棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

鷽(うそ)と桜の話

2008-04-16 10:58:28 | エッセイ・随筆
サクラの蕾を10数年前に、ウソ鳥についばまれてしまったことを書きましたが、昔からこの鳥には被害があったようですね。
我が家のサクラの開花宣言致します。
ときおり小鳥がついばみにきますが、鷽ではないようです。ホント。
絵は昨夜の一杯のままのどんぶりに、ポチョンと落ちた花。
凝縮された、春の風景、朝一から製作しようやく完成です.

「志ん朝の あまから暦」に、こんな面白い話が記載されていました。
東京亀戸にある亀戸天満宮では、正月25日の初天神に鷽替神事(うそがえ)が行われます。
木彫の鷽を交換しあって、去年からの罪や汚れを捨ててしまう。ウソもそのひとつなのでしょう。(私が知らなかっただけで、有名な神事らしい)

まーーおおらかな江戸時代からの、庶民の思いなのでしょう。
この本は、粋な江戸の雰囲気が感じられます。
読んでいるうちに、先代の古今亭志ん生の、江戸下町のベランメー調が思い出され、今日の落語家にはないナニカを感じ、味わいのある著書です。
ぜひ、御一読をお勧めいたします。

蛇足ですが、我が母が嫁いだ先(小生の生家ということ)は山手の端っこ。
田舎のお嬢さんだったとはいへ、硬苦しい言葉づかいはしんどかったらしい。
出入り職人の、乱暴だが歯切れのいい言葉に、心休まる思いがしたと、聞いたことがあります。

いまさらなんだ、といわれそうですが、「鷽」と検索しますと、ずらーーとでてくるんですね。
上記した鷽替え神事のことも詳しく紹介されています。
それらの願望成就が、ウソでないことをお願いしたいところですが。

如月の望月のころ

2008-04-15 18:44:27 | エッセイ・随筆
夜明けの気温は1度と寒かったのですが、ボワーーンとした空気と、春空の暖かな一日。
待ちに待った玄関先の桜が、ポッ ポッ ポッと、はじけるように開きました。

夕刻のわずかに桃色が加わった空に、上弦の月が咲き始めた枝のあいだに在ります。
思わず、かの有名な西行法師の辞世の句を思い出しました。

願わくば花の下にて春しなむ 如月の望月のころ

望月は十五夜おっ月様のことですが、昨年描いた作品を思い出しました。
大型店や住宅地にかこまれるように『史跡公園」があります。
お椀を伏せたような小高い丘は、5年ほど前から桜の名所となりました。
まるで、一本の巨木桜のように見え、西行の句を思い浮かべ心象風景とした作品です。

昼間の暖かさが残る今夜は、満開の桜・市井の灯火・そして、太古から変わらない、月光に浮かぶアルプスの山々を、堪能できることでしょう。
私は、我が家の開花を祝い庭先で一杯しましょう。
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桜切る馬鹿 梅切らぬ馬鹿

2008-04-15 10:22:03 | エッセイ・随筆
今朝は1度と寒く感じた。
サクラの開花も遅れ気味です。

桜切る馬鹿 梅切らぬ馬鹿
切る切らないとどちらも馬鹿なんですが、春先に先手をしてない梅ノ木は、まっすぐな枝が串刺しのように立っています。
我が家の梅ノ木は、その枝ばかりで花芽はなく、梅の実のつきもよくありません。

『枝を折るべからず」などと書かれた板がぶら下がっているのが、桜の木。
心引かれる桜の花は、一枝ほしくなるのも無理もなく、花瓶に入れても水揚げも好い木です。

散歩コースに、根元が直径1mをこえる見事な「枝垂桜」がありました。
周囲の杉の木や、けや木・ブナなどに負けてしまったのか、5年ほど前から急速に衰えてしまいました。
大風などで太い枝が折れたり、今年は雪の重みで傾いてしまったり。
とうとう、伐採されてしまいました。
残念ながら、勢いよく咲き誇った時代の写真がみあたりません。

