足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

焦点は火曜日の連銀FOMC・・・日本ではフジテレビの動向

2005-03-21 19:16:09 | 株式
今週の市場の焦点はウォール街にある。
火曜日(22日)に定例の連銀のFOMCが開催されるが、0.25%の利上げは市場のコンセンサス。FFレートは2.75%になる。
関心は声明文の中から「measured(慎重に)」という文言が消えるかどうか?グリーンスパン議長はステップ・バイ・ステップと緩やかな利上げ政策をとってきた。金融引き締めが景気に反応するかを精緻に分析しながらである。景気には大きな影響を与えず、株式市場には株価の頭を抑えるという程度のものであった。しかしここへきて気になるのは原油相場の上昇。先週は56ドル台乗せをし、インフレ懸念を増幅した。週末はガソリン価格の急上昇が話題になった。昨年5月以来の高値。
日本ではピンとこないぐらい、ウォール街では原油価格の動きには神経を使う。米国のGDPの成長には、単位当たりにすると2倍の石油を使う。日本経済のほうが、この点では省エネができている。
「慎重に」という文言を削除すれば株価には大きな影響を与えるだろう。
さて今週の関心事はニッポン放送の新株予約権付のファイナンスに、東京高裁がどんな判断を下すか?市場の関心はフジテレビジョン株に集中している。
新興市場の銘柄からオプト(2389・JQ)に注目。ネット広告ビジネスの分野での成長率はトップ・グループ。広告代理店から自社のサイトも拡大し新ビジネスに力を入れる。昨年のサイバーエージェントのような展開を、同社株にことしは期待したい。
外人投資家が第2位の大株主になった。


腹八分目ならぬ6分目で・・・来週の銘柄作戦

2005-03-20 21:29:07 | 株式
週末のウォール街はかねての私の持論であるインフレ問題が相場の頭を抑える結果となった。
週末の原油価格はOPEC総会で増産が決まったのに、相場は逆に上昇した。32セント高の$56.72である。これから春の不需要期に入るのに、増産するというのは今までの常識の完全なる塗り替えを迫られているということだ。シーズン的な要因は相場に対しては関係なく、むしろ構造的な要因によって変動するようになった事実を直視しなければならない。
これと同じことは世界の株式相場にもいえる。
2003年に底入れした株価の原動力は循環的にみて底入れの時期にきていた。それに中国、インドなどの新興諸国の世界の消費市場への台頭という、構造要因が加わり2003~2004年は上昇相場になった。
循環的な勢いは息切れした。それは連銀の引き締めでる。
構造要因は続いているが、一時の勢いは減速してきている。そこへインフレ問題が出てくると、最近の米国株が示すような方向観のない動きになる。先週、金曜日の米ナスダック指数は昨年11月3日以来の安値になった。ハイテク株に元気がないのが気になるところでる。
欧米の株価比べて日本株には救いはある。これまでのように米国の景気に影響を受ける度合いが小さくなってきたことである
日本企業の構造改革、金融システムの安定化である。
しかし日本経済が、欧米とは関係なく独自の動きをするところまでは行かない。とするならば、当面は全力投球は避けて、「腹八分目」、いや「・・6分目」でいこうとおもう。
来週のハイライトはフジテレビジョン(4676)と23日にIPO(新規公開)されるジュピターテレコム(4817・JQ)である。フジテレビは差し当たりポートフォリオに入れる。ジュピターテレコムは当日に寄ることは間違いない。買いから入るつもりである。


日本にもLBO(レバレッジ・バイアウト)の時代が来るか・・・ぜひ投資の選択肢に入れよう

2005-03-19 13:08:42 | 株式
ライブドアのニッポン放送の買収は成功を収めた。次は本丸(フジテレビジョン)をどう攻めるか?
先週の朝日新聞にはライブドアがLBO(レバレッジ・バイアウト)を利用して攻撃することも選択肢に入れていると報じられた。
1970年代にウォール街で盛んになり、1988年にピークを迎えしばらく低調であった手法である。買収する相手先の企業の資産を担保として資金調達する。下火であったウォール街でも昨年から、再び流行の兆しが出てきた。
金曜日はフジテレビが急騰、ストップ高をつけた。
ライブドアがフジテレビ株を買い増して傘下に入れるのには2000億円以上の資金が必要。先に800億円の転換社債を発行しているので、これ以上は市場からでは無理。そこで選択肢として選ばれようとしているのが、LBOである。
米国ではLBOファンドに年金、ヘッジファンド、個人の富裕層の資金がこのところ流入を始めた。
昨年の米国のM&Aの8%はLBOであった。投資収益率は年率30%以上になるところもある。
ライブドアの動きをみていると、背後には明らかに外資がいる。ニッポン放送、フジテレビの先手を打つ行動力には、ウォール街の先鋭部隊がついていると思う。
さてわれわれが注目したいのは、この種の投資手法が日本にも持ち込まれようとしていることである。これまでは日本の企業文化が、障壁になりできなかったことが、実現可能になってきた。
われわれにとっては投資の機会がふえる。私は喜ばしいことであると思う。銘柄選択の視点を急いで広げなければならないが、相場観を立てる上でも、戦略を練る上でもワクワクさせられる。
さしあたりはフジテレビジョン(4676)の株価の再評価をしたい。


