったけど、行けなかった」「時間を間違えた」などと連絡をいただいた方に、URLをお教えして見ていただくこともできた(こちらで見られます)。
 大鹿村では、せっかくここまで来ていただけるなら、ぜひリニア新幹線の調査ボーリングが行われた釜沢を見ていただきたいとお願いして、視察していただいた。ちょうどそのころ村内では、南アルプス世界自然遺産登録長野県連絡協議会の総会と南アルプスシンポジウムが開かれていて、地質に詳しい人に説明していただくことはできなかったけれども、とにかくあちこち山ががらがらと崩れている現場を実際に見ていただきたかった。
 その後、村内で行われた懇談会は、時間は1時間強と短かったけれども、沖縄の基地問題と公共事業についてお話ししていただいた後、原発やリニア、食料自給率・農業の問題など、飯田会場とは少し違った質問が出た。
 原発についても、社民党は原発は徐々に減らして自然エネルギーに転換していくという考え方だけれども、連立政権では例の温暖化対策基本法だかでこれまでの自民党政権時代以上に原発推進を打ち出してしまった。先月発表された経産省の基本エネルギー政策の見直し案では、何と2020年までに9基、2030年までに14基の新設、設備稼働率も現在の60%を85%、90%に高めるなどという、ほとんど非現実的とも思われるめちゃくちゃな数字が上がっていて、自分自身、非常に危惧を抱いていたところだった。保坂さんは、原子力の問題について、連立政権の中で非常に悪くなったところという言い方をされていた。
 取りあえず、全体をざっと文字起こしただけのものをこちらにアップしておいた。


いよいよ明日

2010年05月25日 | 非戦・平和・社会
 今月初めころご案内した保坂のぶとさんの講演会がいよいよ明日になった。普天間基地の移設問題は、先日、鳩山さんが2度目の沖縄訪問で「辺野古付近にお願いせざるを得ない」と表明したことで、社民党では連立離脱論も出てきて、今日は福島さんが沖縄に行って、仲井間知事らと会談するなど、本当に緊迫した状況となってしまった。どんなお話が聞けるのか、どんな集まりになるのか、今からどきどきしている。
 ぜひ多くの皆さまのお越しをお待ちしています。
 あと、明日はなんと、Ustream中継も予定されています。てくてくさんのブログにアクセス先等が紹介されているので、こちらをご覧ください。

保坂のぶとさんの講演会(決定版)

2010年05月07日 | 非戦・平和・社会
保坂さんの講演会の概要が決定しました。

保坂のぶと講演会
「政権交代、建て直し!
子ども・いのち~普天間をつなぐもの」


日時 5月26日(水)夜7時~
場所 飯田勤労者福祉センター(さんとぴあ)音楽室
参加費 500円

また、午後4時15分より大鹿村公民館鹿塩地区館でも短時間の集まりを予定しています。
夜には出られないけれど、日中ならという方は、ぜひ大鹿村の方にお越しください。
お問い合わせはブログの左サイドメニューの下にある「メッセージを送る」から
お願いします。

当日のチラシ(PDFファイル)はこちらです。