今朝ほど持ち主からのお話ですと、アリに食い荒らされた結果だそうです。

春の柔らかな陽が、地蔵さんを照らしています。

インドネシア-屋台

2008-04-14 15:37:20 | 海外紀行文
私には、ガイドブックにあるホテルやレストランとは無縁の旅。
それらの旨いまずい、高い安い、と言うことは他者におまかせをし、私はもっぱら庶民の台所、屋台です。

その前に、街中の食堂のお話から。多くの利用者がムスリムで、当然中華風料理や豚肉料理はありません。
モスリム料理は決してまずくは無いのだが、時にはものたりないことがある。
だが、スマトラ島のミナンカバウ族の町、パタン料理は日本の家庭料理そっくりだ。
魚の煮付け・肉じゃが風なもの・てんぷら風などなど。
インドネシア料理の定番、なんとかゴレンといわれる、いためご飯や焼きそばとは、ちがう。
首都ジャカルタでも、パダン料理店は旅行者にも、人気のあるレストランが多い。

低所得者の溜まり場でもある屋台は、手押し車一台のスペースから、2.3坪ほど布幕で囲まれた大型屋台までいろいろある。
メニューも最低4-5品とそろへ、家庭味で安くて旨い。
屋台よりさらに安いところがワルンと呼ばれる、低所得者の居住区に多い、雑貨屋と屋台がミックスした軒先食堂だ。
びっくりするような旨いところもあり、そんなワルンのメニューは、レストランなどにおろしているようだ。
代々伝わってきたカーチャンの味は、近代的厨房からは生まれてこないのかもしれない。

まっ昼間から子猫大のネズミがチョロチョロし、足元にはやせ細った犬がこぼれ飯をあさる。
夜ともなれば、高級屋台(?)は発電機がうなり、ビールを飲む地元連も。
オイルランプに赤く照らされた屋台は、穴の開いたTシャッツで手を拭きながら、安酒トアックを飲む。
オッチャン・アンちゃんと目があうと、ニヤと笑い「バグース・じょーとーねー」とVサイン。
絵は拙著「森へ帰ろう」より

春の気を描く

2008-04-14 10:15:06 | 創作活動
夜明けの雨が上がり、朝日が射すと、いっせいに春の精霊たちが湧き上がる。
小鳥たちが鳴く、ひときは大きく鶯がさえずり、川の音にのって、覚めたばかりのカエルの能天気な声。
私の魂も浮遊し、天空に遊ぶ。
今季初めて朝日を浴びながら「春の気を感知する自身を描く」
大好きな蕪村の句の世界に浸りながら。

菜の花や 月は東に 日は西に
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春に三日の晴れ間なし

2008-04-13 15:26:50 | 山郷の暮し
朝からどんよりとした雨模様の空。薄らサブクく、冬用上着を着ての散歩。
満開の梅林はあまいニオイが漂い、頭の心が蒸発していきそうな、能天気な気分にさせてくれる。
我家の桜の開花は予想より遅い。

昨年はすでに開いてはいましたが、小鳥に蕾を食べられ、貧弱な咲き方であった。
今年はまだ鳥の被害は無いが、10数年前だったか、ウソ鳥の渡り時期と重なり、全域で被害があった。
まだ油断は出来ませんが、そうなってもしかたがありませんね。

我家の花畑(そのように見えない人もいますが)緑と黄色。そのほかの小花が補色のようで、自然はとこをとっても、絶妙な色彩バライスですね。

大衆バスはしんどいが

2008-04-13 10:49:51 | 海外紀行文
写真は、93年のスケッチ。クソ暑くてこのようなスケッチになったのでしょうか。
私の海外の旅は、フトコロ具合との相談で、日数は気にしなくていい。
贅沢である。心から贅沢な旅をしてきたと自負していますが・・。

どこへいっても、可能な限り陸路(水路)の移動だ。
汽車・バス・オートバイ・ヒッチハイク。ときには車やボートなどをチャーターして、特別な所へ。

ツーリストバスは、AC付きのリクライニングシートと日本と変わりがないが、冷房がききすぎて寒い。
南国にあって、寒さに震えていることになる。
私はよほどのことでない限り利用はせず、ACなし、ガタガタシート。その上すざましいラジオの暴音付の大衆バスだ。
市井の喧騒がそのまま繰り広げられるバスで面白いが、疲れる。心身ともにヘトヘトになること必定だ。
食傷気味になるが、やはり乗てしまう。

