足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

大物の成長株の登場

2005-03-09 20:38:16 | 株式
原油相場が上昇して日米の株価に大きな悪影響を与えなくなってきたのは救いだ。
来週16日にイランでOPEC総会が開催される。ベネズエラ、カタール、アルジェリアが増産に反対している上に、OPECの議長国であるクウェートのアルサバフ石油相も「相場は高いが、産油国は十分な量を供給している」と増産に関心のないことを強調した。これに対して米国EIAは「世界の需要と中国の消費が相場の上昇の主因」と、OPECにけん制をかけた。
このような駆け引きが、これからも続くだろう。われわれは、ポートフォリオの中にエネルギー関連株は必ず入れなければならない。
選択肢は石油関連株と省エネや代替エネルギー関連だ。
本欄では帝国石油、国際石油開発に、これまで注目してきたが、省エネ・代替エネルギーの新顔が登場してきたことに関心を持ちたい。実にタイミングがよい。
3月4日に公開されたファーストエスコ(9514・マ)だ。IPO価格75万円に対して250万円で始まった。意外に安く寄ったというのが正直な感じである。
昨年12月に公開した省電社と同じように、企業、自治体に省エネのプランを提案、成功報酬を受け取る。そのほか日本でのバイオマス発電の第1人者で、初めての公開企業。「原子力発電並みのコストが実現」という。それに炭酸ガスを排出しないクリーンエネルギーだ。同社は廃材を利用。まさに炭酸ガスを吸収する植物のリサイクルを発電を通じておこなう。地球温暖化を防止する京都議定書の実行に協力する。議定書は2008~2012年まえに1990年比で6%の削減を目指すが、日本の主要企業は目標を10~12%と公表しているところが多い。その決め手の一つがクリーンな代替エネルギーである。
この株はベンチャーでも、並いる企業と異なって短期間に大型企業になる可能性をもつ。
日本版エンロンになる可能性さえあると思う。エンロンは会計疑惑で人気は地に落ちたが、かってはウォール街ではヤフー並みの成長企業であった。機関投資家が競って投資した。
ファーストエスコの来期の経常利益は、証券会社によって予想が異なるが3億6000万円~5億円と幅がある。2007年6月期は16億円と大きく浮上する。
発行株式数が7782株と少ないことも魅力だ。大物の成長株の登場である。いまのところ市場がその成長性を正しく評価していないのが、われわれにとってはチャンスだと思う。