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団塊タケちゃんの施術日記

一人二人生の旅立ち

若さの目安は、大腿四頭筋

2016-11-07 09:28:31 | 健康・病気

一日寝たきりでいると、心肺機能を示す最大酸素摂取量が0.9%低下するーーロンドン五輪(2012年)のチームドクターを務めた順天堂大大学院スポーツ医学の櫻庭景植教授が報告し、「一日ベッドに寝ていると、一日寿命が縮まる」と指摘しています。

日経Gooddayの「若さの目安 シミ・シワより大腿四頭筋」に書かれています。ただ、これは寝たきりの超初期のことで、その後も同じスピードで心肺機能が低下するわけではない、と加えています。

加齢に伴って、目立って衰えてくるのが下肢の筋肉です。日本人約4000人の筋肉量の変化を調べた結果、20歳を過ぎると、下肢の筋肉量は腕や手、体幹より早く大きく減少していきます。その目安になるのが、太ももの前にある大腿四頭筋です。25歳くらいでピークに達し、60歳では25歳のときより約60%にまで落ちるといいます。

筋肉量とは別に、筋力の低下を示したデータもあります。60~70歳の筋力を、20~30歳と比較すると、脚の筋肉は60~70%も低下する、と東京都リハビリテーション病院の林泰史院長は報告していました。ちなみに、腰の筋肉は50%、腕や手の筋肉は20~30%の低下といいます。

ただ、筋力は100歳になっても、鍛えれば向上することも実証されています。そのためには、自らの筋力を正確に知らなければなりません。大腿四頭筋の筋力を測る方法は次回に。

 

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「サロン文化を日本にも根付かせたい」

2016-11-04 09:20:27 | 健康・病気

ノーベル医学生理学賞を受けた大隅良典・東工大栄誉教授を招いた京都産業大のタンパク質動態研究所開設シンポジウムで、永田和宏・同研究所長は「欧米にあって、日本に根付いていないものにサロン文化があります。さまざまな分野の人たちが集って知的な刺激を与え合うサロン文化が育ってもらいたい」という趣旨の発言をしました。

永田さんは毎春、自宅の庭で花見の会を続けています。大隅さんらタンパク質の動態を研究する「七人の侍」や若い研究者、教え子らが参加します。今年の花見は正午から始まり、深夜の午前零時まで、延々とと飲み、食べ、いろいろなことを語り合いました。酔った大隅さんが他人の靴を間違えるというハプニングもありました。永田さんは直接的には触れませんでしたが、さまざまな年代や職業、いろいろな研究者らが集るサロン文化の場づくりをしていると感じました。

大隅教授も、若い研究者が集まる勝手塾を開いているそうです。塾が終了した後、大隅さんを囲んで酒を飲み、料理を味わいながら、談論風発を重ねることが、大隅さんは何よりも愉しみだといいます。

わが国では例が少ないサロン文化から卓越的な研究成果が生まれたケースに「桑原学校」があります。フランス文学・文化の研究で知られた桑原武夫・京都大名誉教授(1988年、83歳没)の呼びかけで、各種各分野の研究者、作家、芸術家らが集まり、酒食を重ねながら、いろいろなテーマを話し合いました。こうした中から、学際的な、先駆的な共同研究が生まれました。教え子が梅棹忠夫、梅原猛、上山春平、鶴見俊介、多田道太郎の各氏らそうそうたる人たちです。

永田さんはあいさつの最後を、大隅さんを念頭に、こう締めくくりました。「よいサイエンストは、みんな面白い人です」

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赤血球は1秒間に300万個もつくられています

2016-11-03 09:24:22 | 健康・病気

ノーベル医学生理学賞を受けた大隅良典・東京工業大栄誉教授は、酵母のオートファジー(自食作用)の機構を説明する前に「血液の赤血球は1秒間にどれくらいつくられるか、知っていますか」と聴衆に呼びかけました。答えは、3×10の6乗、300万個です。続いて「酸素を運ぶヘモグロビンは1秒間に1×10の15乗、1000兆個もつくられています」。

ヒトの体を構成する細胞の寿命は数分から数か月といいます。2~3ヶ月で置き換わってしまうそうです。新しくつくられる一方で、古くなって役に立たなくなった細胞は次々と分解されていきます。オートファジーは細胞内のタンパク質を分解する仕組みを明らかにしました。

こうした代謝を繰り返し、ヒトの生命は生き続けています。ヒトの体の仕組みを知れば知るほど、私は生命の神秘さを感じます。解剖学の授業で、赤ちゃんの血液循環を習ったときにも、その神秘さにびっくりしました。

胎児は、お母さんの、いわゆるへその緒から血液を受け、栄養分と酸素を補給しています。赤ちゃんの心臓は動いていませんから、血液は心臓の右心房から左心房につながる卵円孔を通じ、左心房、左心室に入ります。出産して、赤ちゃんが肺呼吸を始めると、卵円孔は血圧で閉じて卵円窩となります。オギャーと泣いたとき、卵円孔はふさがり、右心房→右心室→肺→左心房→左心室の血液循環が始まるのです。

赤ちゃんの頭蓋骨は縫合が緩やかです。狭い産道を通り抜けるためです。それが、誕生時には縫合は正常通りに広がります。この仕組みにも驚きました。ヒトの体を学べば学ぶほど、信仰心の乏しい私でも、神さまがつくったとしか、思えません。

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役に立たない研究が「役に立つ」に貢献します

2016-11-01 09:20:31 | 健康・病気

ノーベル医学生理学賞を受けた大隅良典・東工大栄誉教授は基礎科学を疎かにする現状を憂えて、繰り返し、こう発言しています。

私は「役に立つ」という言葉がとっても社会をだめにしていると思っています。数年後に事業化できることと同義語になっていることに問題がある。本当に役に立つことは10年後、あるいは100年後かもしれない。社会が将来を見据えて、科学を一つの文化として認めてくれるような社会にならないかなあと強く願っています。

タンパク質の動態を研究している大隅さんら7人の研究者でつくる「七人の侍」は、京都産業大で開かれたタンパク質動態研究所の開設を記念するシンポジウムで、基礎科学に研究費を出そうとしない国の姿勢を嘆き、批判しました。

大隅さんの妻の姉と結婚している吉田賢右・京産大シニアリサーチフェローは「すぐに役に立つイノベーション(技術開発)は、企業化できるということです。役立つといわないと、研究費がつかない現状があります。でも、すぐに役立つことはすぐにダメになってしまうかもしれません。役に立たない研究がその後、『役に立つ』に大きく貢献することが科学の世界ではよくあります」と述べました。

藤木幸夫・九州大特任教授は「大隅先生がノーベル賞を受けたオートファジーの研究は1960年代から始まっていますが、当時は論文が10編程度にとどまり、研究者の関心も低かった。それが、大隅先生がオートファジーに関連する遺伝子を発見してから、研究者の注目が集まり、オートファジー関係の論文は2015年は5000編を超えています」と報告しました。

オートファジーは、パーキンソン病などの神経疾患、がん、その他の難病を解決するのでは、と期待されています。大隅教授が40年以上、地道な研究を続けてこなければ、オートファジー研究の今の発展はありませんでした。役に立たないという研究が「役に立つ」あかしと思いました。

 

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