バスターミナルといっても、様々な会社のバスが乗り入れているので、よほど言語にたけていないと間違える。
現地の人でもまちがえていたほど。私のたどたどしい語学では、行き当たりばったり、どこかに着くはず。ただし、真夜中になったりすると、悲劇だった。

私設のチケット売り場が並び、客引きアンちゃんが飛び回る。
ウロウロする客の荷物をひったくるようにバスに積み込み、チケットを売るのですが、これがまた一騒ぎだ。

客の方も3人いれば一人分はまけろといい、『金なんかネー」とシートにしがみつくオバアチャン。
私の料金は、お隣さんの3倍。
金返せの当然の要求に、「旦那は金持ちだ。貧乏人を助ける義務がある」
と、シャーシャーとした顔で、インドネシアの相互扶助の精神を押し付けられてしまった。

出発時間と、到着時間はあってないようなもの。
その昔、インド・ネパールでしっかり仕込まれていたとしても、やはりつらい。
それでも、体力のあるうちは、挑戦したい旅です。
まーーついでですが、これらの騒ぎはンイドネシアに限らないことを一言。

さくら VS リス

2008-04-12 18:20:58 | 賢犬さくら
先日の大雨で、花畑の雑草は一段と緑があざやかになりました。
寝転ぶと大地の暖かさが、ほんのりと伝わってきます。
里では今日あたりから、花見宴会が始まったようです。
標高700mのここは、サクラの蕾は緒ちょぼ口のようになっていますが、開花するには風が冷たすぎるのでしょうか。
お父さんが定点観測をしている枝は、まだまだのようです。
日が落ちて、風が一段と冷たくなってきました。

今日はお父さんに大目玉をくらってしまいました。
だって、頭の上をゴソゴソしているヤツが気になって3日め、とうとう犯人を追跡しましたが、アトリエ内を少々めんどうなことに。

悔しいのですが、相手のリスは壁・天井を駆け巡る。
下に下りたときが勝負時ですが、これまた早い。
いまのところ、お父さんにしかられ、私の負けです。
気になって落ちついて寝てもいられません

インドネシア-ボロブドール遺跡

2008-04-12 13:50:13 | 海外紀行文
私が、ブッタの生まれたインドの佛跡を最初に訪れたのが1972年。
とりつかれたように周辺諸国への独り旅を続けてまいりましたが、ボロブドゥール遺跡には10年の後であった。
そればかりか、アンコールワット(カンボジア)もおなじであった。

きっかけになったのは、今でも大切な資料になっている、1981年の2月の中日新聞。ボロブドゥールのユネスコによる解体・修復保存の報道が、かの地へとすっ飛んでいった最初であった。

ジョクジャの大都市から直通バスがあるらしいのだが、私にはどうしてもそのバスがわからないでいる。(今も)
素直に観光バスに乗ればいいのだが「イヤ・田舎バスを乗り継ぎしてゆくんだ。それが旅だ」と、馬鹿に近いやせがまんの旅。
いつも間違えてしまうのですが、そのたびに、とんでもない村・町にいき、二日がかり担ってしまうことも度々。

名前は忘れてしまったのですが、遺跡の手前の小さな町は、背後に富士山を思わせる活火山ムラピ山がそびえ、ノボッテミヨウカナーという気をおこしたが、それまで。
ようやくたどり着く、ボロブドールは、お釈迦様が露天風呂につかり、世界の平安を確信しているお姿がある。

日本からの団体も多いのですが、なかには、ゴルフの話ばかりしている一団も珍しくない。
一面に広がる、濃い緑の大地に、予定のゴルフツアーに思いがはせているのでしょう。

遺跡の見学はどこも暑いのですが、石積みのボロブドールは木陰がなく、ひときは暑いことを覚悟してください。てきるなら、午前中をお勧め致します。

写真--御教授くださいといわれても、私入浴中なんですけど・・。

ryusun

つぶやき

絵本と無縁になった大人に

子供たちに向けたというより、内なるものを呼び覚ます大人への絵本