先週は住友チタニウム(5726)が第1四半期の決算を発表し2007年3月期の業績を売上げ(当初)390億円→404億円、経常利益(同)122億円→142億円に増額修正した。同時に配当を80円(同)→90円に増配を公表した。4月からのスポンジチタンの2万4000トンへの増設(1年前1万8000トン)がフルに寄与する自信をもったことが、大幅な増額修正の理由である。スポンジチタンは設備を増強しても、そのまま増産につなげることが難しい製品だ。設備を動かすスタッフの熟練度が必要で、なかなかマニュアル通りには行かないようである。日本のモノづくりの真髄があるだけに、需要の本家本元の米国でもなかなか日本に追いつけない。
当面、金属チタニウムの最大の需要は航空機であるが、日本の2社(住友チタニウム、東邦チタニウム)を追いかける第3位の米チタニウム・メタルズ(TIE)も思うように増産ができていない。住友チタニウムの能力2万4000トン(年)に対してチタニウム・メタルズは9000トン。
株価はここ1年で住友チタニウム2.4倍に対して、チタニウム・メタルズは3.6倍にもなった。同社のハロルド・サイモンズ会長は、7月中旬にも自社株を買い増し、持ち株が59.8%になったというインサイダー届けを出してウォール街では話題になっている。先行きにだれよりも経営トップが強気なのは、金属チタン株を評価する上では注目される。
8月2日には東邦チタニウムが第2四半期の決算を発表する。