今月の相場の基調は難しい・・・限られた有望セクターは新興市場・・もちろんリスクは大

2005-03-17 21:15:52 | 株式
期待した3月相場であるが、いまのところ不発に終わっている。
2月末に比べて日経平均は+2.9%、NYダウ平均は-1.3%。日本の方がパフォーマンスはよいが、そんな大きな違いではない。
この程度の違いでは「NY株はダメだが、日本株で儲かった」といえる人は、相場名人か、小型株や新興市場で上手く立ち回った投資家だ。ジャスダック指数は+2.0%、第2部は+4.1%、マザーズは-0.9%である。
NY株は今月に入ってから明確にインフレ問題を気にし始めた。原油だけではなく国際商品市況の上昇が先行きの物価にはね返らないか?長期金利が上昇を始めたのは、この懸念の表れである。
さて日本株でのトレーディングは、その時々の仕手株か、限られた新興市場の銘柄での回転売買でしか儲け難くなってきた。
新興市場について。
本日は期待のカブドッドコム(8703.マ)が公開された。IPO価格の36万円に対して65万5000円で始まり、引けは67万円。
この株の評価はしやすい。先輩と比較できるからである。PERでみると松井証券30.52倍、マネックスが46.89倍、Eトレード74倍
これに対してカブドッドコムは60.64倍まで買われた。初物という人気のプレミアム以外は、これ以上はリスクがある。むしろ松井証券の月末の1対2の分割取りに魅力を感じる。Eトレードの成長性には及ばない。
昨日公開のネクステック(3767.マ)はIPO価格43万円に対して186万円で寄り、高値199万円をつけたが、引けは187万円ヤリで終わった。
先週のトリトンスクエア通信では「2日目までに寄るなら妙味あり」と会員にお伝えしたが、その見方は現在も不変である。
新しいビジネスモデルの成長株の誕生である。

「お断り」最近、本欄の読者からの電話が増えていますが、お断りしているようにあくまで本欄は私の一つの見方を提供すると共に、トリトンスクエア通信の会員のために(発行は週1回)、できるだけ1週間の空白を埋めるためのサービスのための情報提供です。電話相談が増えていますが一切受け付けておりません。その点をご理解のうえ、お読みくださるように。
なお当社は一任勘定の投資顧問業者ではなく、助言なので情報は自己責任で利用していただきます。


石油相場に当面は安心感・・・当面は?

2005-03-16 21:15:23 | 株式
イラクでのOPEC総会でサウジアラビアとクウェートの主張が通り、第2四半期はOPECの生産量を50万バーレル引き上げることになった。現在の生産量からすると2%の増産であるが、第3四半期(7~9月)の欧米の需要期(夏場でガソリンの需要が増える)に備えて、備蓄をするようにという狙いがある。増産を主張したサウジは「相場を40~50ドルの範囲に納めておきたい」というのが狙いという。しかしウォール街では「わずか2%の増産では焼け石に水だ。どんな策を出ても、走り出した機関車を止めることは出来ない」と醒めた見方をする向きも多い。
予想されたとはいえ、OPECの増産はウォール街にとっては朗報である。現在の株価の夜間の取引では、上昇はしている。いかにいまの市場が、インフレに対して懸念を抱いているかがわかる。
このような評論家的な話を論じていても始まらない。
われわれの明日からの投資戦略はどうするか?
相場には下方硬直性が出てきた。外人投資家が「日本株を当面はオーバーウエイトしたい」よいう見方が有力で(たとえば3月のメリルリンチの世界の機関投資家の見方)、下がれば持ち株を増やそうという向きが多い。どうやら相場は、一旦、1万2000円に乗せてから調整に入るのか?
3月17日は3銘柄がIPO(新規公開)される。カブドッドコム(8703.)が、もっとも注目される。
16日にIPOされたネクステック(3767・マ)は、本日は寄り付かなかった。17日中に寄れば短期では買ってみたい。